本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
歴史を考える上で忘れてはいけないもう一つの視点とは
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(16)「講談としての歴史」の重要性
渡部昇一(上智大学名誉教授)
もし世の中に歴史を語る講談師がいなかったら、織田信長でも豊臣秀吉でも楠木正成でも、われわれの心の中に生き生きと甦ることはなかっただろう。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第一章・第16話。
時間:1分30秒
収録日:2014年11月17日
追加日:2015年8月13日
≪全文≫
 こういう過去の話をするにあたり、私自身、心中は忸怩(じくじ)たる思いで一杯である。

 というのも、歴史を語るのはある意味で「後出しジャンケン」のようなものだからだ。われわれはいくらでも立派なことがいえる。歴史家というのは勝手なことがいえるわけで、ある意味で気楽な稼業かもしれない。

 だが、自己弁護じみた話ではあるが、もし世の中に歴史を語る講談師がいなかったら、織田信長でも豊臣秀吉でも楠木正成でも、われわれの心の中に生き生きと甦ることはなかっただろう、とも思う。

 講談を読めば「なるほど、当時、人々はこういう考え方で、こういう生活をしていたのか」とわかる。だが、学者の書いた歴史書を見ても、そうは理解できるものではない。その意味で、歴史家とは別に、講談師のような存在がいることも、きわめて重要なことだろう。

 私は歴史の専門家でもない。単に歴史を好んできた人間である。ただ私は、昭和5年に生まれ、昭和という時代を見聞きしてきた。だから本書で、私は自分自身を「比較的正確なことをいう講談師」だと位置づけたいと思う。

 本書の冒頭にあたり、本章ではコミンテルンのことを中心としつつ、さまざまなことを一気呵成に紹介してきたが、実際に後世から見れば「何だこんなことか」ということであっても、歴史とは、本当に小さなことが大きくなっていくものである。

 もう一つ、歴史を考える場合に忘れてはいけない視点は、「誰がどのようなことをしたか」であろう。歴史は人間の営為の積み重ねがつくりあげるものである。そして、歴史を読む面白さもそこにあるといって過言ではない。

 昭和史の場合、多くの登場人物を見ていかないとわからない部分もあるが、であればこそ、あの時代をつくった人たちの群像劇のような「昭和史」として、本書を書き進めていきたい。その手法をとりつつ、「相手側が何をしたか」「日本側がどう動いたか」という両面から歴史を見ていきたいのである。

 次章以降も、広い視野から時代状況を描きつつ、実際に同時代に私が見聞きしたことや、声に出して歌っていた歌なども紹介して、戦前の昭和という時代を動かしたものを活写したいと思う。

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
戦国武将の経済学(3)豊臣秀吉の経済政策
豊臣秀吉の驚愕の国内貿易…莫大な財力を生んだ経済政策
小和田哲男
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