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字が汚い大人はどれだけ損しているのか?
ワープロソフトやパソコンが普及し、職場はもちろんのこと家庭においてもプリンタの設置が増え、それらと同様にメールやSNSの利用者も増加する現代、以前に比べて大人が「字を書く」機会や必要性が減少しています。
しかしそうはいっても、字を書く機会がなくなることはありません。そうなると、「字が汚い大人」は肩身の狭い思いをし、ひいては損をしているのではないかという思いがよぎります。
そこで今回は字が汚い大人は損をしているのか、また損をしているとしたらどのような場面でどんな風に、またどれだけ損をしているのかについて、探ってみたいと思います。
一方、プライベートでも字を書く機会は多々あります。冠婚葬祭の芳名録ならびにのし袋、年賀状や暑中見舞いなどの時候の挨拶状、地域の付き合いでの回覧へのサインやちょっとした書類のやり取り、さらに学童期の子育て中には持ち物の名前書きや学校との連絡帳など、形式張ったものから細々としたものまでさまざまな機会が挙げられます。
これらの事例から思うことは、文字を書く機会は減少しているが、「きれいな字」や「読みやすい字」を求められる機会はあまり減っていないということです。その上でもう一歩踏み込んで考察してみると、手書きの機会が減った分、相対的に「汚い字」が悪目立ちする機会が増えたともいえるのではないでしょうか。
そう考えると、やはり字が汚い大人は字が損をしている、それも「ここぞ」というときこそ汚い字による損失を実感しているのかもしれません。
そして書き手は、自分の字を最初に見たり何度も見返したり、そもそも目にする機会自体が多いため、字が汚いことはそれだけで自分の首を絞める行為でもあり、「最も損をしているのは汚い字を書く自分自身」ともいえるのではないでしょうか。
巷にはたくさんの「字がうまくなるための本」や「美文字になるための練習帳」がありますが、その中のおすすめの一冊である『読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本』の著者で書家・書道学博士の根本知氏は「美しい字は武器になる」と断言し、「字をうまく見せる厳選した12のメソッド」として、以下の法則を紹介しています。
1)基本を知る:三種類の横線を知ろう。起筆には打ち込みを。2)「一画強調」「一対強調」:強調する線は一つにする。3)点画の方向Ⅰ:「口」の字は下と右、その他は下を両方出す。4)点画の方向Ⅱ:左払いは、円を描くように。5)左右・上下の組み立て:「偏」は右端を揃え、「冠」は圧縮する。6)内外の組み立てⅠ:囲みのパワーバランスを意識。シンニョウはリズムよく。
7)内外の組み立てⅡ:三方向の囲み、三つのブロックの真ん中は上げる。8)文字の中心:中心に対する感覚を磨こう。9)文字の概形:アウトラインを意識しよう。10)ひらがなの書き方Ⅰ:流れを大切にする。11)ひらがなの書き方Ⅱ:むすびには「おさかな形・おこめ形・おむすび形」がある。12)整った文章の書き方:漢字は大きく、ひらがなは小さく、字の間隔は狭めて。
ただし、いくら厳選した12のメソッドといっても身につけるためにはやはり「読むだけ」とはいかず、定着させるための実践トレーニングやさらに詳しいコツの習得も必要となります。しかし正しいロジックを意識して丁寧に書くことこそが、汚い字から脱する第一歩となるということがよくわかります。
そのうちの一人である編集者&ライターの新保信長氏は著書『字が汚い!』において、「うまい字じゃなくていいので、せめてもう少し“大人っぽい字”が書けるようになりたい!」との決意のもと、字の汚いコラムニストに取材したかと思えばペン習字練習帳に挑戦したり、各種の美文字本を読んではその都度著者の教えに従い、さらには手書き文字を巧みに扱うデザイナーに話を聞いたりと、あらゆる実践を試みています。
そして、実践の一つである半年におよぶペン字教室通いにおいて、先生に「きれいな字を書くには、まず自分の字がどうなっているか、文字のクセを知って、正しい字の書き方のポイントに注意して、意識して書いていくこと」の助言をもらいながら取り組んだ結果、「大人っぽくいい感じの字」の披露とまでは至らずとも「行書の大まかなルールと、ちょっとしたコツのようなもの」を理解できたと延べています。
大人になってからの習い事は子どものときとは違って、コツを頭で理解しやすかったり、心を落ち着けられたり、ビジネスやプライベートと違った視座を持つことの一助になったりする側面があるように思います。例えば習い事や資格講座などを検索できるWebサイト「ケイコとマナブ.net」で「ボールペン字」と検索してみると、各地の教室や通信講座など講座がヒットします。字が汚いことで損をしている大人の方こそ、大人ならではの解決法に挑戦してみてはいかがでしょうか。
しかしそうはいっても、字を書く機会がなくなることはありません。そうなると、「字が汚い大人」は肩身の狭い思いをし、ひいては損をしているのではないかという思いがよぎります。
そこで今回は字が汚い大人は損をしているのか、また損をしているとしたらどのような場面でどんな風に、またどれだけ損をしているのかについて、探ってみたいと思います。
多種多様な「字が汚い大人が損をする」場面
では手始めに、ビジネスにまつわる「手書きの場面」から挙げていきましょう。まず思い至るのは履歴書です。最近ではパソコンで作成したものが認められるケースも多くなっていますが、まだまだ丁寧な手書きを求められる機会が多い書類です。また職場においても電話伝言や書類などに添える簡単なメモ書き、ホワイトボードなどへの板書、お知らせ等書類へのサイン、ここぞというときの取引先への依頼状やお礼状、送付物への添書や一筆箋などがあるでしょう。一方、プライベートでも字を書く機会は多々あります。冠婚葬祭の芳名録ならびにのし袋、年賀状や暑中見舞いなどの時候の挨拶状、地域の付き合いでの回覧へのサインやちょっとした書類のやり取り、さらに学童期の子育て中には持ち物の名前書きや学校との連絡帳など、形式張ったものから細々としたものまでさまざまな機会が挙げられます。
