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DATE/ 2021.01.28

タンクレストイレのメリット・デメリット

 「タンクレストイレ」という新しいトイレの形、ご存じでしょうか。タンクレストイレとは文字通り、通常便座の後ろ側にある水を溜めるタンクがないタイプのトイレのこと。新しい商業施設やホテルでも見かけるようになってきています。昨今は個人の住宅でも、タンクレストイレを選ぶ人が増えてきているのだとか。

 ではタンクレストイレには、どんな特徴があるのでしょうか。また、通常のタンク型のトイレとの違いはどこにあるのでしょうか。今回、タンクレスであることのメリット・デメリットについて、そして実際に設置する時の費用などを調べてみました。

タンクレストイレの特徴

 タンク型のトイレの場合、一度水道の水をタンクに溜めておき、その水で便器を洗浄します。いっぽうタンクレストイレは水道直結となっており、水を栓から直接流す仕組みとなっています。

 またタンクレストイレは便座と便器が一体型となっており、ウォシュレットが標準装備されているのも特徴です。

タンクレストイレのメリット

【1】オシャレでムダのない見た目
 タンクレストイレの最も大きな特徴は、そのコンパクトな見た目でしょう。タンクがないぶん奥行きが少なく、高さも低くなり、立体的な圧迫感がありません。タンク型に比べると高さは30cm前後、奥行きは10cmほど短くなります。結果的にトイレが広く使えるようになり、より快適な空間をつくりやすくなります。凹凸が少ないデザインのため周囲の環境になじみやすく、すっきりとした印象を与えます。

【2】節水効果抜群
 タンクレストイレはいかに少ない水で汚れを洗い流せるかをもとに設計されているため、節水効果に非常に優れています。タンク型のトイレが1回の洗浄に約13リットルほどの水を使うのに対し、タンクレストイレは1回3~4リットル程度と、約3分の1の量で済むとされています。年間の水道料金も約1万5000円近く安くなるそう。毎日使うものだけに、この金額は有難いですよね。

【3】お掃除がカンタン
 タンクがあるとどうしても手が届きにくい場所が出てきますが、タンクレストイレは前述したようにかなりコンパクトかつフラットなデザインとなっているので、とても掃除がしやすいです。余分な継ぎ目も少なく、また各メーカーがしのぎを削って汚れが付着しにくい素材や形状を開発しているため、日々のお手入れも楽ちん。常にトイレを清潔に保ちたい人には嬉しいポイントです。

【4】水を連続で流せる
 タンク型では一度水を流したら水が溜まるまで待たなければならず、家族が連続で使う朝の時間帯や体調の悪いときなどにちょっと不便に感じます。いっぽうタンクレストイレの場合、直接水道から水を流すため、連続で水を流せます。タンク型にはない、大きなメリットですね。

 いいことづくめに見えるタンクレストイレですが、もちろんそれなりにデメリットもあります。

タンクレストイレのデメリット

【1】一定の水圧がないと設置できない
 水道管から直接水を流すため、一定の水圧がないと水流が十分でなく、詰まりやすくなります。そのためマンションの高層階など、水圧が低くなる場所にはそもそも設置ができません。
とはいえ機種によってどの程度の水圧が必要になるか変わるため、事前の確認は必須となります。

【2】コンセントが必要になる
 タンクレストイレの場合、水を開閉するバルブに電力を使用します。そのためコンセントがない部屋にタンクレストイレを設置する場合は、新たにコンセントを設置する必要があります。

【3】手洗いがついていない
 原則タンクレストイレに手洗いはつきません。洗面所が遠い間取りになっている場合、手洗いがないとやはり不便ですよね。トイレの中に手洗い場を設けるか、あるいは一部手洗いがついている製品もあるのでそれにするか、要検討となります。

【4】停電時は使いづらい
 【2】で触れたように、タンクレストイレでは水を流すために電気を使います。そのため停電になると、基本的にトイレを使用することができません。一応、手動レバーといったオプションをつけておけば停電時でも流せるようになりますが、基本的に停電時にはバケツに水を汲んで流すという方法がとられます。

【5】ウォシュレットのみの交換ができない
 タンクレストイレはウォシュレット・便座・便器が一体となっています。そのため、もしもウォシュレットだけが故障した場合は、トイレを丸ごと交換しなければなりません。温水便座部分だけが故障した場合もその部分だけを取り替えることは難しく、メーカーへの修理依頼が必要となります。

【6】値段が高い
 タンクレストイレはタンク型トイレと比べると値段が1~10万円ほど高い傾向にあります。また、【5】のように修理費用もタンク型トイレと比べると高くなりやすいです。

タンクレストイレを設置するなら、費用はどれくらい?

 もしもタンクレストイレを設置する場合、メーカーや製品によって金額は変わってきますが、工事費や古いトイレの撤去費等を含めるとおよそ10~50万円ほどの金額となります。また実際の工事日数はおよそ1~3日ほどです。

 見た目も機能も充実のタンクレストイレ。気になった方、検討してみてはいかがでしょう。

<参考サイト>
タンクレストイレの『本当の』メリット・デメリットをわかりやすく解説!(リノコHP)
https://www.renoco.jp/knowledge/125/
タンクレストイレで後悔!?メリット・デメリットとリフォーム費用(ホームプロHP)
https://www.homepro.jp/toilet/toilet-jirei/2256la
徹底比較!タンクレストイレのメリット・デメリット(リショップナビHP)
https://rehome-navi.com/articles/362
タンクレストイレのメリットとデメリットをプロの建築士が解説します(家づくりBLOG)
https://iiietsukuru.com/home-402

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