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DATE/ 2017.04.02

ファストフードの「原価率」ってどれくらい?

 皆さんは普段、「コスパがいい」という言葉をどういう意味でつかっていますか。たとえば、飲食する側は、個人の価値観でいろいろと変わってきますが、お店側には絶対的な基準があります。それは「原価率」とよばれるものです。

 一般的な飲食業での原価率の目安は20%~30%。もちろん原価率は原材料費だけではありません。店舗の賃料、人件費、光熱費などさまざまな経費が絡みます。では実際にどれくらいの原価率なのでしょうか。飲食店別に調べてみました。

ファストフードの原価率~マクドナルドはポテトとドリンク10%未満~

 まずファストフードですが、マクドナルドを例に挙げますと、一番シンプルなハンバーガーは税込み100円。少し古いですが、2011年の情報によると原価率は45%とのこと。一般的な30%からするとかなり高めです。

 しかし、そこは集客数でカバー。原価率が高くても話題性が生まれて来店者数が増えればなんとかなります。これぞ薄利多売戦略です。またお客さんが全員ハンバーガーだけを買うわけではありません。ポイントはポテトとドリンクです。それぞれの原価率は10%未満。これらの売上で上手くバランスをとっているようです。

回転寿司の原価率~高くても成り立つのは客数と循環!?~

 回転寿司業界はかなり競争が激しいようです。それは、大手チェーン店がしのぎを削っているからです。そんな状況ですが、この業界の原価率はというと、なんと40~50%。これはかなり採算が取れにくい数値です。

 理由として最も大きいのは、輸入食材が多く円安の影響を受けやすい、ということ。また競争の激しさから値段を下げざるを得ないことも背景にあるでしょう。しかし、それでも成り立っているのはやはりお客さんの数。

 ライバル同士が競争することで活気が生まれ、お客さんがくる。お客さんの様子に合わせたさまざまなメニューが開発されて話題性が生まれる。この循環が、高い原価率でもなんとか成り立っている要因なのです。

居酒屋の原価率~ドリンクで儲ける仕組み~

 夜に外食しようとすると、居酒屋ばかりですよね。かといってお酒を飲まないときに居酒屋で晩御飯、という感じにもなりにくいところ。居酒屋の原価率を見ると、フードで35%、ドリンクで25%とのこと。特にハイボールやサワーになると20%を切る場合もあるそうです。つまり、居酒屋はドリンクで儲ける仕組みになっているのです。これは、ファーストフードと似ています。

「コスパ」なら「原価率」の高いお店で食べるほうがいいけど…

 というわけで、原価率について調べてきましたが、いかがでしたか。「コスパ」という点でいえば、「原価率」の高いお店や食べ物を狙って食べるほうがいいということになります。でも、おいしいモノなら、原価率など気にせず、じっくりと楽しみたいものですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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