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DATE/ 2019.10.07

アジアで人気のある日本の「コンテンツ」とは?

「アジアの日本好き」に向けて日本情報のコミュニティサイトを運営するFun Japan Communicationsから、アジア7か国を対象にした「好きな日本のコンテンツ・知っている日本のコンテンツ」調査・レポートが発表されました。調査は台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム・インドで同社が主宰する「FUN! JAPAN」のユーザーへのオンラインアンケートをまとめたもの。いったいどんな傾向が見えたでしょうか。

 アジア・ユーザーへの最初の質問は、「現在視聴している、または過去に視聴したことのあるコンテンツは?」。圧倒的多数の答えが「アニメ」で、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドの6か国でアニメが1位(タイだけはマンガが1位)という結果になりました。

 次の「今後見たい日本のコンテンツは?」の質問にも、ほとんどの国のユーザーが「アニメ」を希望するなか、台湾と香港では「ドラマ」が1位となっていたのが特徴。両国が日本に特別近い距離だからでしょうか。

 さらに「あなたが最も好きなコンテンツ」と「有名な日本のコンテンツ」の違いも気にかかりますね。各国別に傾向を見ていきましょう。

台湾の「アンナチュラル」、香港の「ロンバケ」人気。

 台湾では日本とほぼ同時に、一部の日本のドラマや映画の情報が流れ、有料チャンネルでテレビ放送されます。日本番組専門チャンネル「緯来日本台HD(http://japan.videoland.com.tw/)」は台湾人なら誰でも知っているということで、世界で一番日本に「近い国」という印象でしょうか。

 台湾ユーザーに聞いた「好きな日本のコンテンツ」は、1位「ONE PIECE」、2位「君の名は。」、3位「となりのトトロ」、4位「名探偵コナン」、5位「アンナチュラル」。

 一方「有名な日本のコンテンツ」は、1位「となりのトトロ」、2位「ドラえもん」、3位「ONE PIECE」」、4位「名探偵コナン」、5位「君の名は。」。

 子ども向けの定番が多いなか、石原さとみ主演「アンナチュラル」の健闘が光ります。主題歌だった米津玄師の「Lemon」も、みんな口ずさんでいたりするのでしょうか。

 香港でも、最大手のテレビ局(TVB・J2)が日本のドラマやアニメを放送するほか、香港地区専用の視聴ホームページやアプリがあり、放送内容を無料で見ることもできるといいます。

 香港ユーザーの「好きな」ベスト5は、1位「君の名は。」、2位「ドラゴンボール」、3位「ロングバケーション」、4位「ドラえもん」、5位「天空の城ラピュタ」。

 「有名な」日本のコンテンツは、1位「ドラえもん」、2位「ロングバケーション」、3位「となりのトトロ」、4位「天空の城ラピュタ」、5位「ドラゴンボール」。

 「ロンバケ」は1996年のキムタク&山口智子の主演ドラマ。今やNHK連続テレビ小説で元ダンサーというド派手な脇キャラを演じる彼女の純愛モード、日本の若者の中には知らない人もいるのでは?

タイでココリコ、インドでは「DEATH NOTE」

 経験のあるコンテンツとして、唯一「マンガ」が1「アニメ」を上回ったタイの「好きな日本のコンテンツ」第1位は、なんと「TVチャンピオン」(日本では1992年4月~2006年9月に放送)。以下、2位「名探偵コナン」、3位「ONE PIECE」、4位「ドキュメンタリー」、5位「ココリコ」と続きます。地上波テレビで「ココリコミラクルタイプ」と「ココリコミリオン家族」が2017年に放送されたうえ、ケーブルテレビでは「ココリコ黄金伝説」も放送(JETRO調べ)。

 「有名な」日本コンテンツでも、1位「ドラえもん」、2位「TVチャンピオン」、3位「名探偵コナン」、4位「ココリコ」、5位「ドラゴンボール」と独自の路線をランクインしています。

 マレーシアはどうでしょうか。「好きな」日本のコンテンツは、1位「ONE PIECE」、2位「名探偵コナン」、3位「NARUTO」、4位「ドラえもん」、5位「ドラゴンボール」。

 「有名な」日本のコンテンツは1位「ドラえもん」、2位「NARUTO」、3位「ONE PIECE」、4位「ウルトラマン」、5位「ドラゴンボール」。すべてアニメとなっているのは、テレビで毎週末3~4番組が吹き替え放送されているためでしょう。

