社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
栄養価の高い「雑穀」の効果とは?
人気急上昇中の雑穀
健康にいい主食の“ごはん”といえば、玄米がすぐに思い浮かぶかもしれませんね。しかし近年は、さらに栄養価が高いといわれる雑穀に人気が集まっています。コンビニのお弁当にも「雑穀米使用」と書かれた商品が増えましたし、スーパーやドラッグストアには白米に混ぜて自分で焚くタイプの雑穀ブレンドがよく売っていますよね。雑穀とは本来、イネ科作物のうち小さい実をつけるヒエ・アワ・キビなどを指します。主食作物のイネ・コムギ・トウモロコシは主穀に分類されるため、雑穀ではありません。しかし日本の食文化が変容するなかで雑穀の捉え方も変わってきていることから、日本雑穀協会では雑穀の定義を「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」としています。
このためもともとの雑穀以外にも、日本人の主食ではないイネ科作物のオオムギやライムギ、黒米や赤米などの有色米、ゴマやアマニなどの油脂を利用する作物、大豆や小豆などの豆類、さらに精米されていない玄米や発芽玄米も雑穀に含まれています。ただしナッツ類は雑穀に含まれず、豆類のピーナッツも一般的にナッツとして扱われるため雑穀とは見なされません。
どんな雑穀にどんな栄養素が?
主食以外の穀物はほとんどが雑穀といえるため、雑穀ごはんには「五穀」、「十六穀」、なかには「三十三穀」もブレンドした商品まであります。とはいえ、種類がたくさん入っていても栄養素が似たりよったりでは意味がありませんよね。そこで、雑穀のなかでも人気があり、よくブレンドされている16種類の雑穀と主な栄養素を見てみましょう。・オオムギ:白米の17倍の食物繊維を含み、水溶性と不溶性のバランスも良い。
・発芽玄米:ガンマアミノ酪酸(通称・GABA)を含み、イライラや不眠の解消に効果が期待できる。
・黒米:アントシアニンを含む。抗酸化作用があり、視力回復効果もあるとされる。
・赤米:抗酸化作用、抗菌作用があるとされるカテキンとタンニンが含まれる。
・大豆:大豆イソフラボンを含み、特に女性の若々しさを保つ効果が期待できる。
・小豆:サポニンが免疫力を向上させるとされる。たんぱく質、ビタミンB1・B6なども豊富。
・モチキビ:必須アミノ酸のメチオニンを含み、血中コレステロールを減らすとされる。
・モチアワ:ビタミンB1、食物繊維、鉄分、マグネシウムが白米より豊富。
・タカキビ:抗酸化作用が高いとされるタカキビポリフェノールを含む。カリウムも豊富。
・ヒエ:白米の8倍の食物繊維のほか、鉄分やカリウムなどのミネラルをバランスよく含む。
・アマランサス:カルシウムとビタミンKを含み、骨粗しょう症の予防に効果があるとされる。
・キヌア:必須アミノ酸をバランスよく含む、スーパーフードのひとつ。
・ハトムギ:アミノ酸のグルタミン酸・プロリン・ロイシンを含み、美肌効果が期待できる。
・トウモロコシ:ビタミンB1・B2を含み、代謝を活発にして疲れにくくするとされる。
・クロゴマ・シロゴマ:必須アミノ酸とミネラルをバランスよく含む。
発芽玄米のGABAや小豆のサポニンのような近年注目を集めている成分が摂れるほか、キヌアやゴマのようにバランスをまとめてくれるものもあり、雑穀ブレンドは栄養豊富といえるでしょう。白米だけでは不足しがちな食物繊維・ミネラル・ビタミンを補える点も魅力ですね。
食べ過ぎにはご用心
ただし、栄養豊富だからといって食べ過ぎるのはやはり体に毒です。雑穀を食べ過ぎると起きやすいトラブルには次のようなものがあります。消化不良を起こしやすい:雑穀には食物繊維を豊富に含むものが多いため、食べ過ぎると消化不良を起こして腹痛や下痢の原因になります。なかでも不溶性食物繊維は胃腸に負担がかかりやすいので気をつけましょう。しっかり噛んで唾液を出し、唾液の消化酵素で消化吸収しやすくすることも大切です。
グルテンが過剰になりやすい:モチムギや押麦などの小麦の仲間は、グルテンを形成する性質があります。グルテンは小麦アレルギーやグルテンを消化しにくいグルテン不耐性などで、体質に合わない方が比較的多い成分。人によっては腹痛や下痢、倦怠感などが生じるので注意が必要です。グルテンが苦手な方は、オオムギやライムギなどのグルテンを含まない雑穀を選びましょう。
また玄米にはアブシジン酸とフィチン酸という「発芽毒」が含まれるため、健康によくないという説もあります。しかしそもそも含有量が少ないうえ、毒素として作用するのは生の状態のときなので、炊いて食べれば心配ありません。
雑穀は一度にたくさん食べるのではなく、白米1合に対して大さじ1杯程度目安に、毎日食べることで効果が期待できます。「健康は1日にしてならず」と考え、こつこつ続けてくださいね。
<参考サイト>
・NIKKEI STYLE 注目度急上昇中、雑穀の効果や効能は?
