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コーヒーは「健康に良い」と言えるのか?
古来、医薬品として重宝され、現在では嗜好品として世界中で親しまれているコーヒー。コーヒーは健康に良いのか、それとも悪いのか?古今東西でさまざまな意見が交わされ、研究が行われてきました。
今回は身近なおいしい飲み物コーヒーを、健康という視点からみていきたいと思います。
国立がん研究センターは、「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」の多目的コホート研究により、「コーヒーを摂取する群において、全死亡リスク及び心疾患、脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクが減少」と発表。また、予防医学が専門の古野純典氏は、介入研究の実施と分析により「軽度の効果」としながらも、「コーヒーに糖尿病に対して効能があった」と発表しています。
ほかにも『コーヒー学入門』で、医学博士の森秀樹氏は「コーヒーは大腸がんや肝臓がんの発症を抑制する働きがある」との発言が取り上げられています。ほかの研究者の「コーヒーが動脈硬化を防ぐ」「コーヒーは老化のもととなる活性化酸素を消去する」「コーヒーには発がん性物質のニトロソアミンの発生を抑える効果がある」など、コーヒーの効果・効能が記載されています。
さらに『コーヒーの医学』では、「コーヒーと諸疾患の関係」の解析結果がまとめられており、「肝障害、肝硬変、肝臓がん、糖尿病、低血糖予防、高尿酸血症」に「好ましい動きとの相関」があるとしています。しかし、まだデータ不足などで不明な点も多いことや、腎不全患者の高カリウム血症や膀胱がんなど「好ましくない動きとの相関」も認められています。
コーヒーが健康に効果的な飲み物であると同時に、すべての人の健康に良いわけではないことや、コーヒーと健康との因果関係についてさらなる研究の必要があることがわかります。
コーヒーの成分含有率は、産地や栽培環などによって変わります。『問題形式で学べるコーヒー学の基礎』では、例としてロブスタ種とアラビカ種を比較しています。抗がん作用や抗酸化作用を有するといわれるクロロゲン酸はロブスタ種の方に多く、血中コレステロール値を下げる働きがあるといわれるリノール酸はアラビカ種の方に多く含まれているそうです。
一方、成分は焙煎によっても変化します。例えば、クロロゲン酸は熱に弱いため、成分を残すためには浅煎りに留める必要があります。他方、血中の脂肪を減らし動脈効果の予防に役立つニコチン酸や、胃酸分泌を軽減しストレス緩和にも作用するといわれるNMP(N-メチルピリジニウムイオン)は、深煎りでしか得ることができません。
このように、コーヒー豆の成分、つまりコーヒーの効能は、品種や焙煎などによって違ってきます。ちなみに焙煎は、味や香りの特徴にあわせて8段階に分けられています。ぜひ自分の体質や体調にあわせて、コーヒー豆や焙煎をチョイスしてみてください。また、複数の有効成分を取り入れたい場合は、希望比率でのブレンドも試してみてください。
また、コーヒーは効能が高い飲料だけに、適正量や飲むタイミングによって、さらなる効果を引き出すことができるかもしれません。
『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』では、パフォーマンスをあげるコーヒーの飲み方が紹介されており、適正量は「1日3杯を目安にその日の体調・気分で調整」し、飲むタイミングは「午前9時半~11時半」と、「午後2時~5時まで」の間」が大前提とのこと。コルチーゾールという覚醒ホルモンの体内分泌の量やタイミングにあわせて摂取するとよいそうです。
そしてやはり、お気に入りのコーヒーの香りによるリラックス効果も、健康のために良いと言えるでしょう。ぜひ自分にあった一杯や飲み方をみつけて、さらに「おいしい」コーヒーライフを味わってください。
今回は身近なおいしい飲み物コーヒーを、健康という視点からみていきたいと思います。
コーヒーで病気の予防とリスクの低減
世界中で、コーヒーと健康にまつわる医学的研究が行われています。また近年、病気の予防やリスクの低減という観点からも、多数の研究が進められています。国立がん研究センターは、「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」の多目的コホート研究により、「コーヒーを摂取する群において、全死亡リスク及び心疾患、脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクが減少」と発表。また、予防医学が専門の古野純典氏は、介入研究の実施と分析により「軽度の効果」としながらも、「コーヒーに糖尿病に対して効能があった」と発表しています。
ほかにも『コーヒー学入門』で、医学博士の森秀樹氏は「コーヒーは大腸がんや肝臓がんの発症を抑制する働きがある」との発言が取り上げられています。ほかの研究者の「コーヒーが動脈硬化を防ぐ」「コーヒーは老化のもととなる活性化酸素を消去する」「コーヒーには発がん性物質のニトロソアミンの発生を抑える効果がある」など、コーヒーの効果・効能が記載されています。