これらの事例から思うことは、文字を書く機会は減少しているが、「きれいな字」や「読みやすい字」を求められる機会はあまり減っていないということです。その上でもう一歩踏み込んで考察してみると、手書きの機会が減った分、相対的に「汚い字」が悪目立ちする機会が増えたともいえるのではないでしょうか。
そう考えると、やはり字が汚い大人は字が損をしている、それも「ここぞ」というときこそ汚い字による損失を実感しているのかもしれません。
汚い字で最も損をする人は書き手自身
他方、「汚い」を辞書で引くと意味の一つに「秩序や調和がとれてなく、不快な感じを与えるさま。乱雑である」と記載されています。そして用例にそのものずばり「字が―・い」とあります(『デジタル大辞泉』)。つまり「汚い字」は「不快な感じを与える」ことになり、ひいては見る人や読む人を二極化すれば嫌な気分にさせてしまうことが推察されます。そして書き手は、自分の字を最初に見たり何度も見返したり、そもそも目にする機会自体が多いため、字が汚いことはそれだけで自分の首を絞める行為でもあり、「最も損をしているのは汚い字を書く自分自身」ともいえるのではないでしょうか。
「うまい」字が書ける12の厳選メソッド
では汚い字から脱するには具体的にどうすればよいのでしょうか。巷にはたくさんの「字がうまくなるための本」や「美文字になるための練習帳」がありますが、その中のおすすめの一冊である『読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本』の著者で書家・書道学博士の根本知氏は「美しい字は武器になる」と断言し、「字をうまく見せる厳選した12のメソッド」として、以下の法則を紹介しています。
1)基本を知る:三種類の横線を知ろう。起筆には打ち込みを。2)「一画強調」「一対強調」:強調する線は一つにする。3)点画の方向Ⅰ:「口」の字は下と右、その他は下を両方出す。4)点画の方向Ⅱ:左払いは、円を描くように。5)左右・上下の組み立て:「偏」は右端を揃え、「冠」は圧縮する。6)内外の組み立てⅠ:囲みのパワーバランスを意識。シンニョウはリズムよく。
7)内外の組み立てⅡ:三方向の囲み、三つのブロックの真ん中は上げる。8)文字の中心:中心に対する感覚を磨こう。9)文字の概形:アウトラインを意識しよう。10)ひらがなの書き方Ⅰ:流れを大切にする。11)ひらがなの書き方Ⅱ:むすびには「おさかな形・おこめ形・おむすび形」がある。12)整った文章の書き方:漢字は大きく、ひらがなは小さく、字の間隔は狭めて。
ただし、いくら厳選した12のメソッドといっても身につけるためにはやはり「読むだけ」とはいかず、定着させるための実践トレーニングやさらに詳しいコツの習得も必要となります。しかし正しいロジックを意識して丁寧に書くことこそが、汚い字から脱する第一歩となるということがよくわかります。
大人ならではの解決法で「汚い字」を克服?
ところで、そもそも「字が汚い大人」の多くは、「字が汚い子ども」でもあったことが推測されます。そのうちの一人である編集者&ライターの新保信長氏は著書『字が汚い!』において、「うまい字じゃなくていいので、せめてもう少し“大人っぽい字”が書けるようになりたい!」との決意のもと、字の汚いコラムニストに取材したかと思えばペン習字練習帳に挑戦したり、各種の美文字本を読んではその都度著者の教えに従い、さらには手書き文字を巧みに扱うデザイナーに話を聞いたりと、あらゆる実践を試みています。
そして、実践の一つである半年におよぶペン字教室通いにおいて、先生に「きれいな字を書くには、まず自分の字がどうなっているか、文字のクセを知って、正しい字の書き方のポイントに注意して、意識して書いていくこと」の助言をもらいながら取り組んだ結果、「大人っぽくいい感じの字」の披露とまでは至らずとも「行書の大まかなルールと、ちょっとしたコツのようなもの」を理解できたと延べています。
大人になってからの習い事は子どものときとは違って、コツを頭で理解しやすかったり、心を落ち着けられたり、ビジネスやプライベートと違った視座を持つことの一助になったりする側面があるように思います。例えば習い事や資格講座などを検索できるWebサイト「ケイコとマナブ.net」で「ボールペン字」と検索してみると、各地の教室や通信講座など講座がヒットします。字が汚いことで損をしている大人の方こそ、大人ならではの解決法に挑戦してみてはいかがでしょうか。
<参考文献・参考サイト>
・「きたな・い【汚い/穢い】」、『デジタル大辞泉』(小学館)
・『読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本』(根本知著、CCCメディアハウス)
・『字が汚い!』(新保信長著、文藝春秋)
・【ケイコとマナブ】習い事・趣味・お稽古の検索予約サイト
https://www.keikotomanabu.net/
・「きたな・い【汚い/穢い】」、『デジタル大辞泉』(小学館)
・『読むだけで「うまい」と言われる字が書ける本』(根本知著、CCCメディアハウス)
・『字が汚い!』(新保信長著、文藝春秋)
・【ケイコとマナブ】習い事・趣味・お稽古の検索予約サイト
https://www.keikotomanabu.net/
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