社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.05.01

「ずっと続く幸せ」をつくる5つのポイント


 幸せになりたい。それも、長い期間、ずっと幸せであり続けたい。誰もが願うことでしょう。しかし、幸せというのは一体何なのでしょうか。おそらく、はっきりと答えられる人は少ないでしょう。


「ずっと続く幸せ」は、5つの要素でできている

 専門家の言葉に耳を傾けてみましょう。アメリカ心理学会の会長も務めた心理学界の世界的権威、マーティン・セリグマン氏は、「ずっと続く幸せ(ウェルビーイング)」は、次の5つの要素でできていると語っています。1つずつ紹介していきましょう。

(1)楽しければ、幸せだ(ポジティブ感情)

 幸せのなかで一番分かりやすいのは、「幸せな気持ち」である。楽しみ、歓喜、恍惚感、ぬくもり、心地よさなどで満たされた人生は、当然ながら「快い人生」だろう。しかし、幸せとは、それだけではないこともまた確かだ。

(2)夢中で過ごすのは、幸せだ(エンゲージメント)

 これまでの人生で、何かに我を忘れて夢中になったことのある人は多いだろう。仕事、スポーツ、趣味など、自分の強みや才能を十分に発揮してはじめて得られる感覚だ。このような感覚を継続的に得られれば、その人は「充実した人生」を送れるだろう。

(3)意義あることをしていたら、幸せだ(意味・意義)

 楽しむ、夢中になるほかにも、幸せへと向かう道はある。例えば、宗教、政党、エコライフ、ボーイスカウトなどで、何らかの意味や目的のために責任を全うすれば、「有意義な人生」を送ることができる。

(4)何かを成し遂げたら、幸せだ(達成)

 ゲームに勝つ、富を築くなど、何らかの目標を達成すること自体も、幸せと関係が深い。何かを成し遂げる幸せというのもあるのだ。

(5)人間関係がよければ、幸せだ(関係性)

 夫婦や親子が、長い間良好な関係を保ち続けることは、幸せなことだろう。友人関係や仕事関係などでも同じことが言える。あらゆる意味で、良い人間関係は幸せを呼ぶだろう。

 当たり前のことと思ったかもしれませんが、このように整理して考えると、今の自分が幸せかどうか、幸せになるにはどうしたらよいのか、といったことが少し分かりやすくなってきたのではないでしょうか。より詳しくは、セリグマン氏が提唱したポジティブ心理学の成果を参考にしていただければと思います。

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム

デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム

デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム

初めて会った人なのになぜか好意を抱いてしまうことがある。だが、なぜそうした衝動が生じるのかは疑問である。デカルトが友人シャニュに宛てた「愛についての書簡」から話を起こし、愛をめぐる精神と身体の関係について論じる...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/03/31
津崎良典
筑波大学人文社会系 教授
2

偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動

偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動

内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解

アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11
3

『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割

『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制

「バイアスがかかる」と聞くと、つい「ないほうが望ましい」という印象を抱いてしまうが、実は人間が生きていく上でバイアスは必要不可欠な存在である。それを今井氏は「マイワールドバイアス」と呼んでいるが、いったいどうい...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/09
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
4

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題

保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
5

誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム

誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム

認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門

人間の営みを支えているのは高度な認知機能だが、複雑な社会行動を司るその認知機能は同時に多くの偏り(バイアス)を含んでいる。誰もが陥るその「認知バイアス」には、いったいどのような危うさ、あるいは可能性が秘められて...
収録日:2022/05/26
追加日:2022/10/11
鈴木宏昭
元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授 博士(教育学)