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羽生善治と藤井聡太…2人はどれだけすごいのか?
2017年にフィーバーが巻き起こった将棋界に、注目の対決がついに実現します。2018年2月17日、第11回朝日杯将棋オープン戦本戦で15歳の中学生棋士・藤井聡太五段と史上初の永世七冠を達成した羽生善治二冠の対局が準決勝で行われます。公式戦では初対局となる2人ですが、それぞれ数々の“伝説”を持っています。そこで対局を前に2人の凄さ、エピソードを紹介します。
(2)2017年度の対局数、勝利数、勝率、連勝数トップ
(3)詰将棋選手権3連覇中
(1)は数々のメディアでも注目されてきましたが、棋士として認定されられるためには、日本将棋連盟内にある「奨励会」という育成組織で成績を残し、四段に昇格しなければなりません。原則26歳までという年齢規定がある厳しく狭き門ですが、これまで中学生プロ棋士となったのは“ひふみん”こと加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生二冠、渡辺明棋王に次ぐ5人目です。そして14歳2カ月での四段昇段は、加藤九段の14歳7カ月を更新する史上最年少記録です。
注目を浴びてプロ入りした藤井四段ですが、(2)で挙げたこの1年間の実績も素晴らしいものです。2016年12月24日に加藤九段とのデビュー戦を飾ると、2016年度は10連勝で終えました。その勢いに乗って2017年6月にはデビューから史上最長の連勝記録となる29連勝を果たし、大ブームになったことは記憶に新しいですが、その後の戦績も際立っています。日本将棋連盟公式サイト内にある「今年度棋士成績・記録」によると、1月29日時点で藤井五段は2017年度成績にて対局数61、勝利数50、勝率.811、連勝数29と4つすべてでトップに立っています。また朝日杯準々決勝では佐藤天彦名人に勝利し、公式戦で現タイトルホルダーに勝利するなど、その1勝に濃さを増してきています。
藤井五段の強さを語る際、終盤での強さがよく語られるところです。その土台となっているのは(3)の詰将棋選手権3連覇です。詰将棋とは「王手の連続によって相手玉を詰ませる」、つまり勝利をものにする形を明示していくものですが、難問が連続する「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」で2017年、最多タイ記録となる3連覇を達成しています。このことからも天賦の才能を感じます。
(2)通算勝利、タイトル獲得数などの記録
(3)チェス日本ランキング1位になったことも
(1)については藤井四段と同じく中学生デビューを飾った羽生二冠の強さの象徴でしょう。19歳にして初タイトルの竜王を獲得すると、25歳で1995年度に棋王、名人、棋聖、王位、王座、竜王の全六冠を防衛し、勢いのまま王将戦を制覇。史上初の七冠独占となりました。その22年後に竜王を獲得し、「叡王」を除いた七冠における「永世」と呼ばれる条件をすべて満たす快挙を成し遂げました。
その大記録には1勝ずつの積み重ねがあります。通算勝利数は1月30日時点で1393勝。これは大山康晴十五世名人の1433勝に次ぐ2位で、こちらも記録更新に期待が集まります。1度でもタイトルホルダーになれば名棋士と呼ばれる中で、通算獲得タイトル期間は99期を数え、3ケタの金字塔が見えています。また複数のタイトルを保持しているのは2017年度時点で22年連続と、まさに生きるレジェンドと言って差し支えありません。
圧倒的な強さを誇る羽生二冠ですが、実は将棋以外のボードゲームでも実力を発揮したこともありました。20代の頃からチェスを“趣味で”たしなみながらも強くなり、2007年には国内のレーティングで1位になったことも。(2018年1月時点では2位)また2014年には世界的なチェスプレーヤーであるガルリ・カスパロフ氏ともエキシビションで対局するなど、その実力は本物です。
それぞれ将棋に選ばれたような人生を送る2人ですが、藤井五段は対局中の“勝負めし”として食すのが多いこともあるほど、麺類が大好き。羽生二冠は対局中に寝癖がついている姿もたびたびあるなど、将棋以外の素顔も魅力です。
2人の対局は非公式戦で2度実現しており、勝敗は1勝1敗の五分となっています。果たして世代を超えた天才同士の初対決は、どちらに軍配が上がるのでしょうか。見逃せない対局であることは間違いありません。
藤井聡太五段の“3大凄いポイント”
(1)史上最年少でのプロ棋士(2)2017年度の対局数、勝利数、勝率、連勝数トップ
(3)詰将棋選手権3連覇中
