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DATE/ 2019.01.15

不倫は身を滅ぼす…気になる慰謝料相場とは?

 いまも昔も不倫はエンタメの鉄板ネタです。最近なら、ベッキーのゲス不倫、今井絵理子や山尾志桜里の議員不倫、あるいは『黄昏流星群』や『あなたには渡さない』など不倫ドラマへの視聴者の関心の高さがそのことを如実に示しています。

 テレビを見ているだけなら、不倫は対岸の火事で済みます。つまりリスクゼロです。その一方、加害者であれ被害者であれ、誰もがリアルな当事者になる可能性が十分にあります。

 だからこそ、フィクションで疑似体験するハラハラ、ドキドキ、ドロドロのスリルを楽しめるわけですが、みなさんは不倫が実際にどれほどのリスクをはらんでいるか知っていますか。対岸の火事では済まなくなったときに備えて、不倫の相場感は知っておいて損はないでしょう。

既婚者、交際相手がいる男女の21.3%は浮気をしている

 不倫に関して驚くべき調査結果があります。この調査結果を見ると、不倫や浮気は日常茶飯事、日本中のそこかしこ、そこらじゅうで起きていることが推測できます。

 コンドームメーカーの相模ゴム工業株式会社のウェブメディア「日本のセックス」によると、「結婚相手・交際相手以外にセックスをする方はいますか」という質問に対して、なんと21.3パーセントの人が「特定・不特定の相手と浮気をしている」と答えているのです。男女別では男性が26.9%、女性が16.3%でした。

 話題書『不倫』(中野信子著、文藝春秋)において、脳科学者の中野信子さんは、人間が不倫をしてしまう理由について脳の仕組みにあることを述べています。そう考えると、かつて大バッシングを受けた石田純一さんの「不倫は文化」発言は案外当たっているのかもしれません。

不倫もいじめも人間の本能

 中野信子さんは不倫そのものだけでなく、「不倫バッシング」の激しさも脳に原因があると述べています。不倫している人は、「おいしいとこどり」「フリーライダー」「共同体の秩序を乱すもの」と映り、人々はバッシングが正義の行動であると信じこんでいくそうです。さらに、恐ろしいことに、バッシングやいじめがヒトの本能であり、快楽であるとも記しています。

 強力なバッシングを受ける不倫ですが、むろんのこと犯罪ではありません。不倫や浮気をしただけで逮捕されることはないのでご安心ください。しかしながら、不法行為として賠償の責務を負わされることがあります。言い換えれば、不倫されたら損害賠償を請求できるということです。

気になる不倫の慰謝料相場

 では、不倫の慰謝料相場とはいくらくらいなのか。これだけ不倫がホットなのにかかわらず、実際の慰謝料相場はあまり知られていません。アディーレ法律事務所の記事「浮気・不倫の慰謝料の相場は?」によると、ざっくりとですが、3つのパターンに分かれます。

 「離婚も別居もせず,夫婦関係を継続する場合」は50万円~100万円、「浮気が原因で別居に至った場合」は100万円~200万円、「浮気が原因で離婚に至った場合」は200万円~300万円です。もちろん、これはあくまで目安であってケースバイケースであることはご了承ください。

 ケースバイケースというのは、「浮気相手の年齢」「婚姻期間」「夫婦関係」「子どもの有無」などです。「夫婦関係」にはとりわけ注意が必要です。相手が不倫するようになった理由として、損害賠償を請求する側に性交渉を拒否していたなどの落ち度があった場合は、慰謝料は減額される可能性があります。また、レアケースではありますが、夫婦関係がすでに修復困難で破綻していたことが認められた場合は慰謝料が発生しないことすらありうるのです。

 ちなみにお隣の韓国では数年前まで不倫は姦通罪という犯罪でした。世界にはいまも姦通罪が適用される国があります。繰り返しになりますが、日本では不倫は犯罪ではありません。犯罪ではないからやっていいのか、その判断は個人に委ねられています。ともあれ、いつだって誰もが当事者になりうることは変わりません。不倫の慰謝料相場、不倫のコストが決して金銭だけでは済まないこと、身を滅ぼすことすらありうることは頭に叩き込んでおきましょう。

<参考文献・参考サイト>
・日本のセックス
https://sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex/love_sex.html#love02
・『不倫』(中野信子著、文藝春秋)
・浮気・不倫の慰謝料の相場は?
https://www.adire-isharyou.jp/special/01/
・弁護士法人デイライト法律事務所|破綻の抗弁
https://www.fukuoka-ricon-law.jp/movie/isharyo/movie7_8/
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