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DATE/ 2020.02.15

最新家電でどれぐらいの電気代が節約できる?

 気が付いたらこの冷蔵庫、何十年使っているんだろう?エアコンは家に住み始めてからずっと同じものを使っている。壊れたわけでもないし、最新版を買うのももったいないかな――。そんな家電が思い当たる人は少なくないと思いますが、もしかしたら買い替えた方がお得かもしれませんよ。なぜなら省エネ性能が昔に比べると格段に進化しているからです。

エアコンは6年程度で元が取れる?

 環境省のサイト「しんきゅうさん」では簡単に電気代の比較をすることができます。例えば20年前に購入した500リットル程度の冷蔵庫を使っているご家庭が買い替えをするとしましょう。同程度の大きさの2018年モデルや2019年モデルへ買い替えると、年間で電気代が1万円以上の節約になるのです。具体的な商品名を出すと、パナソニックのNR-F504GV-N(価格コムで最安値16万円強)に買い替えると16470~18900円の節約になる、と「しんきゅうさん」が試算してくれました。8年~10年ほどで元が取れることになります。

 続いてエアコンで比較してみましょう。冷蔵庫と同じく20年前に購入したとし、リビング向けに11~17畳用、しかも新旧ともに三菱電機製品(新規購入はMSZ-ZW4019S。価格コムで最安値は11万円強)と入力してみました。すると、年間の電気代は17880円節約できることになるため、冷蔵庫より短く約6年で元が取れます。この試算はおおまかな条件設定のもと出されたものなので、居住地域や暖房、冷房をそれぞれ何時間使うか、住戸形態や部屋の向きなど細かい条件を入れてより精度の高い節約額を見ることもできます。試しに寒冷地で暖房を長時間使う設定にしてみたら、年間の節約額は3万円を超えました。

 もちろんただ単に電気代が安くなるだけではなく、最新版の家電ならではの新機能も使えるわけです。初期費用こそかかってしまうものの、「買い替えはもったいない」ではなく、「買い替えないのはもったいない」と言っても過言ではないかもしれません。とはいえ、壊れていないものを買い替えるのもなかなか踏ん切りがつかないもの。2019年10月のように消費増税があればその前に駆け込む、というのも選択肢としてあったのでしょうが、そうそうよくあることではありません。消費増税がよくあったら困ってしまいますよね。

各家電が安くなりやすい時期はいつ?

 そのような大きな節目を除けば、値段が安くなりやすい時期を狙うのがおすすめです。「安くなりやすい時期」のポイントは2つ。1つ目はどの家電にも共通して言えるのですが、年末年始のセールや3月の決算時期を狙うこと。もう1つは、ジャンルによって異なってくるのですが、新商品入れ替えの時期を狙うこと。型落ちの製品がグッと安くなります。ドレカウの記事「家電の安い時期っていつ?買い時の解説 」によると、冷蔵庫は9月、縦型洗濯機は6~8月、ドラム式洗濯機は8~10月、エアコンは10~11月、テレビは7~9月とのこと。よっぽど画期的な新商品でもない限り、最新の家電と1年前の旧式の家電で省エネ性能が大幅に変わることはそれほど多くはありません。優先度の高い機能が新商品にしか付いていない!などの事情がない限り、旧式を買ったほうがコスパが良いケースが多いと言えます。

 記事冒頭に挙げた「しんきゅうさん」は例として出した冷蔵庫、エアコン以外にもテレビ、温水洗浄便座、照明器具などの新旧比較ができるほか、省エネランキングも参照できます。省庁がこうした便利なサイトを作っていたのはちょっと意外ですが、民間企業のサイトだと広告の兼ね合いもあるのでフラットに評価するのは難しいのかもしれないですね。今後家電の買い替えを検討する際にはぜひチェックしてみてください。

<参考サイト>
・省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/
・価格.com - 「買ってよかった」をすべてのひとに。
https://kakaku.com/
・家電の安い時期っていつ?買い時の解説 | dorekau ドレカウ
https://dorekau.com/6915
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西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授