(1)は数々のメディアでも注目されてきましたが、棋士として認定されられるためには、日本将棋連盟内にある「奨励会」という育成組織で成績を残し、四段に昇格しなければなりません。原則26歳までという年齢規定がある厳しく狭き門ですが、これまで中学生プロ棋士となったのは“ひふみん”こと加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生二冠、渡辺明棋王に次ぐ5人目です。そして14歳2カ月での四段昇段は、加藤九段の14歳7カ月を更新する史上最年少記録です。
注目を浴びてプロ入りした藤井四段ですが、(2)で挙げたこの1年間の実績も素晴らしいものです。2016年12月24日に加藤九段とのデビュー戦を飾ると、2016年度は10連勝で終えました。その勢いに乗って2017年6月にはデビューから史上最長の連勝記録となる29連勝を果たし、大ブームになったことは記憶に新しいですが、その後の戦績も際立っています。日本将棋連盟公式サイト内にある「今年度棋士成績・記録」によると、1月29日時点で藤井五段は2017年度成績にて対局数61、勝利数50、勝率.811、連勝数29と4つすべてでトップに立っています。また朝日杯準々決勝では佐藤天彦名人に勝利し、公式戦で現タイトルホルダーに勝利するなど、その1勝に濃さを増してきています。
藤井五段の強さを語る際、終盤での強さがよく語られるところです。その土台となっているのは(3)の詰将棋選手権3連覇です。詰将棋とは「王手の連続によって相手玉を詰ませる」、つまり勝利をものにする形を明示していくものですが、難問が連続する「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」で2017年、最多タイ記録となる3連覇を達成しています。このことからも天賦の才能を感じます。
羽生二冠の“三大凄いポイント”
(1)史上ただ一人の七冠独占&永世七冠(2)通算勝利、タイトル獲得数などの記録
(3)チェス日本ランキング1位になったことも
(1)については藤井四段と同じく中学生デビューを飾った羽生二冠の強さの象徴でしょう。19歳にして初タイトルの竜王を獲得すると、25歳で1995年度に棋王、名人、棋聖、王位、王座、竜王の全六冠を防衛し、勢いのまま王将戦を制覇。史上初の七冠独占となりました。その22年後に竜王を獲得し、「叡王」を除いた七冠における「永世」と呼ばれる条件をすべて満たす快挙を成し遂げました。
その大記録には1勝ずつの積み重ねがあります。通算勝利数は1月30日時点で1393勝。これは大山康晴十五世名人の1433勝に次ぐ2位で、こちらも記録更新に期待が集まります。1度でもタイトルホルダーになれば名棋士と呼ばれる中で、通算獲得タイトル期間は99期を数え、3ケタの金字塔が見えています。また複数のタイトルを保持しているのは2017年度時点で22年連続と、まさに生きるレジェンドと言って差し支えありません。
圧倒的な強さを誇る羽生二冠ですが、実は将棋以外のボードゲームでも実力を発揮したこともありました。20代の頃からチェスを“趣味で”たしなみながらも強くなり、2007年には国内のレーティングで1位になったことも。(2018年1月時点では2位)また2014年には世界的なチェスプレーヤーであるガルリ・カスパロフ氏ともエキシビションで対局するなど、その実力は本物です。
それぞれ将棋に選ばれたような人生を送る2人ですが、藤井五段は対局中の“勝負めし”として食すのが多いこともあるほど、麺類が大好き。羽生二冠は対局中に寝癖がついている姿もたびたびあるなど、将棋以外の素顔も魅力です。
2人の対局は非公式戦で2度実現しており、勝敗は1勝1敗の五分となっています。果たして世代を超えた天才同士の初対決は、どちらに軍配が上がるのでしょうか。見逃せない対局であることは間違いありません。
<参考サイト>
・日本将棋連盟:今年度棋士成績・記録
https://www.shogi.or.jp/game/record/year_ranking.html
・日本将棋連盟:歴代ベスト記録・ランキング
https://www.shogi.or.jp/game/record/successive.html
・日本将棋連盟:今年度棋士成績・記録
https://www.shogi.or.jp/game/record/year_ranking.html
・日本将棋連盟:歴代ベスト記録・ランキング
https://www.shogi.or.jp/game/record/successive.html
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