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DATE/ 2017.04.15

成果主義で残業代なし?年俸制と月給制はどう違う?

 ここ最近耳にすることが増えている年俸制という給与システム。かつては外資系を中心に一部の企業が取り入れているだけでしたが、月給制とはどんなところが違うのでしょうか?

年俸制は残業代もボーナスも出ないって本当?

 月給制は昔から日本に定着している“普通”の給料制度で、月々決まった給料が支給され、年功序列で毎年上がっていきます。一方、年俸制は成果主義で、成果次第では大幅に上がることもあれば下がることもあり、残業代やボーナスは出ない―そんなイメージをお持ちの方も少なくないかもしれません。

 ですが、年俸制ならば必ず成果主義で残業代が出ないというわけではありません。月給制の会社に比べると成果主義や裁量労働がセットになっていることは多いようですが、法的な関係はありません。定義から言ってしまうと、月給制は月ごとの給料が決められていること、年俸制は年ごとの給料が決められていること。違いはそれだけです。

 実際に支給される金額については会社によって違いますが、よくあるパターンは年間給与額の1/12を毎月支給する、あるいは1/14を毎月、そして夏冬のボーナス時期に支給するというもの。残業代についても裁量労働制のため支給されないというケースもあれば、1時間からきっちりと支給される会社、月間で一定の時間まではみなし残業とする会社など様々です。

 年俸制と聞くと、「1年分の給料がまとめて支給されるの?」という誤解も生じがちですが、違います。労働基準法第24条2項で「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において『臨時の賃金等』という。)については、この限りでない」と定められていますので、月々(あるいはそれより短いスパンで)支給されます。

成果主義でイメージしやすいのはプロ野球選手

 年俸制=成果主義ではないと書きましたが、成果によって翌年の給与が変動しやすいのもまた事実。わかりやすいのはスポーツ選手でしょう。例えば、年末になると「日本ハムの大谷翔平選手が7000万円増の年俸2億7000万円でサインした」というように、プロ野球選手の契約更改をニュースで見かけることも増えます。一般の会社員でも、評価によって変動することが月給制に比べて多くあります。また、残業代もみなし残業制を導入していることが多いため、前述した年俸制へのイメージはあながち外れていないと言えるでしょう。

 ではそうした典型的な年俸制を例にとりメリット、デメリットを考えてみましょう。メリットは1年間の給与がわかっているため、計画を立てやすいということ。月給制でボーナス払い多めのローンを組んでいて「ボーナスがこんなに少ないなんて困った…」ということは往々にしてあると思いますが、年俸制はそういった事態にはなりません。一方、デメリットとしては、会社の業績が急激に伸びても、即座に反映されにくいという面があります(ともにボーナスが年俸に含まれている場合)。また、月給制よりも年ごとの給与が変動しやすいため、先ほどの記述とは相反しますが長期のローンを組んだ場合、予定通り返済できるかどうかはご自身のパフォーマンス次第になってきます。

 年俸制と月給制、どちらかが万能の制度というわけではなく、一長一短あります。今回挙げたケースはあくまで一般的な例のため、年俸制だけど毎年定期昇給がある、月給制だけど成果主義が強く反映されているという会社もあります。どちらが良いかは、あなたの働き方次第。自分の働き方と理想の給与制度を改めて考えてみるのも良いかもしれないですね。

<参考サイト>
・労働基準法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html
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