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DATE/ 2019.01.04

平成で人気だった「名前」ランキング

 人生で一番はじめに親から贈られるプレゼント、それが「名前」です。子どもの名前には親の気持ちが込められていますが、時代や流行が大きく反映されるものでもあります。そこで今回は明治安田生命が毎年調査している名前ランキングを参考に、平成の30年間はどんな名前が人気だったのかを紹介していきましょう。

男の子の名前トップは「翔太」

1位 翔太(しょうた)
2位 翔(しょう)
3位 健太(けんた)
4位 蓮(れん)
5位 大輝(だいき)

 男の子の名前では平成1~20年の20年間もベスト10に入り続け、平成1~9年の9年間に5回も1位に輝いた「翔太」が総合トップとなりました。「翔」が2位に入っているなど、「翔」を使った名前は平成に入ってから人気が急上昇して、人気の字のひとつになっています。また、総合4位には平成23年以降ベスト5に入り続け、平成30年に1位になった「蓮」がランクインしました。

 さらに、総合ランキングには入りませんでしたが平成18年に秋篠宮家の長男として悠仁さまが生まれると、「悠」の字の人気が高まりました。平成30年のランキングでは6位に「悠真」、10位に「悠人」が入っていて、定番の漢字として定着していることもうかがえます。

女の子の名前トップは「美咲」

1位 美咲(みさき)
2位 葵(あおい)
3位 陽菜(ひな)
4位 さくら
5位 愛(あい)

 平成30年の間でベスト10入り21回、うち8回が1位に輝いた「美咲」が堂々の総合トップに。特に平成3~8年は6年連続でトップを飾るほど高い人気を誇りました。その後、平成10年代以降に人気となった名前は、前半が総合4位の「さくら」、後半は総合3位の「陽菜」。特に「陽菜」は平成15~28年の14年間ベスト5に入り続けるという人気ぶりとなっています。

 また、平成16年以降のベスト10には「結」を使った名前が常にランクインしていて、平成30年のランキングでは1位「結月」2位「結愛」3位「結菜」と、「結」の字が含まれる名前がベスト3を占めるほどの人気ぶり。人と人をつなぐ意味も持つ「結」という字は、人びとの心情を表す漢字として今後も名前に使われていくのではないでしょうか。

人気の傾向は自然派ネーム

 平成の名前の流行をひもとくキーワードは「自然派ネーム」。女の子の総合2位の「葵」や4位の「さくら」、男の子の総合4位の「蓮」など、自然や植物を連想させる自然派ネームの人気が高まっています。平成30年の男女の名前トップ10ランキングを見てみると、男の子のランキングではベスト10の半分を、女の子のランキングでは4割を自然派ネームが占めているという結果からも、その流行ぶりがうかがえます。近年のオーガニック製品の人気が高かったり、自然への関心が高いといった世情を反映しているのかもしれません。

 一方で子どもの名前の話題で上がりやすい「キラキラネーム」と呼ばれる個性的な名前ですが、最近では減少傾向にあります。キラキラネームには賛否両論ありますが、「就職に不利だと聞く」「親のモラルが問われる」など、マイナスなイメージが大きいことがキラキラネームを避けるようになった風潮の理由のひとつだと考えられます。

元号改正が名付けに影響する

 大正に元号が変わったときには「正」を使った名前が、昭和に元号が変わったときには「昭」「和」を使った名前が人気だったように、平成に元号が変わったときには男の子の名前に「平」を使った名前が増えています。このように元号改正は名付けにも大きな影響を与えてきました。平成の30年間が終わりを迎える2019年以降は、新年号が名前の流行に影響を与えるのではないでしょうか。

<参考サイト>
・明治安田生命 名前ランキング
https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ranking/index.html
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社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授