本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
山本五十六は連合艦隊司令長官になって変わってしまった
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(10)なぜ大バクチは画竜点睛を欠いたか
渡部昇一(上智大学名誉教授)
1941年12月、海軍内部に不信渦巻く中での決行となった山本五十六連合艦隊司令長官による真珠湾攻撃は、結果として画流点睛を欠くことになった。それはなぜか。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第一章・第10話。
時間:2分25秒
収録日:2014年11月17日
追加日:2015年8月13日
≪全文≫
 そもそも日本海軍を率いた山本五十六海軍大将からして、連合艦隊司令長官になった頃から、まるで人が変わってしまったのではないかと思えるふしがある。

 山本五十六は非常に頭脳明晰な人物で、米内光政大将、井上成美少将(のち大将)とともに日独伊三国同盟の条約締結(昭和15年〈1940〉)に反対したことでも有名である。

 アメリカ大使館付武官を務めたこともある山本大将は、もともと日米開戦には消極的だった。ところが連合艦隊司令長官になってからは、「開戦の劈頭(へきとう)、敵の主力艦隊を猛撃撃破して、米海軍と米国民をすっかり意気阻喪させる」ことが必要だと考えるようになり、真珠湾攻撃を立案・実行したのである。

 当時、日本海軍は出撃してくる米艦隊を日本近海で迎え撃って撃滅する計画を立てていた。だが、山本五十六が「真珠湾攻撃ができないならば、自分は連合艦隊司令長官を辞める」と強硬に主張して譲らなかった。

 開戦時には将兵の練度も砲撃の命中率も、圧倒的に日本海軍がアメリカ海軍よりも高かったといわれる。航空兵力の性能も練度も日本がアメリカのはるか上を行っていた。結果論ではあるが、もし真珠湾攻撃をしなければ、「日本は卑怯な騙し討ちをした」といわれることもなかった(もちろん、騙し討ちになったのは外務省のせいであるが)。また、日本近海にやってきた米太平洋艦隊を撃滅していたら、米国の士気は立て直せぬほどに落ちたかもしれない。

 だが山本大将はバクチのような乾坤一擲(けんこんいってき)の作戦に賭けた。その信念は提督として立派だったかもしれない。だが、海軍内部に真珠湾作戦への不信が渦巻く中での作戦決行になってしまったことが、画竜点睛を欠く結果をもたらすことになってしまう。

 そうなったのは、山本大将の人事が悪かった。彼の部下である一航艦司令長官の南雲忠一中将は、本来、真珠湾攻撃に反対だったのだ。そもそも海軍がロンドン軍縮条約をめぐって「条約締結やむなし」とする条約派と、「条約は断固締結すべからず」と主張する艦隊派に分かれて派閥抗争に陥ったとき、条約派の山本に対して、南雲は艦隊派の強硬派だった。お互いに遺恨があったことは否定できず、当然、息が合うはずもない。本来、山本大将は、自分の方針に反対している人物を艦隊司令長官のような要職に就けてはならなかった。また南雲中将は、昭和16年...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩

人気の講義ランキングTOP10
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(5)AIを最も活用できるのは誰か
実はベテラン層こそAIを存分に活用できる…AI導入の生産性分析
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(6)子どものための睡眠
「眠育」のすすめ~睡眠不足は子どもの脳の発達にも悪影響
西野精治
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
ウェルビーイングを高めるDE&I(3)人的資本経営の核となるDE&I:前編
DE&Iとは何か?よくある誤解からポイントを理解する
青島未佳
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明