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DATE/ 2015.05.25

女性は更年期で「肉体的にも精神的にも」チェンジする?


 順天堂大学医学部教授・堀江重郎氏によると、女性の更年期は「人生をチェンジする時期」だと捉えられるという。もちろんこの場合のチェンジは肯定的な意味だ。更年期というと、不定愁訴やうつ気味になるなどマイナスのイメージも多いが、堀江氏がいう「チェンジ」とは一体どういう意味だろうか?

女性の体内の男性ホルモンが鍵?

 女性らしい体つきや行動、生殖能力に関係する女性ホルモン「エストロゲン」。最近では美容にも関係するとも言われているので、耳にしたことのある人も多いだろう。このホルモンと対をなす男性ホルモンの代表が「テストステロン」だ。実は、このテストステロン、女性の体内にもある。しかも、なんとその量はエストロゲンの10倍にも及ぶのだ!


テストステロンはやる気ホルモン

 このテストステロンだが、男性の体つきや性機能を形つくる生理的作用だけではなく、社会的な作用も大きい。例えば、テストステロンは次のような効果がある。

・新しいことにチャレンジする意欲、やる気を増す
・社会的に公平・公正な考え方を持ちやすくなる

上記のふたつの作用が示すのは、社会的な積極性だ。テストステロンは、外に向けて打って出るという「やる気」に大きく関係するのだ。

閉経後はテストステロンが増加する!

 テストステロンの方が多いとは言え、女性の体は子どもを産み育てるため、このエストロゲンの周期にしたがっていた。しかし、閉経前後からエストロゲンは減少し始める。閉経とエストロゲンの減少による体の変化にともなう様々な不調がいわゆる更年期障害なのだが、閉経後、不思議なことにテストステロンは増加していくのだ!

閉経後、女性は男性よりも社会的に積極的に?

 エストロゲンが減少して、テストステロンが増加した閉経後の女性は、より社会的な活動を行ったり、仲間と一緒に旅に出たり、何か皆で新しいことを始めたりと、活動するようになる。

 一方、同世代の男性は逆に加齢にともないテストステロンが減っていく傾向にある。男性更年期障害はこのテストステロンの減少によって起こるもので、全く良いことはないのだが、女性の場合は新しい別の人生が始まったと言える。まさに更年期は「チェンジ」し、新しい人生が始まる時期なのだ。

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