社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
三日坊主はどうすれば克服できるのか?
健康のために毎日ジョギングをしよう。英会話のクラスに通ってスキルアップしよう。「よりよい自分」になるための目標をたて、そして三日坊主で挫折してしまう。こんな経験を持っている、いえ、繰り返している人も多いでしょう。
この悩ましくて身近な三日坊主問題はどう解決できるのか。そのヒントになりそうなのが、「行動分析学」です。行動分析学というのは心理学の一領域ですが、一般的な心理学とは異なり、人の行動の理由を「あの人はせっかちだから」「私には知識がないから」などと、心や性格、能力などで説明しません。人の行動と環境の関係性で考えてみようという学問なのです。
ここでは、三日坊主という問題を、行動分析学の観点から「目標を立てても長続きしない、達成できない」という行動とその背景となる環境の関係性から見てみます。
その1つは名づけて「ちりも積もれば山となる型」。これはいわば、毎日の行動の積み重ねが長期的な結果につながるタイプのことです。たとえば、健康のために毎日ジョギングをしよう。仕事のスキルアップのためにも英会話レッスンに通おう、と決心したのもどこへやら、続かなくなってしまったというのがこれに当たります。これらの行動の成果は、1回運動したから、1回練習したからといってすぐに現れるものではありません。毎日の行動がある程度の期間積み重なって初めて、本人がその成果を実感することができます。
もう1つは「天災は忘れた頃にやってくる型」です。たとえば、万一のパソコンのアクシデントに備えて、データバックアップはこまめに行おう、地震や台風などの防災対策は常日頃から心がけておこう、とアタマでは分かっていても、実際にパソコンがクラッシュしたり、大災害に遭遇するといった確率は低いため、ついつい常日頃の備えの行動はおろそかになってしまいます。
1つ目が、行動を記録に残し、かつその行動にほうびを与えるというもの。俗に言う「自分にごほうび」です。ちゃんとできたことを記録し、「1時間勉強したら10分コーヒーブレイク」といった簡単なほうびを与えることで、次の行動強化を促します。
2つ目が、行動を起こしやすい環境をつくること。行動分析学的には「行動コストを下げる」と言います。たとえば、教材は本棚にしまいこまない。いつでも開けるように手元に置く。当の島宗氏は興味を持って始めたウクレレの練習が進まないため、まず環境を見直しました。そして、ケースに入れて戸棚にしまっていたウクレレを、ケースから出してすぐそばに置くことで、気軽にいつでも練習できるようにしたと言います。また、これは作家の井上ひさし氏の話ですが、資料の読み込みに必要な本はいつでも読めるようにばらばらにして、手軽な形で持ち歩いていたとか。これも自ら環境を工夫した好例といえるのではないでしょうか。
要は、行動そのものではなく環境を行動が継続しやすくするように変えるのがポイントだということです。
三日坊主というのは、目標を達成できないというデメリットもさることながら、「また、挫折してしまった。なんて自分はだめなんだ」と自己嫌悪に陥ってしまう、という負の面も抱えています。そのうち「どうせ三日坊主で終わってしまうから」と何もやる気をなくしてしまうといった事態も招きかねません。そうなる前に、環境との関係で行動を変える行動分析学の考え方を取り入れてみてはどうでしょうか。
この悩ましくて身近な三日坊主問題はどう解決できるのか。そのヒントになりそうなのが、「行動分析学」です。行動分析学というのは心理学の一領域ですが、一般的な心理学とは異なり、人の行動の理由を「あの人はせっかちだから」「私には知識がないから」などと、心や性格、能力などで説明しません。人の行動と環境の関係性で考えてみようという学問なのです。
ここでは、三日坊主という問題を、行動分析学の観点から「目標を立てても長続きしない、達成できない」という行動とその背景となる環境の関係性から見てみます。
なぜ三日坊主になってしまうのか
まず、三日坊主になってしまう要因を分析すると2つの型が見えてくる、と行動分析学の研究者島宗理氏は言います。その1つは名づけて「ちりも積もれば山となる型」。これはいわば、毎日の行動の積み重ねが長期的な結果につながるタイプのことです。たとえば、健康のために毎日ジョギングをしよう。仕事のスキルアップのためにも英会話レッスンに通おう、と決心したのもどこへやら、続かなくなってしまったというのがこれに当たります。これらの行動の成果は、1回運動したから、1回練習したからといってすぐに現れるものではありません。毎日の行動がある程度の期間積み重なって初めて、本人がその成果を実感することができます。
もう1つは「天災は忘れた頃にやってくる型」です。たとえば、万一のパソコンのアクシデントに備えて、データバックアップはこまめに行おう、地震や台風などの防災対策は常日頃から心がけておこう、とアタマでは分かっていても、実際にパソコンがクラッシュしたり、大災害に遭遇するといった確率は低いため、ついつい常日頃の備えの行動はおろそかになってしまいます。
どうしたら三日坊主から脱却できるのか
では、どうしたら「やろうと思ったのに続かない」という三日坊主から脱却できるのでしょうか。島宗氏は、行動と環境の関係性から導き出す2つの方法を提案します。1つ目が、行動を記録に残し、かつその行動にほうびを与えるというもの。俗に言う「自分にごほうび」です。ちゃんとできたことを記録し、「1時間勉強したら10分コーヒーブレイク」といった簡単なほうびを与えることで、次の行動強化を促します。
2つ目が、行動を起こしやすい環境をつくること。行動分析学的には「行動コストを下げる」と言います。たとえば、教材は本棚にしまいこまない。いつでも開けるように手元に置く。当の島宗氏は興味を持って始めたウクレレの練習が進まないため、まず環境を見直しました。そして、ケースに入れて戸棚にしまっていたウクレレを、ケースから出してすぐそばに置くことで、気軽にいつでも練習できるようにしたと言います。また、これは作家の井上ひさし氏の話ですが、資料の読み込みに必要な本はいつでも読めるようにばらばらにして、手軽な形で持ち歩いていたとか。これも自ら環境を工夫した好例といえるのではないでしょうか。
要は、行動そのものではなく環境を行動が継続しやすくするように変えるのがポイントだということです。
三日坊主というのは、目標を達成できないというデメリットもさることながら、「また、挫折してしまった。なんて自分はだめなんだ」と自己嫌悪に陥ってしまう、という負の面も抱えています。そのうち「どうせ三日坊主で終わってしまうから」と何もやる気をなくしてしまうといった事態も招きかねません。そうなる前に、環境との関係で行動を変える行動分析学の考え方を取り入れてみてはどうでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候
古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る
いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新
前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ
大谷翔平の育て方・育ち方(5)栗山監督の言葉と二刀流への挑戦
高校を卒業した大谷翔平選手には、選手としての可能性を評価してくれた人、そのための方策を本気で考えてくれた人がいた。それは、ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウト小島圭市氏と、元日本ハムファイターズ監督で前WBC...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/31
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29