社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ネガティブ思考から脱却する方法
ネガティブ思考も「思考」という「メンタル」(精神・心的・内的)である以上、「フィジカル」(物質的・身体的・有形)の影響を多いに受けています。
そこで、今回ネガティブ思考から脱却する方法をめぐる際も脳科学の視野に立ち、「身体が先で、思考は後」つまり「身体で感じた後に、脳は考えている」を大前提に、3つの方法を紹介したいと思います。
脳科学の観点からみると、人は「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しくなる」といわれています。つまり、笑顔と楽しさの因果関係は、「笑顔が先で楽しさは後」といえます。
そして、より楽しくなったりストレスを減らせたりできる笑顔、つまりネガティブ思考から脱却するための笑顔は、単に口角を上げるだけではなく、歯が見えるくらい口を大きく開き、顔全体で笑うような、いわゆる“大きな笑顔”といわれています。
具体的には、ストロー・箸・ペンのような細長い棒状の物を横向きにくわえ、口が「イイー」となるように30秒ほど噛んでみてください。棒状の噛む物がない場合、自分の指を甘噛みしたり“噛んでいる振り”をしたりして感覚をつかんでみるのも結構です。
人によってネガティブ思考を誘発するモノやコトは違いますが、ネガティブ思考から脱却するためには、まずはとにかくネガティブなモノやコトの原因を遠ざけ、悪循環・負のスパイラル・ネガティブループに陥らないようにしてみてください。
しかし、自身の感覚が麻痺してしまい、具体的にネガティブ思考に繋がっているモノやコトが思いつかない場合もあるかもしれません。その場合は思い切って、今の状況から物理的に距離をとるようにしてみてください。
青空を見上げて姿勢を正す、香ばしいコーヒーを飲む、ふわふわの仔猫を抱く、季節の花を探してみる、工芸品のような詩集を手に取る、あたたかい紅茶を淹れる、お気に入りの香水を一振りする、ただ笑えるマンガを読む、顔を洗ってさっぱりする、ほろりと甘いお菓子をほおばる、部屋に飾りたくなるような絵を観る、きめ細かい泡のビールを飲む、約38度の温水で手浴を試みる――。
あなたのポジティブ感情を刺激してくれるモノやコトはなんですか?あなたにとっての特別なモノやコトで五感を刺激し、ダイレクトに身体にポジティブな影響を与えてみてください。
しかしネガティブ思考に陥っているときは、ネガティブ思考から脱却する方法を試みることすら難しい場合もあると思います。そんなときは、「むしろ“選んで”ネガティブ思考から脱却していない!」くらいの気持ちで“「自己決定」感覚を自分に体験”させてあげてください。
客観的にみればネガティブな行動であっても、たとえば当人が「よりネガティブな思考にならないために“チョイスした”ベターなネガティブ思考」であれば、長期的にみればネガティブ思考からの脱却につながることもあり得ます。
ただしあくまでも多くの人にとって、メンタルのみで思考を変えるよりも、脳や身体のフィジカルな反応を利用して思考に変化をもたらす方が、より簡単です。
ぜひあなたのよりよい思考のために、大いにフィジカルの反応を利用し、そのうえでもたらされるメンタルがもたらす力をも活用してみてほしいと思います。
大前提は「身体が先で、思考は後」
トートロジーではありませんが、メンタル的な悩みをメンタル面だけで解決するためには相当のメンタル力が必要です。そのため、メンタル面の解決には、フィジカル面を利用および活用する方が容易となります。そこで、今回ネガティブ思考から脱却する方法をめぐる際も脳科学の視野に立ち、「身体が先で、思考は後」つまり「身体で感じた後に、脳は考えている」を大前提に、3つの方法を紹介したいと思います。
その1・「笑顔」をつくる
ネガティブ思考から脱却するために、最初に試してほしい簡便かつ汎用的な身体への取り組み方法は、“「笑顔」をつくる”ことです。脳科学の観点からみると、人は「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しくなる」といわれています。つまり、笑顔と楽しさの因果関係は、「笑顔が先で楽しさは後」といえます。
そして、より楽しくなったりストレスを減らせたりできる笑顔、つまりネガティブ思考から脱却するための笑顔は、単に口角を上げるだけではなく、歯が見えるくらい口を大きく開き、顔全体で笑うような、いわゆる“大きな笑顔”といわれています。
具体的には、ストロー・箸・ペンのような細長い棒状の物を横向きにくわえ、口が「イイー」となるように30秒ほど噛んでみてください。棒状の噛む物がない場合、自分の指を甘噛みしたり“噛んでいる振り”をしたりして感覚をつかんでみるのも結構です。
その2・ネガティブなモノやコトから離れる
