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今やライブ配信では当たり前の「投げ銭」とは?
外出自粛の日々、インターネットで動画を見て過ごした人も多いのではないでしょうか。特にYouTubeでいま特にアツいのは「投げ銭」とライブ配信の組み合わせです。たとえば、YouTube LiveでいうとSuper Chat と Super Stickersが有名です。ライブイベントの多くが開催できない状況を受けて盛り上がっているようです。ここではこの新しいビジネスを少し詳しく見てみましょう。
ここまでの金額に達するのはさすがに外出自粛の今ならではかもしれませんが、新しい消費の形が生まれていると言ってもいいでしょう。仕組みとしては路上ライブと同じですが、ネットという空間の広大さを思えば、可能性は無限と言ってもいいでしょう。これはかなり目立った例ではありますが、投げ銭による「応援文化」は個人レベルの配信でも広がってきているようです。
「投げ銭」できる金額は、視聴者1アカウントあたり最低100円から1日最高5万円までとなっています。またYouTubeには他にもSuper Stickersという機能もあります。これはチャット内に「有料で」スタンプやステッカーを投稿するもの。さらにYouTube以外にもこういったサービスは広がりつつあります。Amazon傘下でゲームの実況配信やe-Sportsに関連した配信が主なTwitch、同じくゲームメインではサイバーエージェント傘下のOPENRECというものもあります。
投げ銭をすることで、ユーザーは画面の向こう側からリアルタイムに応援して反応を得ることができます。現在までにさまざまな遠隔・同時通信ツールが発達してきました。この結果、画面の中の世界と自分が生で容易につながることができるようになってきました。このツールにビジネスチャンスを見出すものが「投げ銭」システムだと考えていいのではないでしょうか。
副業解禁など、時代の流れとしては働き方や稼ぎ方が多様化してきています。加えて今回の事態によって、過去と同じように雇用が維持されるのか、視界は良好とは言えない状況です。この先、個人の力で稼ぐという時代は加速するかもしれません。こうした需要に応じて、個人で稼ぐためのツールは今後も増えていくのではないでしょうか。
「スパチャ1億」トレンド入り
4人組のゲーム実況&音楽ユニット、M.S.S Projectは、新型コロナウイルスの影響で2月27日から3月4日に予定していた5つの公演を断念し、3月4日の午後7時から無観客の生配信ライブを行うと発表しました。このことでファンからツアー中止による経済的な損失を心配する声が広がり、YouTubeでは応援コメントとスパチャが相次ぎます。ライブは7万人以上が視聴し、最終的に1億1000万円を超えるスパチャが集まりました。さらにライブ終了時にはTwitterのトレンド1位に「♯MSSP無観客ライブ生配信」、9位に「スパチャ1億」、12位に「スパチャ8000万」が入ったとのことです。ここまでの金額に達するのはさすがに外出自粛の今ならではかもしれませんが、新しい消費の形が生まれていると言ってもいいでしょう。仕組みとしては路上ライブと同じですが、ネットという空間の広大さを思えば、可能性は無限と言ってもいいでしょう。これはかなり目立った例ではありますが、投げ銭による「応援文化」は個人レベルの配信でも広がってきているようです。
もらえる金額は全体の50%から65%程度
YouTubeの解説によると、Super Chat(スパチャ)とはYouTube公式サイトでは「指定席料金を払って最前列に座るシステムをデジタル時代向けにアレンジしたようなもの」とされています。「投げ銭」の取り分については、公式サイトからはすぐには見あたりませんが、利用者のブログによると配信者側7割、YouTube側3割だそうです。ただし、実際にはここからさらにサービス料や手数料が引かれ、受取額はスパチャで集めた金額のおおよそ50%から65%程度とのこと。「投げ銭」できる金額は、視聴者1アカウントあたり最低100円から1日最高5万円までとなっています。またYouTubeには他にもSuper Stickersという機能もあります。これはチャット内に「有料で」スタンプやステッカーを投稿するもの。さらにYouTube以外にもこういったサービスは広がりつつあります。Amazon傘下でゲームの実況配信やe-Sportsに関連した配信が主なTwitch、同じくゲームメインではサイバーエージェント傘下のOPENRECというものもあります。
投げ銭をすることで、ユーザーは画面の向こう側からリアルタイムに応援して反応を得ることができます。現在までにさまざまな遠隔・同時通信ツールが発達してきました。この結果、画面の中の世界と自分が生で容易につながることができるようになってきました。このツールにビジネスチャンスを見出すものが「投げ銭」システムだと考えていいのではないでしょうか。
クリエイター支援も「投げ銭」で
ここまでは、配信動画に絞った「投げ銭」を見てきましたが、クリエイターを支援できる仕組みも少しずつ増えているようです。たとえば、プロからアマチュアまで総楽曲数1億曲を超えるストックがあるとされる音楽コミュニティSoundCloudではクリエイターのチャンネルにサポートボタンを追加しました。SoundCloudは基本的に無料で利用できるサービスですが、これによりイベントの中止などにより収入がなくなった音楽クリエイターに寄付ができるようになっています。また文章、写真、音楽などを創作して販売することができるnoteも以前から少し話題になっているところです。副業解禁など、時代の流れとしては働き方や稼ぎ方が多様化してきています。加えて今回の事態によって、過去と同じように雇用が維持されるのか、視界は良好とは言えない状況です。この先、個人の力で稼ぐという時代は加速するかもしれません。こうした需要に応じて、個人で稼ぐためのツールは今後も増えていくのではないでしょうか。
<参考サイト>
・新型コロナで公演中止のM.S.S Project、無観客ライブ配信にファンの“投げ銭”止まらず「スパチャ1億」トレンド入り|ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/05/news046.html
・Super Chat によるファンとの交流|YouTube Creater Academy
https://creatoracademy.youtube.com/page/lesson/superchat?hl=ja#strategies-zippy-link-3
・新型コロナで公演中止のM.S.S Project、無観客ライブ配信にファンの“投げ銭”止まらず「スパチャ1億」トレンド入り|ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/05/news046.html
・Super Chat によるファンとの交流|YouTube Creater Academy
https://creatoracademy.youtube.com/page/lesson/superchat?hl=ja#strategies-zippy-link-3
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