社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
健康食品で病気治せない?ありがちな誤解とは
日々の健康のため、健康食品を摂取していますか?内閣府の審議会である消費者委員会が行った調査によると、約6割の消費者が健康食品を利用しているとのことです。が、健康食品とはいったい何なのか、その定義を知らずに使っている方も少なくないのではないでしょうか?
「医薬品と違い、病気の治療・予防を目的とするものではありません。病気の治療や予防に役立つことを説明したりほのめかしたりする表示や広告を行っている製品は、『医薬品』と判断します」(東京都福祉保健局)。つまり、健康食品は病気を治す、予防できる、などとうたってはいけないのです。薬ではなく、あくまで「食品」の一部ということです。
健康食品=悪、というわけではありません。ただし、薬とは違うものであるということを忘れずに摂取することが大事です。消費者庁は「健康食品は、あくまでも食品ですので、たとえ健康に良いとされる効果が表示されている場合であっても、薬のように、痛みの症状を軽くしたり、病気を治したりする効果が期待できるものではありません」と警告したうえで、「健康維持の基本は『栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養』です。この3つに代わる健康食品はありません」と明示しています。楽に簡単に健康になれる方法はない、ということですね。
健康食品と医薬品 明確な違いあり
「健康食品って言うくらいなんだから、身体の悪いところを治してくれるんでしょ?」「ビタミンやミネラルなどサプリメントのことじゃないの?」人によって健康食品のイメージは異なりますが、厚生労働省は以下のように説明しています。「健康食品と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しているものです。そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした『保健機能食品制度』があります」。健康食品という言葉そのものにはっきりした定義はないのですが、一方で健康食品と似たような印象を持たれがちな医薬品とは明確な違いがあります。「医薬品と違い、病気の治療・予防を目的とするものではありません。病気の治療や予防に役立つことを説明したりほのめかしたりする表示や広告を行っている製品は、『医薬品』と判断します」(東京都福祉保健局)。つまり、健康食品は病気を治す、予防できる、などとうたってはいけないのです。薬ではなく、あくまで「食品」の一部ということです。
消費者庁「健康維持の基本は…」
また、医薬品はGMP(Good Manufacturing Practice 適正製造規範)というルールに沿い、一定の品質が確保されていますが、多くの健康食品はGMPに基づいて製造されていません。健康被害が起こった場合、「医薬品副作用被害救済制度」という救済を図る仕組みが医薬品にはあるのに対し、健康食品は適用外です。東京都健康安全研究センターが行ったアンケートによると、健康食品を利用して体調不良を感じたことがある人は3.6%。「確信が持てないがある」も含めると11.8%となり、8~9人に1人は該当することになります。また、健康食品の効果を感じていない人は29.9%にも上るという結果も出てきました。健康食品=悪、というわけではありません。ただし、薬とは違うものであるということを忘れずに摂取することが大事です。消費者庁は「健康食品は、あくまでも食品ですので、たとえ健康に良いとされる効果が表示されている場合であっても、薬のように、痛みの症状を軽くしたり、病気を治したりする効果が期待できるものではありません」と警告したうえで、「健康維持の基本は『栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養』です。この3つに代わる健康食品はありません」と明示しています。楽に簡単に健康になれる方法はない、ということですね。
<参考サイト>
・内閣府:消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/088/doc/088_120518_shiryou1-2.pdf
・厚生労働省:「健康食品」のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
・東京都福祉保健局:医薬品的な効能効果について
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/kenkou/kenko_shokuhin/ken_syoku/kanshi/kounou.html
・消費者庁:健康食品の 安全性と有効性について
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/risk_commu_health_food/pdf/healthfood_shiryou01.pdf
・東京都福祉保健局:都民を対象とした「健康食品」の摂取に係る調査結果報告書
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/top/27_kenshoku_houkokusho.pdf
・内閣府:消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/088/doc/088_120518_shiryou1-2.pdf
・厚生労働省:「健康食品」のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
・東京都福祉保健局:医薬品的な効能効果について
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/smph/kenkou/kenko_shokuhin/ken_syoku/kanshi/kounou.html
・消費者庁:健康食品の 安全性と有効性について
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/risk_commu_health_food/pdf/healthfood_shiryou01.pdf
・東京都福祉保健局:都民を対象とした「健康食品」の摂取に係る調査結果報告書
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/top/27_kenshoku_houkokusho.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本
デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性
アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?
編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。
第2次トランプ...
第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?
医療から考える国家安全保障上の脅威(3)NBC兵器をめぐる最新情勢
2006年ロシアのKGB元職員暗殺には「ポロニウム210」というNBC兵器が用いられた。これは、検知しやすいγ線がほとんど出ない放射線核種で、監視の目を容易にすり抜ける。また、2017年金正男氏殺害に使われた「VX」は、2種の薬剤を...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/15
生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(9)弥生人の「生の世界」
弥生時代の衣食住には、いったいどんな文化があったのだろうか。土器やスタンプ痕の分析から浮かび上がる弥生人が生きていた世界、その生活をひもとくと、農耕の発展の経路や死生観など当時のさまざまな文化の背景が見えてくる...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/14