社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
日本の「経済力」は世界で何番目?
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」なんて言われたのも今は昔。同タイトルの書籍が発売されたのは1979年なので、もう40年も前になるんですね。そこからバブル、バブル崩壊、失われた20年、もしくは30年を経て、日本の経済的な存在感が以前と比べて落ちてしまったのは事実でしょう。さて、では実際のところ、日本の経済力は世界で何番目なのでしょうか?
「でも中国は人口が多いからGDPも多いだけ」、そういう見方もあるでしょう。では、1人当たりのGDPではどうでしょうか。ここでは日本は約3.93万ドルで192か国中26位。国のGDPで1位だったアメリカは約6.26万ドルで9位。中国は約9600ドルで72位ということで、まだ1人当たりでならすと中国は中堅国という位置づけになりそうです。ちなみに1人当たりGDPの世界1位は約11.42万ドルのルクセンブルク。日本円にして約1230万円です。平均ですからね、これ。人口が約59万人と少ない一方で金融業が発達していることが理由のようです。
購買力平価という切り口もあります。購買力平価とは、ある商品の価格が世界中どこでも同じという前提のもと、各国の為替レートを比較したものです。よく使われるのはビッグマックの価格を比較した「ビッグマック指数」ですが、例えば日本でビッグマックが300円、アメリカで6ドルだった場合、1ドル=50円が適切な為替レート、という考え方になります。これを1人あたりGDPとかけあわせた順位で見ると、日本はこちらも31位止まり。1人あたりGDPでは8000ドルほど差をつけていた韓国が、1人当たり購買力平価GDPでは32位に迫ってきています。
今後、人口が多いインドやインドネシア、ブラジルなどにも日本はGDPで抜かれ、2050年には世界7位にまで落ち込むという予測もあります。「日本も昔は世界で2番目(3番目)の経済大国だったんだよ…」という話が、そう遠くないうちに昔話になってしまいそうですね。
名目GDPという観点ではまだ世界3位も…
まず、名目GDP(国内総生産:国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の総額)という観点だと、2018年の日本は約5兆ドルで世界3位。1位は約20兆ドルのアメリカ、2位は約13億ドルの中国でした。2010年のGDPで、日本は中国に抜かれ世界2位の座から約40年ぶりに陥落、と話題になりましたが、それから8年で日中の差は倍以上開いてしまったということですね。「でも中国は人口が多いからGDPも多いだけ」、そういう見方もあるでしょう。では、1人当たりのGDPではどうでしょうか。ここでは日本は約3.93万ドルで192か国中26位。国のGDPで1位だったアメリカは約6.26万ドルで9位。中国は約9600ドルで72位ということで、まだ1人当たりでならすと中国は中堅国という位置づけになりそうです。ちなみに1人当たりGDPの世界1位は約11.42万ドルのルクセンブルク。日本円にして約1230万円です。平均ですからね、これ。人口が約59万人と少ない一方で金融業が発達していることが理由のようです。
購買力平価という切り口もあります。購買力平価とは、ある商品の価格が世界中どこでも同じという前提のもと、各国の為替レートを比較したものです。よく使われるのはビッグマックの価格を比較した「ビッグマック指数」ですが、例えば日本でビッグマックが300円、アメリカで6ドルだった場合、1ドル=50円が適切な為替レート、という考え方になります。これを1人あたりGDPとかけあわせた順位で見ると、日本はこちらも31位止まり。1人あたりGDPでは8000ドルほど差をつけていた韓国が、1人当たり購買力平価GDPでは32位に迫ってきています。
日本は意外と人口多い国 なんと世界で10位
1人当たりのGDPでは30位程度ですが、国のGDPではまだ3位につけている日本。なぜかというと、意外なことに日本は人口で見ると世界10位なんです。中国やアメリカを比較対象にしてしまうと人口が少ない小さな島国に思えてしまうかもしれませんが、なかなかどうして、そこそこの大国なんです。なので、1人当たりだと上の下から上の中くらいのランクですが、国民1人1人の数字を足し上げると世界3位に躍り出る、ということになります。今後、人口が多いインドやインドネシア、ブラジルなどにも日本はGDPで抜かれ、2050年には世界7位にまで落ち込むという予測もあります。「日本も昔は世界で2番目(3番目)の経済大国だったんだよ…」という話が、そう遠くないうちに昔話になってしまいそうですね。
<参考サイト>
・世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)―Global Note
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8860&post_no=1409
・購買力平価 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
https://www.daiwa.jp/glossary/YST0538.html
・世界の1人当たり購買力平価GDP 国別ランキング・推移(IMF)―Global Note
https://www.globalnote.jp/post-12805.html
・世界の人口ランキング - 世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/ranking/imf_lp.html
・PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表し、主要国のGDPを予測‐2020年以降、中国の成長は大幅に鈍化するものの、世界の経済力の新興国へのシフトは止まらず | PwC Japanグループ
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/world-in-2050-150227.html
・世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)―Global Note
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8860&post_no=1409
・購買力平価 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
https://www.daiwa.jp/glossary/YST0538.html
・世界の1人当たり購買力平価GDP 国別ランキング・推移(IMF)―Global Note
https://www.globalnote.jp/post-12805.html
・世界の人口ランキング - 世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/ranking/imf_lp.html
・PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表し、主要国のGDPを予測‐2020年以降、中国の成長は大幅に鈍化するものの、世界の経済力の新興国へのシフトは止まらず | PwC Japanグループ
https://www.pwc.com/jp/ja/press-room/world-in-2050-150227.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは
地政学入門 ヨーロッパ編(9)EUの深化・拡大とトルコの問題
国際政治の理論として国同士の経済交流、相互依存が安全保障、つまり平和を維持できると伝統的に考えられてきたが、今般の国際政治ではそれは必ずしも当てはまらないようだ。そこでEUの問題である。国の垣根を越えて世界国家に...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/30
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
昨今、生成AIに代表されるようにAIの進化が目覚ましく、「AIに代わられる仕事、代わられない仕事」といったテーマが巷で非常に話題となっている。では、AIに代わられない事とは何であろうか。そこで、『江藤淳と加藤典洋』(文...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/25
寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
私たちに欠かせない「睡眠」。そのメカニズムや役割についていまだ謎も多いが、それでも近年は解明が進み、私たちの健康に大きく関与することが明らかになっている。まずは最新情報を盛り込んだ睡眠が果たす5つの役割を紹介し、...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/06/05