社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.08.09

外国人に人気の日本の観光スポットランキング

 昨今、日本を訪れる外国人の数は激増しています。相変わらず中国からの買い物ツアーも人気のようです。他にも2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことや、2020年の東京オリンピック開催地となったことなど、いくつもの要因があると思われます。つい最近では「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)が世界文化遺産に登録されたこともあり、今後も外国人観光客が増加する流れが継続しそうです。では、外国人観光客は実際には日本のどんなところを訪問しているのでしょうか。今回は「外国人に人気の観光スポット」ランキングを見てみましょう。

外国人に人気の観光スポットランキング

 旅行の口コミサイト、トリップアドバイザーによると、外国人に人気の「外国人に人気の観光スポット」ランキングトップ10は以下の通りとなっています。

1位 伏見稲荷大社(京都府京都市)
2位 広島平和記念資料館(原爆ドーム、広島平和記念公園)(広島県広島市)
3位 宮島 (厳島神社)(広島県廿日市市)
4位 東大寺(奈良県奈良市)
5位 新宿御苑(東京都新宿区)
6位 兼六園(石川県金沢市)
7位 高野山(奥之院)(和歌山県高野町)
8位 金閣寺(京都府京都市)
9位 箱根彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)
10位 姫路城(兵庫県姫路市)

 見たところ、神社仏閣や庭園が多くランクインしています。やはり神社仏閣は日本文化を一目で感じることができるからでしょうか。似た建造物はほかのアジア地域にもありますが、雰囲気はだいぶ異なっているようです。庭園は雪景色や花々の変化など季節によって鮮やかに変化する風景が人気のようです。

伏見稲荷大社

 京都は世界中から観光客が訪れますが、伏見稲荷大社は特にフォトジェニックな場所として大変人気のようです。また拝観料も無料という気前の良さでとりあえず日本にきたら行ってみるべき場所、なのかもしれません。

 伏見稲荷大社の名物と言えば、およそ400メートルにわたって連なる無数の朱色の鳥居、千本鳥居です。しかし千本というのは、あくまでも数が多いということの比喩で、実際に鳥居が千本あるわけではありません。これらの鳥居は商売繁盛を願って奉納され、随時修繕されたり新たに奉納されたりするので、実際の数には変動があるとのこと。

広島平和記念資料館

 広島平和記念資料館は、2016年にオバマ大統領が現職米大統領として初めて被爆地を訪れたことから、世界中から注目を集めました。世界各地に戦争に関連する資料館はあると思われますが、原爆が直接街に投下されたのは、歴史上、広島と長崎だけです。知識として学ぶ機会はあるかもしれませんが、現地にしか残っていない被曝した遺物や、資料が多く展示されています。現在の平和を感じるためには大事な施設といえるかもしれません。こういった悲惨さからは目を逸らしがちですが、やはり痛みを経験した地にしか作ることのできないものです。平和に対する意識を持つために大事な場所かもしれません。

番外編:サムライ ミュージアム

 人気ランキング15位に位置しているのが、「サムライミュージアム」。場所はなんと新宿歌舞伎町のビルです。展示されている甲冑、兜、武具などは70点ほどで、英語、中国語、韓国語で案内が表記されています。なかでも甲冑を着ての写真撮影が外国人旅行者に大人気とのこと。また、英語ガイドツアーもあり、なかなかの充実ぶり。また「殺陣ショー」も観光客の反応はなかなかのようです。やはり、サムライ、忍者といったところは日本のシンボル的なイメージなのですね。

 このように日本を外国人観光客の視点で見てみると、意外と発見があるような気がします。普段なんとなく、生活の一部となっているエリアにも実は日本的なものが潜んでいるかもしれません。

<参考サイト>
・トリップアドバイザー:旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2018
http://tg.tripadvisor.jp/news/ranking/best-inbound-attractions/
・サムライミュージアム
https://www.samuraimuseum.jp/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール

内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた主な要因として、二つのオウンゴールを挙げる島田氏。その一つとして台湾のモリス・チャン氏によるTSMC立ち上げの話を取り上げるが、日本はその動きに興味を示さず、かつて世界を席巻して...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/25
2

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本

「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
3

雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命

雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界

全ては光だと説く空海が、なぜその著書『秘蔵宝鑰』で、「死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し」と書いたのか。『秘蔵宝鑰』については、以前のテンミニッツ・アカデミー講義でも解説したが、そこから半年かけてこの書を...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/26
4

習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍

習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍

習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴

国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
小原雅博
東京大学名誉教授
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授