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DATE/ 2019.11.13

日本の社長の「出身大学」で最も多いのは?

 現代はさまざまな働き方を模索する時代ということもあり、独立や起業への意識も高まっているようです。では現在、実際に社長として活躍している人たちはどういった人たちなのでしょうか。今回は社長の出身大学という観点から見てみましょう。ここでは東京商工サーチによる、2019年「全国社長の出身大学調査」をもとにします。

社長輩出大学トップは日本大学

 社長の出身大学トップは日本大学で2万1581人、調査開始以来9年連続のトップとなっています。2位は慶應義塾大学で1万650人、3位早稲田大学1万441人となっています。以下、トップ10までのランキングです。

1位 日本大学:21,581人
2位 慶應義塾大学:10,650人
3位 早稲田大学:10,441人
4位 明治大学:8,525人
5位 中央大学:7,807人
6位 法政大学:6,296人
7位 近畿大学:5,893人
8位 東海大学:5,755人
9位 同志社大学:4,967人
10位 東京大学:3,953人

 傾向としては、東京の大規模私立大学が多いという点が言えるでしょうか。国公立では、10位に東京大学が入っています。この他の国公立大学では、21位に京都大学、22位大阪大学、23位北海道大学、27位九州大学、29位東北大学、と旧帝大系の大学が続くようです。

圧倒的な規模の日本大学

 日本大学出身の社長数は、2位慶應義塾大学のおよそ2倍という圧倒的な数です。そもそも日本大学の学生数は2019年5月時点で6万7,353人(学部生のみ、通信制の学生を除く)と、かなり多いです。規模の大きな大学は、もちろん卒業生も大変多く、さまざまな業界に人材を輩出します。さらに歴史も古いので、横や縦のつながりもかなり広く、さまざまな分野の人脈が得られると言えるでしょう。

 また、慶應義塾大学の学生数は2万8,643人、早稲田大学は3万9,573人となっています。ここで上位に上がっている大学は、ほかもだいたい同じ3万人程度と考えていいようです。学生数では早稲田より少ない慶應義塾大学ですが、OBやOGで作られる「三田会」が有名です。この点は、他の大学よりも縦のつながりがより強く保たれているのかも知れません。

東日本では日大、西日本は地元優先

 東日本では21都道県中、17都県で日本大学が首位でした。一方、西日本(北陸以西)で日大がトップなのは、香川県、高知県、宮崎県の3県のみです。それ以外の23府県では、地元や域内の大学が上位を占めています。この点について東京商工リサーチでは、東日本の「中央」志向に対して、西日本の「地元」優先が浮き彫りになった、と分析しています。

 また、帝国データバンクの調査によると、上場企業社長の出身大学では、1位が慶應義塾大学(264人)、2位早稲田大学(187人)、3位東京大学(175人)、4位京都大学(80人)、5位日本大学(77人)という結果に。また年代別に見ると、40代以降のトップはいずれも日本大学ですが、40歳未満のトップは慶應義塾大学となっています。また全国の女性社長比率は7.9%ですが、その出身大学トップは2年連続で慶應義塾大学という結果もあります。

<参考サイト>
・2019年「全国社長の出身大学」調査│東京商工リサーチ
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20191024_01.html
・在籍学生数-学部・通信教育部|日本大学
https://www.nihon-u.ac.jp/disclosur/data/students_undergraduate/
・2019年度学生数・生徒数|早稲田大学
https://waseda.app.box.com/s/09lgvihjqzgrul2vdkiblogp96l6mn2j
・慶應義塾大学 学生数|慶應義塾大学
https://www.keio.ac.jp/ja/about/assets/data/2019-university.pdf
・社長の出身大学、日本大学がトップ|帝国データバンク
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190706.pdf
・全国・女性社長分析(2019年)|帝国データバンク
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p190605.html
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