社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
クレーマーには定年後の「管理職」が多い?
駅や図書館、コンビニやカフェなどで、そこで働くスタッフに対して、すごい剣幕で怒っている高齢の男性を見かけたことはありませんか。そのクレーマーの属性は、もしかすると、「定年後の元管理職」かもしれません。
それに加え、「日頃の生活に満足していない気分がクレームになって表に出ているのだろう」と推測しています。
また、別のメーカーのOB会の窓口を担当している人事担当者は、クレームとまではいわないまでも、「先輩だという姿勢で会社に対して要望をぶつけてくる」こともあり、現役の役員はそれを煙たがるため、OBと現役の間に挟まれて苦労しているそうです。
「現役時に会社中心の考え方や生活が完璧に身についている人は、退職しても切り替えが難しい」ため、家庭でも「家の重要事項も誰にも相談せずに勝手に決め」、「意見などしようものならいつまでもネチネチと嫌味を言う」など、管理職のように振る舞う場合もあるとのこと。恐ろしいのは、当の本人たちにはまったく悪気がないということです。
経済協力開発機構が2005年にまとめた調査報告書によると、日本人男性は仕事以外の日常生活において、友人や仲間と過ごすことが「全くない」「ほとんどない」が16.7パーセントと最多で、世界一孤立していることが明らかになりました。
ただし、この結果が示しているのは、「仕事以外」においての社会的孤立度なので、仕事が中心の現役時代は、日本人男性もさして孤独は感じていないのかもしれません。彼らが世界一孤独になるのは、まさに仕事以外が中心となる「定年後」のことになります。
孤独にならない・させないための指南書として書かれたのが本書 『定年後』です。著者の楠木氏は47歳の時、会社生活に行き詰まって体調を崩し、長期間休職したそうです。休職中、「自分がいかに会社にぶら下がっていたか」ということに気づき、それが定年後の「予行演習」になったと語っています。
会社員であれば、誰にでも定年はやってきます。まだ定年前という方は、早めに定年後を見据えたライフスタイルを考えてみるといいのではないでしょうか。
<参考文献・参考サイト>
『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(楠木新著、中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2017/04/102431.html
『定年後』楠木新さん | YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/raiten/20170703-OYT8T50067.html
<関連サイト>
楠木新氏のブログ
http://blog.livedoor.jp/kusunoki224/
なぜ、元管理職はクレーマーが多いのか
『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(楠木新著、中央公論新社)によると、クレーマーは元管理職の男性が多いのだそうです。著者の楠木氏は、取材を通じて、その理由について、元管理職の人たちは、定年後に会社を離れた後も、「かつて権限をもっていた当時の立場を忘れられないのではないか」という証言を得ています。それに加え、「日頃の生活に満足していない気分がクレームになって表に出ているのだろう」と推測しています。
家庭内クレーマーもいる?
彼らのクレームは元同僚や家族に対しても及びます。 楠木氏がある企業2社の顧客対応の責任者に取材したところ、共通して「自社のOBからの厄介な苦情」があることが分かりました。また、別のメーカーのOB会の窓口を担当している人事担当者は、クレームとまではいわないまでも、「先輩だという姿勢で会社に対して要望をぶつけてくる」こともあり、現役の役員はそれを煙たがるため、OBと現役の間に挟まれて苦労しているそうです。
「現役時に会社中心の考え方や生活が完璧に身についている人は、退職しても切り替えが難しい」ため、家庭でも「家の重要事項も誰にも相談せずに勝手に決め」、「意見などしようものならいつまでもネチネチと嫌味を言う」など、管理職のように振る舞う場合もあるとのこと。恐ろしいのは、当の本人たちにはまったく悪気がないということです。
日本人男性は世界一孤独
定年後の元管理職にクレーマーが多いのは、彼らが「元管理職」だったことにもまして、「定年後」という状況に非常に戸惑っているからです。経済協力開発機構が2005年にまとめた調査報告書によると、日本人男性は仕事以外の日常生活において、友人や仲間と過ごすことが「全くない」「ほとんどない」が16.7パーセントと最多で、世界一孤立していることが明らかになりました。
ただし、この結果が示しているのは、「仕事以外」においての社会的孤立度なので、仕事が中心の現役時代は、日本人男性もさして孤独は感じていないのかもしれません。彼らが世界一孤独になるのは、まさに仕事以外が中心となる「定年後」のことになります。
孤独にならない・させないための指南書として書かれたのが本書 『定年後』です。著者の楠木氏は47歳の時、会社生活に行き詰まって体調を崩し、長期間休職したそうです。休職中、「自分がいかに会社にぶら下がっていたか」ということに気づき、それが定年後の「予行演習」になったと語っています。
会社員であれば、誰にでも定年はやってきます。まだ定年前という方は、早めに定年後を見据えたライフスタイルを考えてみるといいのではないでしょうか。
<参考文献・参考サイト>
『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(楠木新著、中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2017/04/102431.html
『定年後』楠木新さん | YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/raiten/20170703-OYT8T50067.html
<関連サイト>
楠木新氏のブログ
http://blog.livedoor.jp/kusunoki224/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた
55年体制と2012年体制(1)質的な違いと野党がなすべきこと
戦後の日本の自民党一党支配体制は、現在の安倍政権における自民党一党支配と比べて、何がどのように違うのか。「55年体制」と「2012年体制」の違いと、民主党をはじめ現在の野党がなすべきことについて、ジェラルド・カ...
収録日:2014/11/18
追加日:2014/12/09
5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか
5Gとローカル5G(1)5G推進の背景
第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のような...
収録日:2019/11/20
追加日:2019/12/01
マスコミは本来、与野党機能を果たすべき
マスコミと政治の距離~マスコミの使命と課題を考える
政治学者・曽根泰教氏が、マスコミと政治の距離を中心に、マスコミの使命と課題について論じる。日本の新聞は各社それぞれの立場をとっており、その報道の基本姿勢は「客観報道」である。公的異議申し立てを前提とする中立的報...
収録日:2015/05/25
追加日:2015/06/29
BREXITのEU首脳会議での膠着
BREXITの経緯と課題(6)EU首脳会議における膠着
2018年10月に行われたEU首脳会議について解説する。北アイルランドの国境問題をめぐって、解決案をイギリスが見つけられなければ、北アイルランドのみ関税同盟に残す案が浮上するも、メイ首相や強硬離脱派はこれに反発している...
収録日:2018/12/04
追加日:2019/03/16
健康経営とは何か?取り組み方とメリット
健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱さ...
収録日:2021/07/29
追加日:2021/09/21