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最強と言われる「楽天経済圏」とは何か?
楽天と聞くと、まず何が浮かぶでしょうか。楽天市場、楽天ゴールデンイーグルス、楽天銀行、楽天モバイル……。ここで挙げただけでもショッピングモールから球団経営、銀行などと幅広いですが、楽天グループはもっともっとあります。楽天トラベル、楽天ブックス、楽天ペイ、ラクマ、楽天でんきといったところを利用している人もいるでしょう。あらゆる分野で知名度がありますが、これらの楽天グループでは「楽天ポイント」を媒介してユーザーを囲い込んでおり、ここで生じる「楽天経済圏」は、かなり強いようです。
ではなぜ、一つのグループがなぜこんなに幅広い分野に進出し、これだけのユーザーを獲得できているのでしょうか。鍵はやはり「楽天ポイント」です。消費や貯蓄、投資まで楽天経済圏に集約することでポイントが効率良く貯まり、このポイントをまたさまざまな楽天グループのサービスで現金同様に利用できます。つまり、楽天のサービスを利用してもらえるポイントは、楽天グループ内での限定通貨といってもいいかもしれません。また、この枠組(楽天グループ)が、広い分野に拡大すればそれだけポイントを使えるジャンルの幅が上がります。この作用が楽天経済圏をより拡大させる力となっています。
すでに、買いものは楽天市場、ケータイは楽天モバイル、お金は楽天銀行に預けて、資産運用は楽天証券で、という人もいるでしょう。ちなみに楽天銀行と楽天証券の両方の口座を作ってマネーブリッジという設定をすると、楽天銀行の普通預金の利率は大幅にアップするといった特典も。また、ほとんどのサービスで共通したIDとパスワードを使えるので、いくつもIDとパスワードをメモしておく必要もありません。こうして経済圏に入ってしまえば、かなり得をすることは間違いないでしょう。では問題はないのでしょうか。
また、さまざまな楽天のサービスを使えば楽天ポイント還元率が高くなることは間違いないのですが、分野や状況によっては、楽天外のサービスのほうが安く済むこともあります。グループ内全てでサービスの質が高いというわけでもありません。
一方、楽天もセキュリティにはかなり意識を持っていることも確かです。楽天銀行での取引はセキュリティの側面からログインするたびにスマホで認証をとる二段階認証を推奨したり、楽天カードでは多くの場合、利用してしばらく経つと利用確認メールが送られてきたりします。もちろん、楽天のサービスに限らず、こういった、セキュリティに対する意識も利用者はしっかり持っておかなければなりません。
サービスを横断的に使える「楽天ポイント」
楽天Marketing Platform naviによると、楽天エコシステム(経済圏)は、Eコマース、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など、70を超えるサービスを展開しているとのこと。世界での楽天会員数は1億以上、楽天市場出店店舗数47,940店舗、連結売上高は1.1兆円となっています。ではなぜ、一つのグループがなぜこんなに幅広い分野に進出し、これだけのユーザーを獲得できているのでしょうか。鍵はやはり「楽天ポイント」です。消費や貯蓄、投資まで楽天経済圏に集約することでポイントが効率良く貯まり、このポイントをまたさまざまな楽天グループのサービスで現金同様に利用できます。つまり、楽天のサービスを利用してもらえるポイントは、楽天グループ内での限定通貨といってもいいかもしれません。また、この枠組(楽天グループ)が、広い分野に拡大すればそれだけポイントを使えるジャンルの幅が上がります。この作用が楽天経済圏をより拡大させる力となっています。
楽天ポイントは投資やスマホ利用料の支払いにも使える
楽天カード(クレジットカード)は、基本となるカードの年会費は無料です。電子マネー決済は楽天Edy、また最近急速に拡大しているQRコード決済では楽天ペイがあります。楽天市場で買い物をする際は、他の楽天グループのサービスの利用状況に応じて、最大○倍といったように、獲得ポイント率が上がります。つまり、複数のサービスに加入していればいるほど、多くのポイントが貯まります。また、貯めたポイントを使って楽天証券で投資信託を購入できたり、楽天モバイルの利用料を支払ったりすることも可能。さらに、提携している会社のポイントやANAのマイルなどは、一定の割合で楽天ポイントに交換できたりするなど、利用の幅は広がっています。すでに、買いものは楽天市場、ケータイは楽天モバイル、お金は楽天銀行に預けて、資産運用は楽天証券で、という人もいるでしょう。ちなみに楽天銀行と楽天証券の両方の口座を作ってマネーブリッジという設定をすると、楽天銀行の普通預金の利率は大幅にアップするといった特典も。また、ほとんどのサービスで共通したIDとパスワードを使えるので、いくつもIDとパスワードをメモしておく必要もありません。こうして経済圏に入ってしまえば、かなり得をすることは間違いないでしょう。では問題はないのでしょうか。
広告メールは多いかも知れない
もちろん、楽天経済圏に問題がないわけではありません。他社のポイントから楽天ポイントに交換するのは制限があり、やや面倒で時間がかかります。また、キャンペーンによっては、エントリーすると必要のないメールマガジンに自動登録させられたりすることも。また、ポイントアップキャンペーンが楽天の都合によって改悪されることも起こります。クレジットカードや銀行といった生活の基盤は、なかなか他の会社のものに変更するのも億劫ですよね。こうして、納得はいかないけれど、まぁ大きな損はないからしょうがないか、となることも考えられます。また、さまざまな楽天のサービスを使えば楽天ポイント還元率が高くなることは間違いないのですが、分野や状況によっては、楽天外のサービスのほうが安く済むこともあります。グループ内全てでサービスの質が高いというわけでもありません。
フィッシング詐欺に気をつけよう
問題の一つは、もしフィッシング詐欺によってIDが盗まれてしまった場合、被害が大きくなることが考えられます。実際に過去、楽天を装った偽メールに応じるままにIDとパスワードの入力を要求するものもあったようです。もちろん、このあたりは、ユーザーのリテラシーの問題でもあるとは思われます。しかし、さまざまなサービスを共通IDとパスワードで利用することのリスクの存在は否めません。一方、楽天もセキュリティにはかなり意識を持っていることも確かです。楽天銀行での取引はセキュリティの側面からログインするたびにスマホで認証をとる二段階認証を推奨したり、楽天カードでは多くの場合、利用してしばらく経つと利用確認メールが送られてきたりします。もちろん、楽天のサービスに限らず、こういった、セキュリティに対する意識も利用者はしっかり持っておかなければなりません。
<参考サイト>
・1分で分かる楽天エコシステム(経済圏) │楽天Marketing Platform navi
https://adsales.rakuten.co.jp/business/rakuten/
・楽天から不正ログインされたというメールが届いた|INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/dlis/1133705.html
・1分で分かる楽天エコシステム(経済圏) │楽天Marketing Platform navi
https://adsales.rakuten.co.jp/business/rakuten/
・楽天から不正ログインされたというメールが届いた|INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/dlis/1133705.html
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