 インドネシアでは少し様子が変わります。「好きな」日本のコンテンツは、1位「NARUTO」、2位「ONE PIECE」、3位「Nihongo mantappu」(Youtuber)、4位「名探偵コナン」、5位「ドラえもん」。

 「有名な」日本のコンテンツも、1位「NARUTO」、2位「ドラえもん」、3位「Nihongo mantappu」(Youtuber)、4位「名探偵コナン」、5位「ONE PIECE」と、Youtuberがランクインしているのです。 直訳すると「日本語最高」。現在はインドネシア奨学基金で日本に留学中のスラバヤ(インドネシア)出身男性、Jerome Polin Sijabatが配信するYoutubeです。チャンネル登録者は194万人、「コンニジワ!」の挨拶で始まった後は、すべてインドネシア語で日本の最新トレンドや街角情報を紹介。手作り感覚満載の番組に、若者の人気が集まっているようです。

 ベトナムでは、「好きな」日本のコンテンツは、1位「ドラえもん」、2位「名探偵コナン」、3位「千と千尋の神隠し」、4位「セーラームーン」。

 「有名な」日本のコンテンツは、1位「ドラえもん」、2位「名探偵コナン」。日本のアニメや映画は、オフィシャルに放送・放映されているものはほとんどなく、Youtubeでアップされているものを閲覧している人が多いとのことで、まだまだ日本は遠い国のようです。

 映画大国インドはどうでしょうか。「好きな」日本のコンテンツは、1位「NARUTO」、2位「ONE PIECE」、3位「DEATH NOTE」、4位「君の名は。」、5位「映画」。

 「有名な」日本のコンテンツは、1位「NARUTO」、2位「クレヨンしんちゃん」、3位「ドラえもん」、4位「ONE PIECE」、5位「DEATH NOTE」となりました。「DEATH NOTE」や「進撃の巨人(好き・8位)」のように少年誌の連載作品を好むのが、インド・ユーザーの特徴です。

大英博物館でマンガ展、FBでは連日オタク祭りも

 2019年5月から8月にかけては、イギリスの大英博物館で大規模なマンガ展「The Citi exhibition Manga」が開催され、話題を集めました。

 キービジュアルに用いられたのは野田サトルの漫画『ゴールデンカムイ』。明治後期の北海道を舞台に、日露戦争の帰還兵や脱獄囚が埋蔵金を探して死闘を繰り広げるサバイバルストーリーで、「週刊ヤングジャンプ」に連載中の作品。アイヌ文化を丁寧に描いたダイバーシティ感覚が評価されました。

 会場に展示された手塚治虫、鳥山明、尾田栄一郎らを始めとする多くのマンガの原画は、日本でも目にするのが難しいお宝ぞろい。ファンの多くはゲームやアニメからマンガの世界を知ることが多く、マンガというだけでやや高級感があるのですが、今回の展示ではマンガのさらなる源流として河鍋暁斎による歌舞伎の引き幕《新富座妖怪引幕》(1860)を展示。全長17メートルの迫力は、会場のハイライトとして異彩を放ちました。

 一方、フォロワー数2000万で連日Facebookを賑わせているのが「Tokyo Otaku Mode」。日本のポップカルチャーコンテンツを世界に紹介しつつ、フィギュアなどの正規グッズを世界100か国以上に届けています。Eコマース分野では、アマゾン、iTunesに次いで、世界第3位。ブランド分野でも、ルイ・ヴィトンに次ぐ世界第25位と堂々の評価。2019年秋に開業する渋谷PARCO内に初の実店舗をオープンするという情報が入っています。

 日本のポップカルチャーの実力、大人になっても楽しめるコンテンツの豊富さは、まだまだ世界を熱狂させる余地がありそうです。

<参考サイト>
・Fun JAPAN LAB:日本のどんなコンテンツが視聴されている?FUN! JAPANオンライン調査結果を発表
https://fj-com.co.jp/articles/blog/funjapanlab/1736/
・美術手帖:大英博物館はなぜ「マンガ展」を開催したのか? キュレーターが語るその意義(2019/8/18)美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/20343
・4gamer.net:Tokyo Otaku Mode初のリアル店舗「渋谷PARCO」にオープン!
https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20190618012
(10MTV編集部)

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