テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2020.10.23

職場の「怒りっぽい」人の特徴と付き合い方

 怒りっぽい人といえば、誰しも接した経験があるのではないでしょうか。困ってしまうのは、職場での怒りっぽい人です。距離を置ければよいのですが、関係が濃厚となる上司や部下であるなら、その扱いには苦慮します。本コラムでは、このような職場における怒りっぽい人の特徴や処し方について考察します。

怒りと叱り

 怒りの対象がご自身であるなら、相手のみを怒りっぽいと非難することは公平ではありません。まずは、ご自身の非についての反省が必要になります。自分の間違いといった瑕疵が思い当たらずに、怒りをぶつけられつづけると、心身ともに疲弊します。「怒り」とキレやすさは、ともに自身の感情をコントロールできない人の特性とみることができます。注意しておきたいのが、その人のことを考えて、反省を促すための「怒り」である場合です。思慮や配慮のある「怒り」=「叱り」にはきちんと対応すべきことを念頭におきながら、怒りっぽい人の特徴を考察してみましょう

怒りやすい人の特徴

・執着心があり、支配欲が強い
・感情に左右されやすく、さらに感情の起伏が激しい
・自己顕示欲が強く、自身の正当性を疑わないプライドの高さ
・何事にも細かく神経質
・せっかち
・コンプレックスがあり小心者で臆病

 上述した特徴は、思い通りにならないイライラを誘発しやすい気性ということができます。すぐに怒って気分をおさめてくれればよいのですが、対応の仕方によっては怒りを増幅させる可能性があるのが恐ろしいところで、なおかつ、対処のヒントにもなっています。怒りの感情は、思い通りにならないことがその要因として想定できます。職場の上司の怒りは、思い通りにならない部下の行動や成果に向けられます。怒りの発露ともいうべき、大声や暴言・暴力は相手を竦ませる効果があり、怖い人間であることをアピールして、部下の恐怖心を煽って支配することを狙います。

上手な付き合い方

 怒りっぽい人のタイプにもよりますが、上手な応接の仕方や対処方法があります。

 怒り人の特徴からその心理を想像すると、思い通りにならないことから、「支配したい」「優位にたちたい」「自分が正しい」ことのアピールと捉えることができます。

 怒られた場合、感情を感情で返さずに、冷静になって、第三者視点で状況を分析しましょう。相手の思い通りにならなことの原因は何か、冷静になればその意味を考えることができます。避けるべきは、逆ギレや反論などです。

 例えば、プライドが高く、自身の考えに疑念のない上司には、TPOをわきまえて、何か話しているときには異論や反論があっても口を挟まずに聞き流すのが肝要です。聞き流す=話を聞いていないと誤解されないように適度な相づちを打つことも必要です。また、「○○さんの××なアイディアは我々部下からはでてこないものですが、~」というように、意見するときには、上司のプライドを損なわないよう配慮を欠かさないように。

 怒りっぽい人で小心者・臆病なタイプには、否定的な言葉を避け、肯定的な言葉と文脈になるように会話するのが上手な付き合い方になります。

 プライドに配慮したり、地雷を踏まないよう、気を遣う対処法にはエネルギーが必要です。怒りにさらされるとそれどころではないことも。そんな時には、気張らずに受け流しつつ、距離を置くようにしましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い

日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い

続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担

国民の税負担を増やすか、政府の財政支出を増やすか。前回の講義《日本人の「所得の謎」徹底分析》に続き、見解の分かれる日本の財政に関する議論を今一度整理し、見通しを与える当講義。まずは日本の財政と国民の負担の現在地...
収録日:2025/07/10
追加日:2025/09/17
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員 YODA LAB代表 金融・経済・歴史研究者
2

米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長

米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長

経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力

人が成長していくために重要な経験学習。その学習サイクルを適切に回していくためには、「経験から学ぶ力」が必要になる。ではそこにはどのような要素があるのか。ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントという3要素と、...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/17
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授
3

地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か

地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か

海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ

海底はどうやってできるのか。なぜ火山ができるのか。プレートが動くのは地球だけなのか。またそれはどうしてか。ではプレートは海底の動きの全てを説明できるのか。地球史規模の海底の動きについて、海底調査の実態から最新の...
収録日:2020/10/22
追加日:2021/05/02
沖野郷子
東京大学大気海洋研究所教授 理学博士
4

世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由

世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由

数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に

世界では「創造性がどれくらい大事か」という問題意識が今、急激に高まっている。創造性とは全ての人にあり、偏差値などでは絶対に計れない、まさに無限軸の創造性のこと。そうした創造性を育む学びが「STEAM教育」である。最終...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/09/18
中島さち子
ジャズピアニスト 数学研究者 STEAM 教育者 メディアアーティスト
5

外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか

外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか

外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い

外交とは国益を最大化しなければいけないのだが……。35年にもわたる外交官経験を持つ小原氏が8年がかりで書き上げた著書『外交とは何か 不戦不敗の要諦』(中公新書)。小原氏曰く、外交とは「つかみどころのないほど裾野が広い...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/09/05
小原雅博
東京大学名誉教授