テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2019.04.27

夫にわかってもらえない「主婦の大変さ」

 1度でも働いたことのある人なら、どんな仕事でも楽なものはないと知っています。しかし、れっきとした家事や育児という「仕事」をしていながらも、その大変さを理解されないことも多いのが主婦。一番理解してほしい夫に、その大変さを分かってもらえないと感じている主婦の皆さんも多いのではないでしょうか。

 そこで今回は、主婦の大変さを訴える女性達の声や、それに対する夫側の男性達の意見をアンケート。主婦の大変さを、夫婦で理解し共感するためのヒントを探ってみたいと重います。

ココがツラいよ、夫の知らない「主婦」の毎日

 まずは主婦の皆さんから出た、夫に分かってほしい「主婦の大変さ」。多かった声を具体的にピックアップしていきます。

1:家庭が職場なので時間制限がない
 男性なら終業し帰宅すれば一段落できますが、主婦は寝るまで職場にいるようなもの。「旦那は帰って食事してすぐ寝ますが、私はその後の片付けや次の日のお弁当の準備もあり寝るまで忙しい」、「終わった!という区切りがないので、家にいると常にTo Doリストに追われている」など、延々と続く家事にお疲れの声が。

2:明確な休日がなく切り替えができない
 企業勤めは週休2日が基本ですが、まるっと休日をもらえないのが主婦。「土日の夫は疲れたとゴロゴロしていますが、私はその横で平日と変わらず家事育児」、「主婦は何もしなくていい日なんてない、やったー週末だ!と思っていた独身の頃が懐かしい」という声も多く、自分の時間がないことへの辛さも聞かれました。

3:頑張っても報酬や評価がない
 「節約してワイシャツはクリーニングに出さず私がアイロンしていますが、その努力も知らず”これもアイロンしといて”とシャツを投げてくる夫に怒りが」というように、細々と努力や工夫をしても主婦の仕事は感謝されにくいもの。「なのに手抜きをすると文句を言われ割に合わない」と、やって当然と思われているのも辛いところです。

4:具合が悪くても替えがきかない
 会社ならチームで仕事をしますが、主婦の場合はほぼワンオペ。「体調が悪くても代わってくれる人もいない、後回しにすれば皺寄せは自分に」、「高熱でも夫が会社を休んで看病してくれるわけではないので、薬を飲みながら家事育児をしてヨロヨロ。夫は無理するな、と言うだけ」と、体調よりも責任や義務を優先してしまう大変さも。

「主婦の大変さ」、夫はどう感じている?

 上記4つの「主婦の大変さ」を読み、夫側の男性達はどう感じるのか意見を聞いてみました。

【主婦の大変さがわからない派】
・ノルマや納期、人間関係を気にせず、自分のペースでやれる主婦が羨ましい。
・主婦は大変って言うけど自分も大変。休みの日くらい家事や育児をしろって、働いているのはお互い様なのでは?
・別に手抜きや楽をすればいいのに、妻が完璧主義なだけ。手伝ってもあれこれダメ出しされるし、自分で大変にしている部分もあると思う。

【主婦の大変さがわかる派】
・週末ゆっくりしていても、妻はなんだかんだずっと家事に追われているので、ちょっとは手伝おうと動くことにしている。
・妻が入院した時、洗濯機の使い方もお風呂の湧かし方もご飯の炊き方も分からず「ここは自分の家?」というアウェー感を味わった。それで妻が今まで全部やってくれていたその大変さが分かりました。
・妻が留守をする時、家事と育児のやることリストを書いてもらったらすごい量だった。実際にしてみたら息つく時間もなく、これを毎日やるならサラリーマンの方が楽かもと感じた。

 「主婦の大変さをわかっている」夫達は、実際に主婦の仕事の何たるかを経験したことがある人が多いようです。一方、「主婦の大変さがわからない」男性は、「主婦業の内訳が分かっていない」、「自分も疲れている」、「大変なら手抜きすればいい」とできるだけ主婦業に距離を取ろうとしている印象がありました。

その「主婦の大変さ」を夫にわかってもらうためには?

 夫達に主婦の役割を理解し協力的になってもらうためには、実体験以外にどんな方法があるのか、「主婦の大変さをわかっている」夫を持つ女性達にもそのコツを伺いました。

・夫は海外出張が多く家にいるのは月に1週間程、子ども2人の育児も家事も私のワンオペ。「もう無理!」とキレて仕事を辞めたら、それに罪悪感があるのか、育児が大変だからと家事代行サービスを契約してくれたり、家にいる時は感謝の言葉もあるのでなんとか頑張れます。

・節約して溜めた貯金額を夫に時々公表して、「やり手の主婦」として認識させています。たぶんその信頼感や感謝があるのか、多少手抜きをしても文句も言わないし、家事や育児にも協力的です。

・休みの日にやるべき家事を一覧にして夫に渡し、「ちょっと大変たから、どれか手伝って」とお願いしています。口であれこれ指図するより「これなら俺に任せろ」と出来る事を自分からやってくれるようになりました。

 3人の主婦の、夫の理解と協力を得る方法はいずれも具体的。大変さや日々の努力を分かりやすく表現したり、時には「自分は何もしていないかも…」と夫の罪悪感を刺激したり、口うるさく手伝えと言うのではなく「手伝いたい」と思わせるテクニックを使っています。「大変、大変」と言っても分からないのが多くの夫。まずは主婦が何をしているかを、知ってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(3)インドネシアの成長とトルコの外交力

グローバル・サウスの中でも高度経済成長を遂げているのがインドネシアだ。長期のスカルノ時代とスハルト時代を経てその後に民主化が進んだ、東南アジアで最大のイスラム教国である。また、トルコは多国間に接する地理的特性と...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/17
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

多神教の日本と民主主義…議論の強化と予備選挙の導入を

民主主義の本質(4)日本の民主主義をいかに強化するか

民主主義の発展において、キリスト教のような一神教的な宗教の営みがその礎にあった。では、そうした宗教的背景をもたない日本で、民主主義を育てるにはどうしたらいいのか。人数が多ければ正しいというのは「ポピュリズム」の...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/16
橋爪大三郎
社会学者
3

26歳で老中首座…阿部正弘が幕末の動乱期に担った使命とは

26歳で老中首座…阿部正弘が幕末の動乱期に担った使命とは

徳川将軍と江戸幕府~阿部正弘編(1)若き老中首座・阿部正弘の使命

阿部正弘は幕末の若き老中首座として、徳川家斉・徳川家慶・徳川家定の時代を支えた。黒船で泰平を揺るがしたペリーが再来し、日米和親条約が結ばれ、鎖国政策は終わりを告げる。近代日本への舵取りを果たしたと評価される阿部...
収録日:2021/03/29
追加日:2024/03/09
4

きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」

きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」

ウイルスの話~その本質と特性(1)生物なのか、そうではないのか

ウイルスとはいったい何なのか。彼らは生物とは異なり、自分でエネルギーを生み出して生存するわけではなく、遺伝情報のみを持ち、他の生物の機能を利用して自らを複製している。そうした「ウイルスと宿主の関係」はきわめて特...
収録日:2020/02/17
追加日:2020/03/12
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長
5

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る

チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由

「心理的安全性」は近年もっとも注目されるビジネスバズワードの一つともいわれている。その背景には、コロナ禍におけるリモートワークの増大、社会全体が未来予測の難しい「VUCAの時代」に入ったことがある。職場環境が多様に...
収録日:2022/04/26
追加日:2022/07/23
青島未佳
一般社団法人チーム力開発研究所 理事