テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.04.03

ゴールドカードを持っている人が多い都道府県は?

 あまり知られていませんが、クレジットカードの所有事情は意外と地域差や世代差があるものです。たとえば、ゴールドカードを持っている人の数は都道府県によってけっこう違います。ランキング第1位はどこだと思いますか。

シルバーとゴールドとプラチナのちがい

 ゴールドカードを持っている人が多い都道府県はどこかという本題に入る前に、そもそもゴールドカードが一般的なカードとどう違うのか、ご存じでしょうか。ゴールドカードとは、一般のいわゆるシルバーカードと違って、年会費があり、その代わりいろんなサービスが受けられるカードのこと。名前の通り、カード自体が金ぴかに光っています。

 ただし、ゴールドカードはトップ・オブ・トップではありません。プラチナカードとブラックカードというさらにランクの高いカードがあります。いずれにしてもゴールドはシルバーより格上。一般庶民からすれば、いわば高嶺の花なわけです。ただ、ゴールドにすればサービスが向上するといっても、年会費がかかるとなると、やはり悩んでしまいますね。

ゴールドカードを持っている人が多い都道府県

 さあ、本題に戻ります。ゴールドカードを持っている人が多い都道府県はどこか。NTTドコモの「世代・地域で異なる『クレジットカード』事情を調査」を参考にお伝えします。この調査は「クレジットカードの選び方・使い方」をテーマに行われた調査で、対象は20歳から69歳までの男女、合計4700名です。さあ、どんな結果になったのでしょうか。

 では、トップ3を発表します。まず、第1位は、兵庫県。そして、長野県と大阪府が同率2位でした。第1位に輝いた兵庫県は「節約家である」と答えた人の割合でも1位でした。また、クレジットカードの「早期デビュー県」と「高額利用県」で2位、さらに「貯金するのが好き」と「クレジットカード選びにおいてポイント還元率をチェックしている」人のランキングで3位と、マネー感覚が非常に優れていることがうかがえます。

 ゴールドカードというと、見栄というかステータスのためという部分も少なからずあるように思われますが、兵庫県民はそれよりもお得感を重視しているのかもしれません。

 ちなみにゴールドカードを持っている人のパーセンテージを具体的に示すと、1位の兵庫県は36パーセント、2位の長野県と大阪府は僅差の33パーセントでした。全国平均は23パーセントです。最下位の福井県はなんと12パーセントだったので、兵庫県とは24ポイントも差があることになります。これだけ地域差があるのは本当に驚きです。

ステータスよりお得がポイント

 かつてゴールドカードをふくめてクレジットカードを持つことはひとつのステータスでした。でも、それが大きく変わってきたようです。クレジットカード選びにおいて、すべての世代で圧倒的にステータスよりもお得さを重視するという調査結果が出ています。

 ただし、どのくらいキャッシュレスで買い物するかは世代によって異なるようです。バブル世代を中心とした50代より就職氷河期世代である30代の方がキャッシュレスな買い物をする人が多いことがわかっています。30代はお得に、しかも効率的に買い物をしたいという傾向があるようです。

キャッシュレス傾向はどんどん進んでいく

 JCBの「クレジットカードに関する総合調査」(2017年度)の調査でもクレジットを使う理由はマイルやポイントを貯めたいから、すなわちお得をしたいからという結果になりました。世代によって多少の違いはあるにせよ、キャッシュレス傾向は今後もどんどん進んでいくでしょう。

 日本は世界的に見てキャッシュレス化が遅れています。現金主義が強いとみられています。しかし、日本人はいったん頭が切り替わればものすごい勢いとスピードで変化を遂げるので、もしかしたら、もう数年もすれば、どこ国よりもキャッシュレス大国になっているかもしれません。

<参考サイト>
・NTTドコモ:世代・地域で異なる「クレジットカード」事情を調査
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics/topics_180312_00.pdf#page=1
・Select a JCB:JCB、「クレジットカードに関する総合調査」2017年度の調査結果を発表
http://www.global.jcb/ja/press/00000000162602.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために

硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将...
収録日:2025-07-09
追加日:2025/08/15
門田隆将
作家 ジャーナリスト
2

日本は集権的か分権的か?明治以来の国家の仕組みに迫る

日本は集権的か分権的か?明治以来の国家の仕組みに迫る

「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念

今も明治政府による国家モデルが生きている現代社会では、日本は中央集権の国と捉えられがちだが、歴史を振り返ればどうだったのかを「集権と分権」という切り口から考えてみるのが本講義の趣旨である。7世紀に起こった「大化の...
収録日:2025-06-14
追加日:2025/08/18
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
3

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

日本のエネルギー政策大転換は可能か?(2)世界のエネルギーと日本の原発事情

再生可能エネルギーのシェアが世界的に圧倒的な伸びを見せる中、第7次エネルギー基本計画において原子力発電を最大限活用する方針を示した日本政府だが、それはどこまで現実的なのか。国際エネルギー機関が発表した今後のエネル...
収録日:2025-04-04
追加日:2025/08/17
鈴木達治郎
長崎大学客員教授 NPO法人「ピースデポ」代表
4

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地

世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注...
収録日:2025-06-23
追加日:2025/08/14
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授
5

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

DEIの重要性と企業経営(2)人的資本経営とウェルビーイング経営

今、企業の中に「人的資本経営」が急速に浸透している。経産省の定義によると、人的資本経営とは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のこと。類似する概念と...
収録日:2025-05-22
追加日:2025/08/15
山本勲
慶應義塾大学商学部教授