本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
張作霖爆殺事件はなぜ起きたのか?その真相に迫る
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(2)あの当時、相手側が何をしたのか
渡部昇一(上智大学名誉教授)
東京裁判は、日本の侵略戦争の始まりは満洲事変だと断定した。今回は、その遠因となった1928年の張作霖爆殺事件にスポットを当てる。果たして、この事件は世間でいわれるように日本陸軍の陰謀だったのか? 上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第一章・第2話。
時間:5分38秒
収録日:2014年11月17日
追加日:2015年8月10日
≪全文≫
 さらに、「あの当時、相手側が何をしたのか」をきちんと書かないと、「戦争をしたがる日本人がどんどん堕落して馬鹿な戦争を始め、彼らのせいで罪なき日本人が戦地で無残な死を遂げ、空襲で焼かれ、ついには原爆を落とされて負けた」という一方的な話になってしまう。これは非常に危険なことである。

 その一例として、「満洲事変」のことを考えてみよう。

 東京裁判は、日本の侵略戦争の始まりは満洲事変(昭和6年〈1931〉)だと断定した。

 半藤氏も次のように書いておられる。

〈(前略)強国になった日本を保持し、強くし、より発展させるためにはどうしても朝鮮半島と満州を押さえておかなければならない。未来永劫(みらいえいごう)に。それにはどんどん悪化しつつある状況にどう対応すべきか、問題をどう処理すべきか、これが日本にとっての大使命であり、昭和の日本人がもっとも解決を急(いそ)がされる命題としてつきつけられた。ここから昭和がはじまるのです。

 昭和史の諸条件は常に満州問題と絡(から)んで起こります。そして大小の事件の積み重ねの果てに、国の運命を賭とした太平洋戦争があったわけです。とにかくさまざまな要素が複雑に絡んで歴史は進みます。その根底に〝赤い夕陽の満州〟があったことは確かなのです〉

 現在の日本人の中には、このような意見を聞いて心の底から納得する人も多いだろう。「なぜ軍部は満洲などという地を手に入れようとしたのか。そんなところに進出して、ズルズルと戦線を拡大させた馬鹿な軍部エリートのせいで、日本は悲惨な末路を迎えることになったのだ」──そう考えている人も多いはずだ。

 その満洲事変の遠因になったのが張作霖爆殺事件(昭和3年〈1928〉)である。これは関東軍参謀の河本大作大佐を首謀者とする日本陸軍の陰謀だということになっており、歴史を研究している人たちの多くも、いま普通にそう考えている。

 私は平成18年(2006)に出版した『東條英機 歴史の証言』(祥伝社)で、同事件について検証したことがある。

 田中義一首相は当初、容疑者を軍法会議で処罰すると上奏したが、陸軍の反対で果たせず、事件をうやむやのうちに処理しようとした。それに怒った昭和天皇は田中首相を叱責し、田中内閣は総辞職した。田中首相は昔気質の元軍人で、天皇陛下の信任を失ったことを気に病み、悶死したともいわ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(5)羽柴軍団の戦い方
長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
メンタルヘルスの現在地とこれから(4)3つの予防と4つのケア
「1on1」の効果は?メンバーの不調を見逃さないためのケア
斎藤環
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(3)言語モデルと「自己教師あり学習」
正解がタダ!?大規模言語モデルの「自己教師あり学習」とは
岡野原大輔
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