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一生に必要なお金はどれくらい?
一生に必要なお金は、ざっと見積もって一世帯あたり約3億円と言われています。3億ともなると、簡単にはイメージしづらい金額かもしれません。ここでは、実際にライフステージごとに必要な金額を確認すると同時に、どういった職業のひとが生涯にいくら稼ぐのか、職種別の生涯賃金についてもあわせて見てみましょう。
・20代 結婚式:386万円
・30代 住宅購入:3945万円
・50代までの子供の教育費:2650万円
・親の介護:251万円
・住宅リフォーム:230万円
・20歳から65歳までの生活費:1.9億円
・ゆとりある老後を送るための生活費:1.1億円
これらを合計すると3億円となります。
もちろん、それぞれのイベントごとに節約できる部分もあります。たとえば、結婚式は場合によっては親の援助があったり、規模を小さくしたりすることによって比較的費用がかからないようにすることもできます。また、人生でもっとも大きい買い物である住宅に関しては、中古物件にすると1000万円程度は下がるかもしれません。またここでの教育費2650万円とは、子供一人あたり幼稚園から大学まで私立、さらに理系に進んだ場合の金額です。全て公立で大学まで卒業したとすれば、およそ1000万円程度まで下がります。もし、大学進学で一人暮らしをする場合はさらに数百万円の負担増といったイメージです。
このように見てみると子供が2人、3人となるなど、他にもさまざまな状況によって変動はあり得ますが、やはり大きく見て3億円という数字は妥当だと考えて良いのではないでしょうか。
・1位:専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)
生涯賃金2億8976万円 平均年収588万円(男性624万円、女性494万円)
・2位:企画・管理
生涯賃金2億6609万円 平均年収510万円(男性559万円、女性433万円)
・3位:技術(IT・通信)
生涯賃金2億5398万円 平均年収456万円(男性471万円、女性395万円)
・4位:技術(電気・電子・機械)
生涯賃金2億5134万円 平均年収467万円(男性474万円、女性377万円)
・5位:営業
生涯賃金2億5173万円 平均年収444万円(男性468万円、女性377万円)
・6位:金融
生涯賃金2億3673万円 平均年収416万円(男性566万円、女性351万円)
・7位:技術(メディカル・科学・食品)
生涯賃金2億1460万円 平均年収400万円(男性432万円、女性357万円)
・8位:技術(建築・土木)
生涯賃金2億1102万円 平均年収415万円(男性426万円、女性352万円)
・9位:クリエイティブ
生涯賃金2億27万円 平均年収379万円(男性412万円、女性346万円)
10位:事務・アシスタント
生涯賃金1億6564万円 平均年収330万円(男性384万円、女性314万円)
・11位:販売・サービス
生涯賃金1億6564万円 平均年収327万円(男性352万円、女性296万円)
業種平均で比較すると「専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)」が最も多く、生涯賃金で2億8976万円と、3億円に届くかどうかといったところです。これに対して、「販売・サービス」はその半分となっています。また実際には、老後は年金が支給されるはずです。しかし、今後人口減少が予想される日本の現状からすると、年金はあまり期待できないかもしれません。こう見ると、3億円という数字は、共働きであればなんとかなるのかな、という印象です。
しかし、日々の食費や日用品は家族と共に生活した方が経済的です。また、もっとも大きなものが税金や社会保障です。家族がいればさまざまな税金の控除や子ども手当といった、国や自治体からの経済的支援を受けることができます。現状は税制上、婚姻関係にある世帯をより優遇するシステムになっています。
また、職業別生涯年収ランキングで示しているように、男女間では平均年収で100万円ほどの差があります。こうなると女性の場合、一生独身で暮らしていくには、男性よりも条件が厳しいと言えます。年収で100万円の差があれば、10年で1000万円になります。また日本では女性管理職が少ないことを考えれば、長く働いても給与の伸びは高くないことが想像されます。つまり、日本では女性が独立して生きる際の経済的自由度がかなり低いと言わざるを得ません。これまでにも政府が主導して様々な提案が行われていることは確かですが、この点に関して成果が出るには、もう少し時間が必要でしょう。
自分の寿命は見通せません、またいつ何が起こるかは分かりません。生涯年収3億円が見通せる人もそうでない人も、ここから何を重視して生きるのか、ある程度逆算して考えておく必要はあるように思います。
3億円という金額の根拠
人生のイベントでの3大費用は、「結婚」「住宅購入」「教育」です。おおよその金額を、アセットマネジメントONEが提供しているモデルイメージを使って考えてみます。・20代 結婚式:386万円
・30代 住宅購入:3945万円
・50代までの子供の教育費:2650万円
・親の介護:251万円
・住宅リフォーム:230万円
・20歳から65歳までの生活費:1.9億円
・ゆとりある老後を送るための生活費:1.1億円
これらを合計すると3億円となります。
もちろん、それぞれのイベントごとに節約できる部分もあります。たとえば、結婚式は場合によっては親の援助があったり、規模を小さくしたりすることによって比較的費用がかからないようにすることもできます。また、人生でもっとも大きい買い物である住宅に関しては、中古物件にすると1000万円程度は下がるかもしれません。またここでの教育費2650万円とは、子供一人あたり幼稚園から大学まで私立、さらに理系に進んだ場合の金額です。全て公立で大学まで卒業したとすれば、およそ1000万円程度まで下がります。もし、大学進学で一人暮らしをする場合はさらに数百万円の負担増といったイメージです。
