本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
平成に入り明らかとなったノモンハン事件の衝撃的真相
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(6)「ノモンハン事件は日本の大敗北」は誤り
渡部昇一(上智大学名誉教授)
1939年に発生した日ソ国境紛争の一つであるノモンハン事件は、日本軍の一方的な負け戦だったといわれることがある。しかし、平成に入り、ソ連側の本当に被害状況が明らかとなる。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第一章・第6話。
時間:6分39秒
収録日:2014年11月17日
追加日:2015年8月10日
≪全文≫
 もう一つ、歴史の見方が大きく変わる事例を紹介しよう。ノモンハン事件である。

 半藤氏の『昭和史』では、ノモンハン事件は日本が日露戦争(明治37年〈1904〉~38年〈1905〉)当時のままの武器で最新鋭のソ連の機械化部隊と戦った一方的な負け戦のように書かれているが、そんなことはない。

 半藤氏は平成10年(1998)に『ノモンハンの夏』という作品を書いている。ところが同書を書いている頃に、ノモンハン事件におけるソ連側の被害が明らかになった。それで半藤氏は困って加筆をしている。

 半藤氏は『昭和史』でも、2009年に発行された平凡社ライブラリー版で「こぼればなし ノモンハン事件から学ぶもの」という章を増補し、「確かではないが」と断り書きをして、日本の戦死・戦傷者は約1万7700人近く、ロシアは2万5655人という数字を入れたことを紹介しつつ、こう書いている。

〈ところが豈(あ)に図らんや、日本の第一線の兵隊さんたちは、後ろのほうの参謀本部、あるいは関東軍作戦課の拙劣なる戦争指導にもかかわらず、まことに勇戦力闘したようで、日本側のほうがむしろ死傷者が少なかったと、1998年にロシアが発表したのです〉

 私はノモンハン事件の頃は小学生だったが、当時の小学生は戦争に興味があるから、当時の記憶はわりと鮮明にある。それゆえ戦後になって、ノモンハン事件で日本が負けたと聞いたとき、非常に信じ難い思いがしたものである。

 なぜかというと、当時の従軍画家が戦場で描いたノモンハン事件の画集が、実家にもあり、その印象が強く頭に残っていたからである。

 その絵を見ると、見渡す限りの草原の中でソ連の戦車が燃えている。ソ連の戦車が片っ端からやられていることがよくわかったものだ。それから私は、日本の飛行機がソ連の飛行機を毎日バタバタ落とすニュースをラジオや新聞で知り、小躍りしていた。

 当時の少年たちの英雄は、撃墜数58機を数え、陸軍のトップエースと謳われた篠原弘道准尉である。一機落とすごとに機体の胴体に赤い星マークを描くのだが、篠原准尉の飛行機は赤い星だらけになっているという話もニュースで知っていた。

 あの頃は、大東亜戦争の頃のような情報操作は、あまりなかった。日本の上層部が嘘ばかりつくようになったのはミッドウェー海戦(昭和17〈1942〉)以降の話である。大本...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己