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DATE/ 2024.05.24

優柔不断な人の特徴と改善方法は?

優柔不断の元祖とは?

 「優柔不断」とは、ぐずぐずしていてものごとをきっぱりと決められない様子を指します。たとえば買い物や食事に行ったとき、なかなか決断できず迷ってしまう人は、優柔不断といえるでしょう。慎重派といえますが、迷いすぎてチャンスを逃してしまうこともあるので、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 優柔不断の元祖は、古代中国の前漢王朝10代皇帝・元帝(げんてい)といわれます。元帝は人の正しい行いを説く儒教を好み、民衆に寛容な政治を行いました。しかし儒教の先生である儒家たちを重く用いたため、もとから仕えていた家臣たちとの対立が起き、政治を混乱させてしまったのです。元帝はその対立にきちんと決着をつけられなかったので、漢時代の歴史書『漢書』には「優游不断(ゆうゆうふだん)」と記されており、さらに後年の歴史書『宋書』で「優柔不断」と記されました。これが現代に使われている優柔不断の由来といわれます。

 皇帝の性格が優柔不断なら国を滅ぼす可能性もありますが、現代の個人が優柔不断であっても人生につまずいてしまう可能性はありますよね。そこで今回は、優柔不断な人の特徴と改善方法をご紹介しますので、お悩みの方は参考にしてください。

こんな言動の人は優柔不断の可能性が

 具体的に、次のような行動や考え方をしがちな方は、優柔不断の可能性が高いです。

 すぐ他人の意見をききたがる:自分ひとりで考えつくことには限りがあるので、他人の意見を参考にすること自体は悪いことではありません。しかし、最終的に決断するのは自分ですよね。つまり、他人の意見に頼っている限りは迷いに終わりはこないのです。アドバイスをもらっても結局はさらに迷うだけになり、協力してくれた人にまで迷惑をかけてしまうことになります。

 責任逃れをしたがる:自分で決断をしたことには、自分で責任を取らないといけませんよね。もし決断が間違っていたら、自分が謝罪や穴埋めをしなくてはなりません。それが怖くて自分では決断できず、他人任せになってしまいます。もとから重い決断をする意志が弱いので、マニュアルにない事例を決断するときにはどうすればいいのかわからなくなってしまうこともあります。

 自己肯定感が低い:「どうせ自分なんて……」と思いがちな人は、自分に自信がないので自分の考えにも不安があり、いつまでも決断を下せません。また、そんな自分を「お荷物」と感じているので他人に迷惑をかけたくないという思いが強く、他人に気を遣いすぎて迷ってしまうことも。自分という軸がぶれやすいのできっぱりと決めることができないのです。

 自分の意志が弱く、他人任せで安心してしまう人は優柔不断になりやすいといえるでしょう。

どうすれば優柔不断を改善できる?

 優柔不断を改善するには、自分の意志をはっきりさせて、周囲にそれを伝えることが必要です。そうはいっても突然できるようになるものでもありませんよね。そこで、次のように考え方の癖を変えて訓練し、最終的に決断を下せるようにステップを踏むとよいでしょう。

 ステップ1・完璧を求めず、後悔をしない:優柔不断で迷ってしまう背景には、失敗したくないという思いがありますが、さらには完璧な結果がほしいという思いも隠れています。しかし実際には完璧な結果が出ることなどほとんどありません。迷うくらいなら行動しようという気持ちで臨み、失敗しても後悔せずやり直せばいいという考え方に改めることが大切です。

 ステップ2・小さなことから即決する練習を繰り返す:優柔不断な人は決断する経験が少ないので、まずは小さなことから即決する経験を積んでください。たとえば食事に行ったときに、メニューを一通り見たらすぐ注文を決めるようにしてみましょう。慣れてくると得られた情報をまとめて自分に必要な部分だけ抜き出す力が養われ、だんだんと苦にならなくなります。

 ステップ3・断定的な言葉で自己主張する:優柔不断な人が使いがちな言葉が、「たぶん~」「~はず」のような推量、「でも~」「だって~」のような否定、「なんでもいい」「任せる」のような他人任せの部類です。このような言葉を使わずに、「~がいい」「~したい」と断定的な表現で自分の考えを主張しましょう。こうすることで、どの方向に舵を切って決断するかが明確になります。

 優柔不断は頼りなく見られてしまうもの。この3ステップを参考にして、信頼される人材にステップアップしてください。

<参考サイト>
・漢字カフェ 四字熟語根掘り葉掘り30:「優柔不断」ってだれのこと?
https://www.kanjicafe.jp/detail/8445.html
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授