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DATE/ 2018.08.12

契約取れれば青天井?生保レディの給料相場

 昼休みになるとオフィスに生保レディがやってくる、そんな会社も少なくないと思いますが、彼女たちの給料はどのようなシステムになっているのでしょうか?現役の生保レディに話を聞いてみました。

厳しいノルマで離職率高い?年中求人も…

 日系の大手生命保険に勤める20代のAさん。同年齢の平均よりは良いお給料をもらっているそうです。給料は基本給+歩合。入社して一定の期間は基本給がある程度保証されているものの、ある時期から基本給は薄く、歩合が多めというスタイルに変わるのだとか。歩合は契約した保険料の○○%、あるいは1件につき〇〇円など単純な制度ではない、とのこと。掛け捨ての保険や終身保険、年金型など商品によっても歩合への反映度合が違うため、一言で説明するのは難しいそうです。また、月々各生保レディごとにノルマが課されており、未達が続くと容赦なく基本給が下がることもあるようでした。

 ノルマの厳しさや営業のきつさから離職率が高いとも言われており、一方で年中人材募集もしています。ハローワークの入り口で求職者を待ち構えて勧誘する保険会社のリクルーターもいて、日本語がたどたどしい外国人にも猛烈プッシュをかけている姿を見かけたことがあります。

 生保レディの武器と言えば「義理・人情・プレゼント」。略して「GNP」なんて呼ぶこともありますが、熱心に客先へ足を運ぶことで義理も人情も湧いてくるものですし、ちょっとしたプレゼントの積み重ねで心を動かすこともあるというもの。各生保レディは会社で用意した自己紹介カードやポケットティッシュなどだけでなく、自前でちょっとしたプレゼント用のお菓子を用意する人も。お菓子代は自腹になりますが、契約を取るための必要経費ということでしょう。

契約取れれば一億円も!完全実力主義

 一方外資系ではフルコミッション(完全歩合制)を取る保険会社もあります。入社当初は基本給が設定されているものの、一定期間を過ぎた後は契約が取れなければ無給、一方で契約さえ取れれば数千万、一億円プレイヤーもあり得るという実力次第のシステム。人脈や営業力に自信のある人だけが生き残っていける世界です。

 生保レディの給与システムがわかると、彼女たちが毎日足しげく見込み先のオフィスへ通う理由がわかりますね。その苦労がわかれば、ちょっとは話を聞いてみてあげるのも良いかもしれないですね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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