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DATE/ 2021.06.17

居酒屋店員に「嫌われる」客の特徴

 コロナ禍で一時期休業も相次いだ居酒屋も、ここ最近はちらほら営業を再開しています。メニューも豊富で値段も手頃、個室や大人数にも対応できる席数のある居酒屋は、使い勝手のいい大人の社交場。気軽に楽しめるからこそ、ついついお酒も進んで泥酔してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。

 そんな酔ったお客さんを相手に仕事をする居酒屋の店員さんたちですが、酔客の他にも、業務を煩わせる困ったお客さんが多そうです。今回は居酒屋で働く人や、居酒屋のアルバイト経験者のみなさんに「居酒屋で嫌われるお客さん」について聞いていきます。

とにかく「酔い過ぎ」 吐く、寝る、こぼす客たち

・店内で吐かれると悲惨です。匂いも残るし、その後の清掃も大変。カウンターで吐かれたときは、他のカウンターにいたお客さんが全員帰ってしまいました。営業妨害に近いです。

・気分が悪くなりトイレで寝てしまったり、長時間個室を占領するお客さんには困ります。小さい店だとトイレはひとつしかない場合もあり、他のお客さんから苦情も。

・グラスを倒したりお皿を割ったり、そんな状態まで酔っぱらっても飲み続けるお客。そうなると粗相は1度じゃ済まないことが大半ですから、帰れ!と思いますね。

・たくさんお酒を注文してくれるのは有り難いですが、飲み比べ大会のようになったり、イッキコールをするお客さんには参ります。急性アルコール中毒にでもなられると、店としての信用にも傷がつきますし。

 「楽しく飲んで食べて、気持ちよく酔ってもらえるのは嬉しいのですが…」というのは個人経営の居酒屋オーナー。しかし、度を越してしまう酔っぱらい客は、店員さんたちの仕事をムダに増やすばかりではなく、他のお客さんにも迷惑が。危ないな、と思う団体客などには時間制を設けたり、ラストオーダーを早くとるといった対処をすることもあるそうです。

ひとり客にも注意 距離感を間違えるお客さんたち

・若い女性店員にちょっかいを出したり、何度もしつこく話相手をさせようとするお客さん。忙しい時間帯は仕事に支障が出るし、キャバクラじゃないのでやめて欲しいです。

・別々のお客さん同士が仲良くなって一緒に飲むのはよくあることですが、相手に歓迎されていないのに、ずっと絡む人には困ります。ひとりで、カップルで、しっとり飲みたい人がいることも分かって。

・ひとりで来店する高齢男性には注意が必要。店員を捕まえては話しかけるのですが話が長く、酔ってくると声も大きくなりがち。酒にも弱く足腰も弱いため、自分で歩いて帰れないような状態になる老人は「もう来るな」と願います。

 お酒を飲み、食事するだけではなく、酒場の雰囲気や人とのコミュニケーションも居酒屋の楽しみのひとつかも知れませんが、そこを求め過ぎるお客さんは嫌われるようです。「大勢で騒ぐのも迷惑ですが、ひとりで飲む方の言動も侮れないんですよ」と居酒屋アルバイトの女性が語ってくれました。

「サービスされて当然」な、偉そうな客はNGです

・安いチェーン系の居酒屋なのに「ビールがぬるい」とか「この枝豆、冷凍の?」と、クオリティーを過剰に求めてくるお客。それなりが嫌なら高級店に行けよ、と思います。

・例えば、「ネギを増やして」とか「刺身盛り合わせに何を入れて」とか、勝手にカスタマイズしてくるお客。忙しいピークに、メニューにないものを「そんなの簡単だろう」とばかりに要求されると腹が立ちます。

・店員も人間ですからミスもありますが、「この分安くしてよ」とか「一杯サービスしろよ」とか、ケチくさく値下げやお詫びを求めてくる客。ただ謝るだけでは気が済まないタイプは面倒です。

 高級店であれば、そのサービスやホスピタリティも価格に見合ったものを期待しますが、居酒屋でも「わたしは客だぞ」とばかりに厚遇されたがるお客さんは嫌われます。アルバイト店員を管理する居酒屋の店長さんは「常連さんに特別サービスをすることもありますが、それをデフォルトのように期待され“こんなに来てやってるのに特別扱いしてくれない”となる方も。ですから、常連と言えども、お客さんには均一な対応が大切だとスタッフにも伝えています」と、その苦労を語ってくれました。

 皆さんにも、身に覚えのある居酒屋での言動がありましたか?

 居酒屋という場所は、日々の仕事や多忙な生活から離れて、気軽に束の間の解放感を味わえるところだからこそ、アルコールの力も手伝って羽目を外してしまいがち。それがあまりにひどいと、電話番号や名前を控えておき、次回は予約を受け付けない、いわゆる「出禁」を実施しているというお店もありました。そんなブラックリストに名を連ねないように、最低限のマナーと節度を心掛けたいものですね。
 
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西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授