テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.02.19

2023年都道府県&市区町村魅力度ランキング

 いまや恒例かつ定番となった地域ランキング。なかでもとくに有名なのが「住みたい街ランキング」(SUUMO)ですが、2023年で18回目を迎えた「地域ブランド調査」(ブランド総合研究所)はご存知でしょうか。

 「地域ブランド調査2023」では、なんとアノ都道府県が15年連続で1位を獲得。以下、ランキングの詳細をわかりやすく解説していきます。

15年連続1位の都道府県

 株式会社ブランド総合研究所が主催している「地域ブランド調査」は、国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全89項目の質問からなるアンケートにより、魅力度ランキングを作成しています。今回は全国の3万人以上の消費者から有効回答を得ました。

 さて、本記事の冒頭に記した15年連続1位の都道府県はどこだと思いますか。ちなみに市区町村では札幌市が3年連続の1位に輝きました。2位は昨年同様で京都市、3位はこちらも昨年同様で函館市という結果でした。この結果からなんとなく予想できると思いますが、都道府県の1位は、市区町村で1位だった札幌市と3位の函館市のある「北海道」でした。

都道府県魅力度ランキング

 1位は北海道、2位は京都、3位は沖縄、4位は東京でした。

 実は15年連続で1位の北海道ですが、その点数は2021年から徐々に低下しています。原因の一つとしてあげられるのが、20代からの評価の低下。北海道を「とても魅力的」と答えた20代の割合は2023年は49.9%で、2022年の54.6%、2021年の68.0%より大きく低下していることがわかります。

 評価が下がった理由の一つとして考えらるのが、北海道の代表的なイメージ「食事がおいしい」という印象が20代において低下していることです。興味や嗜好が多様化する20代において「北海道産」という響きだけでは満足されなくなった可能性があります。

 ちなみにトップ10はこのようになっています。

 1位:北海道
 2位:京都府
 3位:沖縄県
 4位:東京都
 5位:大阪府
 6位:福岡県
 7位:神奈川県
 8位:奈良県
 9位:石川県
 10位:長崎県

全体的に主要項目の低下か

 魅力度の評価が低下したのは北海道だけではありません。魅力度をはじめ、他の主要項目においても平均点が都道府県、市区町村ともに前年度と比較して低下傾向にあるとのことです。

 ただしコロナ禍が始まる2020年以前に比べるとすべての指標で高くなっているそうです。コロナ禍も落ち着いた今、アピール方法によってはランキング上位常連の順位が変わってくるかも…?

 このランキング、読者のみなさんはどう見ますか。どのような場所にも必ず「良さ」はあるもの。情報をすべて鵜呑みにするのではなく、自分が思う「良さ」を見つけるのも楽しみかもしれませんね。

<参考サイト>
・地域ブランド調査2023 結果速報
https://news.tiiki.jp/articles/4853
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識

ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識

ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム

「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長 元総合研究大学院大学長
2

日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道

日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道

未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発

日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
3

天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制

天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制

「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉

現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
4

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家

数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
中島さち子
ジャズピアニスト 数学研究者 STEAM 教育者 メディアアーティスト
5

発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る

発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題

社会的時差ボケの発生には、働き方も大きな影響をもっている。特にシフトワークによって不規則な生活リズムを強いられる業種ではその回避が難しい。今回は、発がんリスク、メンタルヘルスの不調など、シフトワークが抱える睡眠...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/30
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長