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DATE/ 2020.02.11

「ゲーム依存」日常生活への影響は?

 2020年1月、香川県が子どものネット・ゲーム依存を防ぐために検討を進めている条例案が話題になりました。内容についてはSNSでの議論を呼んでいますが、その発端となったのは、世界保健機関WHOが2019年5月に「ゲーム障害」を正式な疾病として認めたことによります。

国内の初の実態調査

 子どもの学力や体力の低下、睡眠障害や視力障害のみならず、引きこもりといったメンタルにも影響するのではないかと指摘されている、インターネットやコンピュータゲームの過剰な利用。WHOの「国際疾病分類」に加えられた「ゲーム障害(Gaming disorder)」をふまえて、国内の実態を把握するために厚生労働省は、依存症の専門治療を行う国立病院機構久里浜医療センターに調査を委託しました。

 今回の調査は、全国の10~19歳の男女9000人を対象に実施されました。問題が生じている割合は、全体的にゲーム時間が長くなるほど高く、2時間をボーダーとして、大きく増えた項目が複数あり、「趣味や友達に会うなど大切な活動への興味が著しく下がった」と答えたのは6.8%で、4時間以上ゲームをする人では20%超。「ゲームによって学業や仕事に悪影響が出ても続けた」人は5.7%。これも時間が長くなるほど割合が高くなり「6時間以上」では24.8%でした。さらに、10.9%の人が「ゲームのために腰痛や目の痛みなど体の問題が起きてもやめられなかった」ほか、7.6%は「睡眠障害や不安など心の問題が起きてもゲームを続けた」と回答しています。

ゲーム障害とその背景

 ゲームをする時間や頻度をコントロールできない、日常行動よりゲームを優先させる、問題が起きてもゲームを続けるという状態が12カ月以上続き、日常生活に重大な支障が現れる場合、ゲーム障害と診断されます。その多くは10代の男子が多いと、2014年にネット・スマホ依存症の専門外来を開設した神経精神科の片上素久医師は指摘します。

 これまでもコンピュータゲームの問題は指摘されてきましたが、依存症まで深刻化した背景はいくつか考えられます。

 これまでのゲームは専用機で1人で遊ぶものが多く、ゲームオーバーとなるエンディング・ゴールがあり、なおかつ飽きることでゲームを離脱することができました。誰もが所持するスマホをベースにオンラインでソーシャルな環境で遊ぶゲームは、ガチャなど射幸性による煽り、バージョンアップによって新たな刺激が投入され、ユーザーに支持される限り終わりがない構造になっています。ネットワーク上で誰かとつながってチームで協力する形式は、ゲームに熱中させコンテンツからの離脱を阻みます。

 依存させるのは、ゲーム・コンテンツばかりではありません。子どもたちのおかれている社会環境にもあるのです。学校のフォロー不足から勉強や部活動での成績不振、いじめ問題や友だち関係の不和、親の過度の期待などからの逃避先としてのゲームがあるのです。勉強が将来何の役に立つのか理解できず、すぐには成果が得られないのに対してゲームの結果は早く明快です。協力型のソーシャルゲームにおいては、自身のパフォーマンスの成果を体感しやすく、さらにチームに貢献すれば、仲間からリスペクトされるという承認欲求を満たすこともできるのです。

社会的な解決を

 子どもたちのゲーム障害症例について、「人間の成長にとってとても大事な時機を失わないよう、早期に心療内科や精神科などを受診してください」と前述の片上医師は呼び掛けています。

 ゲーム障害の治療では、カウンセリング、認知行動療法、服薬など、治療は長期にわたるケースが多いと聞きます。こうした対処療法も併用しつつも、依存させないような、子どもたちをとりまく環境を作り出すことが先決です。鍵は、他者と自分それぞれの承認欲求に応えられるような社会におけるレベルデザインの実現ではないでしょうか。

<参考サイト>
・東京新聞 TOKYO Web:
「長時間ゲーム 生活悪影響」若者の3割が1日2時間超・時事メディカル:社会生活に支障?ゲーム障害 現実逃避が背景に
https://medical.jiji.com/topics/1488
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