ネガティブ思考に陥っている人は、ネガティブな情報にとらわれやすく、また自分に関するネガティブな情報を強化する傾向もあります。人によってネガティブ思考を誘発するモノやコトは違いますが、ネガティブ思考から脱却するためには、まずはとにかくネガティブなモノやコトの原因を遠ざけ、悪循環・負のスパイラル・ネガティブループに陥らないようにしてみてください。
しかし、自身の感覚が麻痺してしまい、具体的にネガティブ思考に繋がっているモノやコトが思いつかない場合もあるかもしれません。その場合は思い切って、今の状況から物理的に距離をとるようにしてみてください。
その3・ポジティブなモノやコトにふれる
ネガティブなモノやコトの原因から離れることができたら、次はぜひ、ポジティブ感情が刺激されるモノやコトにふれてみてほしいと思います。青空を見上げて姿勢を正す、香ばしいコーヒーを飲む、ふわふわの仔猫を抱く、季節の花を探してみる、工芸品のような詩集を手に取る、あたたかい紅茶を淹れる、お気に入りの香水を一振りする、ただ笑えるマンガを読む、顔を洗ってさっぱりする、ほろりと甘いお菓子をほおばる、部屋に飾りたくなるような絵を観る、きめ細かい泡のビールを飲む、約38度の温水で手浴を試みる――。
あなたのポジティブ感情を刺激してくれるモノやコトはなんですか?あなたにとっての特別なモノやコトで五感を刺激し、ダイレクトに身体にポジティブな影響を与えてみてください。
締めは「自己決定」体験
「自己決定」もしくは「自己選択」は、幸福度やポジティブ思考に大きな影響を与えています。人の持つ“「自己決定」の力”は侮れません。ネガティブ思考から脱却するためには、まずはその1~その3のどれかまたはすべてを、ぜひ「自らの意思で選択して実行」してみてください。しかしネガティブ思考に陥っているときは、ネガティブ思考から脱却する方法を試みることすら難しい場合もあると思います。そんなときは、「むしろ“選んで”ネガティブ思考から脱却していない!」くらいの気持ちで“「自己決定」感覚を自分に体験”させてあげてください。
客観的にみればネガティブな行動であっても、たとえば当人が「よりネガティブな思考にならないために“チョイスした”ベターなネガティブ思考」であれば、長期的にみればネガティブ思考からの脱却につながることもあり得ます。
ただしあくまでも多くの人にとって、メンタルのみで思考を変えるよりも、脳や身体のフィジカルな反応を利用して思考に変化をもたらす方が、より簡単です。
ぜひあなたのよりよい思考のために、大いにフィジカルの反応を利用し、そのうえでもたらされるメンタルがもたらす力をも活用してみてほしいと思います。
<参考文献・参考サイト>
・『科学的に元気になる方法集めました』(堀田秀吾著、文響社)
・『このことわざ、科学的に立証されているんです』(堀田秀吾著、主婦と生活社)
・池谷裕二が指南!やる気が出る「脳」のだまし方
https://president.jp/articles/-/2325?page=1
・ほぼ日刊イトイ新聞-脳の気持ちになって考えてみてください
https://www.1101.com/ikegaya2010/
・『科学的に元気になる方法集めました』(堀田秀吾著、文響社)
・『このことわざ、科学的に立証されているんです』(堀田秀吾著、主婦と生活社)
・池谷裕二が指南!やる気が出る「脳」のだまし方
https://president.jp/articles/-/2325?page=1
・ほぼ日刊イトイ新聞-脳の気持ちになって考えてみてください
https://www.1101.com/ikegaya2010/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌
「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢
律令国家は中国の先進性に倣おうと始まったといわれるが、実際はどうだろうか。当時の日本は白村江の戦いの後、唐と新羅が日本に攻め込むのではないかという危機感から「防人」という徴兵制をつくった。徴兵には戸籍を充実させ...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/25
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言
洋上や太陽光を活用した発電の素地がありながらその普及が遅れている日本。その遅れにはどのような要因があるのだろうか。最終話では、送電網の強化など喫緊の課題を取り上げるとともに、エネルギー政策を根本的に変換させる必...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/08/24
同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性
トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス
社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23