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DATE/ 2020.06.05

「巣ごもり消費」で売れたものとは?

 企業の業績が少しずつ明らかになってきました。世界的に見れば、すでにいくつかの航空会社が経営破綻しました。国内に目を向ければ、老舗アパレルのレナウン(東証1部)は5月15日に経営破綻し、ソフトバンクグループは1兆3千億円を越える過去最大の赤字を記録しています。今回のコロナ禍は近年に例をみないものであることは、疑いようがありません。移動と接触が絶たれた、いわゆる「巣ごもり」状態で、私たちの経済活動は停滞しています。しかし、世の中が完全に沈み込んでいるわけではなさそうです。「巣ごもり消費」業界はそれなりに賑わっています。

Yahooショッピングで売れたカテゴリ1位は、「ダイエット、健康」

 Yahoo!JAPANが提供するデータによると、2020年4月から5月のゴールデンウィーク明けの期間、前年度比率で取扱が伸びたランキングトップ10は以下の通り。数値は伸び率です。

1位 ダイエット、健康:4.01
2位 本、雑誌、コミック:2.02
3位 ゲーム、おもちゃ:1.68
4位 家電:1.68
5位 食品:1.61
6位 楽器、手芸、コレクション:1.59
7位 スマホ、タブレット、パソコン:1.54
8位 家具、インテリア:1.52
9位 キッチン、日用品、文具:1.49
10位 DVD、映像ソフト:1.47

 伸びているのはほぼ「巣ごもり消費」に関連する分野です。1位の「ダイエット・健康」は前年度比約4倍、2位の「本、雑誌、コミック」は2倍、3位の「ゲーム、おもちゃ」は1.7倍の伸びです。毎年のGWから大きく変化したことがわかります。ちなみに「ダイエット・健康」の分野で実際に売れているのは、マスクやハンドソープといった衛生日用品がほとんどとのこと。

パズルは7倍の売れ行き

 マスクやハンドソープが売れるのは、コロナ禍における必需品であることから考えて妥当だと言えるでしょう。では3位の「ゲーム、おもちゃ」の中で何が売れているのか、トップ5を見てみましょう。

1位 パズル:7.3
2位 ボードゲーム:6.1
3位 おもちゃ:2.5
4位 囲碁:2.4
5位 その他おもちゃ:2.1

 1位の「パズル」、2位の「ボードゲーム」はそれなりにまとまった時間がなければ楽しめないアイテムです。また、3位の「おもちゃ」カテゴリの内実は、「ブロック」と「バーチャルペット」が前年度比約3.7倍と伸びています。子供と過ごす家庭などでの需要が伸びていると言えるでしょう。長いお休みを家で過ごさなければならないとしたら、こういったアイテムが売れるのも納得です。他にも、家電では加湿器が13.9倍と大幅な伸びを示しています。逆に伸びなかったのは 「ファッション」カテゴリ。理由はいうまでもありませんが、特に伸びなかったのは、「パーティドレス」で実に前年同月比80.6%減。「セレモニースーツ」も45.0%減です。

「巣ごもり消費」7つの分類

 広告代理店エヌケービーは「自宅での消費活動や過ごし方」に関するアンケート(対象:全国の20歳代~70歳代(ミルトーク登録者)の男女101名)を行い、その結果をもとに「巣ごもり消費」を以下の7つのタイプ別消費に分類しています。カッコは実際の消費対象。

おうち時間充実型:「フードデリバリー」「動画配信サービス」
エクササイズでストレス発散型:「運動系ゲームソフト」「エクササイズDVD」
趣味に没頭エンジョイ型:「ゲーム」「読書
趣味&実益を兼ねた手作り型:「手芸」
自己投資・スキルアップ型:「オンライン講座」「本」
自分見つめ直し型:「フリマで不用品販売」
癒し・リラックス型:「アロマテラピー」「ハーブティ」「リラックス効果への消費」

フードデリバリーやサブスクリプションのビジネスモデルは急速に普及しています。とくにフードデリバリーのウーバーイーツは、隙間時間を使って手軽に始められることもあり拡大しているようです。また、飲食店の一時的な閉鎖により仕事がなくなったひとが始めるパターンもあるようです。ゲーム機やミシンはこれまでにない売れ方をしています。こういった分野は、一時的な特需なのかもしれません。しかし、これを機に私たちのライフスタイルが変化し、継続的な需要となる可能性も秘めています。こう考えると、いまはこれまでの価値が見直されたり、新たな価値が生まれ根を張りつつあるようなタイミングといえるのかもしれません。

<参考サイト>
・Yahoo!ショッピングから見える巣ごもり消費の動向|ヤフー・データソリューション
https://ds.yahoo.co.jp/report/20200514.html
・「この市場は10倍伸びる」 LINEが出前館に300億円を投じる狙い|日経ビジネス
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00128/042700007/
・アフターコロナの消費者像-「デジタル消費」の加速と、「所有より利用」の揺り戻しも|ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64265?site=nli
・「巣ごもり消費」の7つのタイプ、需要が高まる商品・サービスとは|Adver Times
https://www.advertimes.com/20200424/article313154/

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