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加熱するコーヒーチェーン戦争で勝ち残るのは?
ちょっとコーヒーを飲んでひと息つこう、そう思ったときにどのお店に入りますか?
今や街中には数多くのコーヒーショップがひしめきあい、価格重視の店や雰囲気重視の店など、店ごとにさまざまな特徴があります。さらに最近ではコンビニやファストフード店でも本格的なコーヒーが飲めるようになり、コーヒーチェーン戦争は熾烈を極めています。そんな中、今後はどんな店が生き残れるのでしょうか。
次点につけたのがドトールコーヒーで、2017年の売上は725億円、店舗数は1100店舗(2018年7月末時点)を超えています。ドトールではコーヒー1杯220円とリーズナブルな価格で提供し、低価格帯のコーヒーショップの代表格ともされています。
長年カフェ業界を牽引している2社ですが、実はスタバは顧客満足度No.1からの転落、ドトールも店舗数、売上が伸び悩むなど芳しくない状況が続いているのです。かつては圧倒的な存在感を保っていた2社ですが、その栄光に陰りが見え始めています。
そんな中、この2社を差し置いてめざましい成長を遂げているのが、コメダ珈琲店です。2017年の売上げは243億円で前年比10.7%と、増収率では第1位に輝いています。2016年に上場してから着々と店舗を増やし、充実したモーニングやフードメニューで快進撃を続けているのです。
高価格帯の代表格である喫茶ルノアールはコーヒー1杯500~700円(店舗によって異なる)。ドトールと比べると約2~3倍の値段であるにも関わらず、毎年店舗数を微増させ、18年3月期の売上げは59億円と5年前に比べて23%増と、堅実な伸びを見せています。
また、星乃珈琲店もコーヒー1杯400~700円(店舗によって異なる)で、高価格帯のチェーン店のひとつといえるでしょう。2011年に誕生してから年30店舗のペースで新規出店を続け、現在は全国220店舗にまで規模を拡大し、18年2月期の売上げは前年比11%の144億円にのぼっています。
この2店の共通点のひとつは「贅沢な空間づくり」。ルノアールは純喫茶の趣を大切にした内装と、広々とした席を確保することで、ゆったりと落ち着いた時間を提供しています。同じく星乃珈琲店はアンティークのソファや照明で高級感を出しながら、席の間には仕切りを置いたり距離をしっかりとったりすることで、周りの客を気にすることなくくつろげるようになっています。
ドトールコーヒーは主力のドトールが伸び悩む中、コーヒー1杯1000円という超高価格帯路線の「神乃珈琲」を出店するという新たな取り組みを始めました。今後、各社がどのような取り組みをしていくのかが、命運を分ける鍵となっていくでしょう。
今や街中には数多くのコーヒーショップがひしめきあい、価格重視の店や雰囲気重視の店など、店ごとにさまざまな特徴があります。さらに最近ではコンビニやファストフード店でも本格的なコーヒーが飲めるようになり、コーヒーチェーン戦争は熾烈を極めています。そんな中、今後はどんな店が生き残れるのでしょうか。
長年業界を引っ張ってきたのはスタバ、ドトール
帝国データバンクの調査によると、売り上げ、店舗数ともに国内カフェ業界のトップに立つのはスターバックスコーヒージャパン。「スタバ」は強いブランド力を持ち、国内1300店舗を展開(2017年12月末時点)し、2017年は1700億円もの売上をあげ、業界の中でも特に大きい勢力を誇っています。次点につけたのがドトールコーヒーで、2017年の売上は725億円、店舗数は1100店舗(2018年7月末時点)を超えています。ドトールではコーヒー1杯220円とリーズナブルな価格で提供し、低価格帯のコーヒーショップの代表格ともされています。
長年カフェ業界を牽引している2社ですが、実はスタバは顧客満足度No.1からの転落、ドトールも店舗数、売上が伸び悩むなど芳しくない状況が続いているのです。かつては圧倒的な存在感を保っていた2社ですが、その栄光に陰りが見え始めています。
そんな中、この2社を差し置いてめざましい成長を遂げているのが、コメダ珈琲店です。2017年の売上げは243億円で前年比10.7%と、増収率では第1位に輝いています。2016年に上場してから着々と店舗を増やし、充実したモーニングやフードメニューで快進撃を続けているのです。
高価格帯コーヒーチェーンの台頭
コメダ珈琲店のコーヒーの値段を見てみると1杯420円。ドトールと比べると倍近くの値段ですが、これだけの成長を見せる集客に成功しています。さらにいえば、コメダ珈琲店に限らず最近では高価格帯のコーヒーチェーンの人気が高まる傾向が強くなっています。高価格帯の代表格である喫茶ルノアールはコーヒー1杯500~700円(店舗によって異なる)。ドトールと比べると約2~3倍の値段であるにも関わらず、毎年店舗数を微増させ、18年3月期の売上げは59億円と5年前に比べて23%増と、堅実な伸びを見せています。
また、星乃珈琲店もコーヒー1杯400~700円(店舗によって異なる)で、高価格帯のチェーン店のひとつといえるでしょう。2011年に誕生してから年30店舗のペースで新規出店を続け、現在は全国220店舗にまで規模を拡大し、18年2月期の売上げは前年比11%の144億円にのぼっています。
この2店の共通点のひとつは「贅沢な空間づくり」。ルノアールは純喫茶の趣を大切にした内装と、広々とした席を確保することで、ゆったりと落ち着いた時間を提供しています。同じく星乃珈琲店はアンティークのソファや照明で高級感を出しながら、席の間には仕切りを置いたり距離をしっかりとったりすることで、周りの客を気にすることなくくつろげるようになっています。
「上質な空間」への需要が増えている
インターネット上で「ルノアールは高い?安い?」という議論が話題を呼んだことがありました。一方は「コーヒー1杯220円で飲める時代に、500~700円も出さなきゃいけないなんて高すぎる」、もう一方は「他の店よりも落ち着いてくつろげることを考えればむしろ安い」という意見。この議論から「低価格路線が一定の支持を集める一方で、低価格路線から一歩進んだ『上質な空間・接客サービス』へのニーズが高まっている」ということが分かるのではないでしょうか。ドトールコーヒーは主力のドトールが伸び悩む中、コーヒー1杯1000円という超高価格帯路線の「神乃珈琲」を出店するという新たな取り組みを始めました。今後、各社がどのような取り組みをしていくのかが、命運を分ける鍵となっていくでしょう。
<参考サイト>
・帝国データバンク:喫茶店・カフェ経営業者 1180 社の経営実態調査
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180801.pdf
・帝国データバンク:喫茶店・カフェ経営業者 1180 社の経営実態調査
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180801.pdf
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