さらに『コーヒーの医学』では、「コーヒーと諸疾患の関係」の解析結果がまとめられており、「肝障害、肝硬変、肝臓がん、糖尿病、低血糖予防、高尿酸血症」に「好ましい動きとの相関」があるとしています。しかし、まだデータ不足などで不明な点も多いことや、腎不全患者の高カリウム血症や膀胱がんなど「好ましくない動きとの相関」も認められています。
コーヒーが健康に効果的な飲み物であると同時に、すべての人の健康に良いわけではないことや、コーヒーと健康との因果関係についてさらなる研究の必要があることがわかります。
品種×焙煎で自分にベストな一杯を見つける
コーヒーの成分は抽出して飲み物にすることで、体内に取り入れることができます。つまり、コーヒーの生豆を焙煎・粉砕・ドリップなどを経た抽出液(=いわゆる我々が日常に飲んでいる「コーヒー」)を飲用することで、その効能を享受することができるのです。コーヒーの成分含有率は、産地や栽培環などによって変わります。『問題形式で学べるコーヒー学の基礎』では、例としてロブスタ種とアラビカ種を比較しています。抗がん作用や抗酸化作用を有するといわれるクロロゲン酸はロブスタ種の方に多く、血中コレステロール値を下げる働きがあるといわれるリノール酸はアラビカ種の方に多く含まれているそうです。
一方、成分は焙煎によっても変化します。例えば、クロロゲン酸は熱に弱いため、成分を残すためには浅煎りに留める必要があります。他方、血中の脂肪を減らし動脈効果の予防に役立つニコチン酸や、胃酸分泌を軽減しストレス緩和にも作用するといわれるNMP(N-メチルピリジニウムイオン)は、深煎りでしか得ることができません。
このように、コーヒー豆の成分、つまりコーヒーの効能は、品種や焙煎などによって違ってきます。ちなみに焙煎は、味や香りの特徴にあわせて8段階に分けられています。ぜひ自分の体質や体調にあわせて、コーヒー豆や焙煎をチョイスしてみてください。また、複数の有効成分を取り入れたい場合は、希望比率でのブレンドも試してみてください。
さらに「おいしい」コーヒーライフへ
体質や体調にあわせてコーヒーを飲むことは、健康に良いと言えそうです。ただし、どんな食品や飲料でも言えることですが、摂り過ぎは良くありません。コーヒーの過剰摂取やタイミングを外した飲み方はかえって体に負担をかけ、疲れやストレスの原因となり健康を害することにもなりかねませんのでご注意ください。また、コーヒーは効能が高い飲料だけに、適正量や飲むタイミングによって、さらなる効果を引き出すことができるかもしれません。
『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』では、パフォーマンスをあげるコーヒーの飲み方が紹介されており、適正量は「1日3杯を目安にその日の体調・気分で調整」し、飲むタイミングは「午前9時半~11時半」と、「午後2時~5時まで」の間」が大前提とのこと。コルチーゾールという覚醒ホルモンの体内分泌の量やタイミングにあわせて摂取するとよいそうです。
そしてやはり、お気に入りのコーヒーの香りによるリラックス効果も、健康のために良いと言えるでしょう。ぜひ自分にあった一杯や飲み方をみつけて、さらに「おいしい」コーヒーライフを味わってください。
<参考文献・参考サイト>
・『コーヒー学入門』(広瀬幸雄・圓尾修三・星田宏司著、人間の科学新社)
・『コーヒーの医学』(野田光彦編著、日本評論社)
・『問題形式で学べるコーヒー学の基礎』(全国大学連合コーヒー学特別公開講座編、旭屋出版)
・『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』(馬渕知子著、クロスメディア・パブリッシング)
・国立がん研究センター:コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
・全日本コーヒー協会:コーヒーを飲む人は糖尿病になりにくい?
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/doctor/74health
・『コーヒー学入門』(広瀬幸雄・圓尾修三・星田宏司著、人間の科学新社)
・『コーヒーの医学』(野田光彦編著、日本評論社)
・『問題形式で学べるコーヒー学の基礎』(全国大学連合コーヒー学特別公開講座編、旭屋出版)
・『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』(馬渕知子著、クロスメディア・パブリッシング)
・国立がん研究センター:コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
・全日本コーヒー協会:コーヒーを飲む人は糖尿病になりにくい?
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/doctor/74health
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