このように見てみると子供が2人、3人となるなど、他にもさまざまな状況によって変動はあり得ますが、やはり大きく見て3億円という数字は妥当だと考えて良いのではないでしょうか。
職業別生涯年収ランキング
では、一般的な職業で人は生涯でどれくらいの収入を得るのでしょうか。ここでは転職サイトdodaの情報をもとに、業種別に生涯賃金(同額の場合、平均年収)の高い順にランキング形式にしてみました。・1位:専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)
生涯賃金2億8976万円 平均年収588万円(男性624万円、女性494万円)
・2位:企画・管理
生涯賃金2億6609万円 平均年収510万円(男性559万円、女性433万円)
・3位:技術(IT・通信)
生涯賃金2億5398万円 平均年収456万円(男性471万円、女性395万円)
・4位:技術(電気・電子・機械)
生涯賃金2億5134万円 平均年収467万円(男性474万円、女性377万円)
・5位:営業
生涯賃金2億5173万円 平均年収444万円(男性468万円、女性377万円)
・6位:金融
生涯賃金2億3673万円 平均年収416万円(男性566万円、女性351万円)
・7位:技術(メディカル・科学・食品)
生涯賃金2億1460万円 平均年収400万円(男性432万円、女性357万円)
・8位:技術(建築・土木)
生涯賃金2億1102万円 平均年収415万円(男性426万円、女性352万円)
・9位:クリエイティブ
生涯賃金2億27万円 平均年収379万円(男性412万円、女性346万円)
10位:事務・アシスタント
生涯賃金1億6564万円 平均年収330万円(男性384万円、女性314万円)
・11位:販売・サービス
生涯賃金1億6564万円 平均年収327万円(男性352万円、女性296万円)
業種平均で比較すると「専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)」が最も多く、生涯賃金で2億8976万円と、3億円に届くかどうかといったところです。これに対して、「販売・サービス」はその半分となっています。また実際には、老後は年金が支給されるはずです。しかし、今後人口減少が予想される日本の現状からすると、年金はあまり期待できないかもしれません。こう見ると、3億円という数字は、共働きであればなんとかなるのかな、という印象です。
「独身ならお得」という訳でもない
では、一生独身だった場合で考えてみるとどうなるでしょうか。結婚をせず、子供も持たない場合、先に挙げた人生の3大費用のうち、「結婚」と「教育」にかかる費用およそ3000万円超が浮きます。また、家を買うとしても、贅沢をしなければ広い物件は不要です。もちろん明確には言えませんが、総額で一世帯あたり、およそ5000万円程度安くなる可能性はあるのではないでしょうか。しかし、日々の食費や日用品は家族と共に生活した方が経済的です。また、もっとも大きなものが税金や社会保障です。家族がいればさまざまな税金の控除や子ども手当といった、国や自治体からの経済的支援を受けることができます。現状は税制上、婚姻関係にある世帯をより優遇するシステムになっています。
また、職業別生涯年収ランキングで示しているように、男女間では平均年収で100万円ほどの差があります。こうなると女性の場合、一生独身で暮らしていくには、男性よりも条件が厳しいと言えます。年収で100万円の差があれば、10年で1000万円になります。また日本では女性管理職が少ないことを考えれば、長く働いても給与の伸びは高くないことが想像されます。つまり、日本では女性が独立して生きる際の経済的自由度がかなり低いと言わざるを得ません。これまでにも政府が主導して様々な提案が行われていることは確かですが、この点に関して成果が出るには、もう少し時間が必要でしょう。
3億円から逆算して考える
こう見てみると、たしかに3億円という根拠を理解することはできますが、やはり高すぎる感じもします。何が原因なのでしょうか。税金の国際比較を見ると、日本の税金は世界的に見ても特別高いというわけではなさそうです。一方、日本の教育費は先進国の中ではかなり高い(国の教育予算が低い)状況にあります。また、住宅価格も高いと言えます。しかし、一極集中型の日本では、住宅密集地に住まざるを得ないという事情もあります。また、平均寿命の長い日本では、老後をどのように快適に豊かに過ごすか、ということも大きなテーマです。自分の寿命は見通せません、またいつ何が起こるかは分かりません。生涯年収3億円が見通せる人もそうでない人も、ここから何を重視して生きるのか、ある程度逆算して考えておく必要はあるように思います。
<参考サイト>
・アセットマネジメントOne:初めての資産形成アシスタント「貯める」から「育てる」へ。
http://www.am-one.co.jp/asset_formation_assist/01-2.html
・Doda:平均年収ランキング最新版
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
・全労済:生涯で必要なお金を知る
https://www.zenrosai.coop/study/shougai.html
・ZUU online:先進国で最も税金の高い国ランキング 日米韓は意外な結果
https://zuuonline.com/archives/97440
・アセットマネジメントOne:初めての資産形成アシスタント「貯める」から「育てる」へ。
http://www.am-one.co.jp/asset_formation_assist/01-2.html
・Doda:平均年収ランキング最新版
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/
・全労済:生涯で必要なお金を知る
https://www.zenrosai.coop/study/shougai.html
・ZUU online:先進国で最も税金の高い国ランキング 日米韓は意外な結果
https://zuuonline.com/archives/97440
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