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0401S_U1A100C1000000/
・はくばく ほかの雑穀ごはんと、どこがちがうの?十六穀ごはんの特徴
https://www.hakubaku.co.jp/brand/jurokkoku/concept/feature/
・NHKブログ 雑穀ごはんの黄金比率とは?
https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2019/159/412918.html
・一般社団法人日本雑穀協会 雑穀の定義
https://www.zakkoku.jp/milletdefinition
・NIKKEI STYLE 注目度急上昇中、雑穀の効果や効能は?
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0401S_U1A100C1000000/
・はくばく ほかの雑穀ごはんと、どこがちがうの?十六穀ごはんの特徴
https://www.hakubaku.co.jp/brand/jurokkoku/concept/feature/
・NHKブログ 雑穀ごはんの黄金比率とは?
https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2019/159/412918.html
・一般社団法人日本雑穀協会 雑穀の定義
https://www.zakkoku.jp/milletdefinition
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
悪循環を壊すラストチャンス、攻めの経営への4つの兆候
グローバル環境の変化と日本の課題(4)攻めの経営に向けた構造変化
我慢の経営から攻めの経営へ――この30年間で染み付いた日本企業の我慢の経営体質。これからのグローバル経済に対応するためには、攻めの経営に転じる必要がある。その呼び水となる兆候はすでに出てきている。今起きつつある日本...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/03/25
目標達成シートに注目!大谷翔平選手成功の鍵は考える習慣
大谷翔平の育て方・育ち方(4)高校時代の師の教えと目標達成シート
「球場の一番高いマウンドに立つ人間は、みんなが一番嫌がる仕事をしなさい」――これは花巻東高校時代に佐々木洋監督からいわれた言葉だが、野球のことだけでなく、こうした人間性に関わる教えの数々がその後の大谷翔平選手を作...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/24
「実質所得低迷」の構造的要因と「緊縮財政」の歴史的悲劇
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(5)円安と実質所得低迷の構造的要因
日本国内でのお金の回りが芳しくない一方、海外への資金流出が強まっている。そこに日本経済の構造的課題と円安の要因が見え隠れする。今回はそれらを掘り下げるとともに、過去の緊縮財政が引き起こした悲劇も振り返りながらイ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/22
三四郎はストレイシープ!? 漱石が描いた世間との矛盾とは
いま夏目漱石の前期三部作を読む(4)『三四郎』で描かれた世間との矛盾
『三四郎』に登場する広田先生は「偉大なる暗闇」として描かれているが、高い知性を持ちながらも社会的評価が得られない知識人の孤高を絶妙に捉えている。そして、この対極として登場する庶民の人妻に三四郎は翻弄され、「スト...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/23
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
日進月歩の進化を遂げている生成AIは、私たちの生活や仕事の欠かせないパートナーになりつつある。企業における生成AI技術の利用に焦点をあてる今シリーズ。まずは世界的な生成AIの導入事情から、日本の現在地を確認しよう。(...
収録日:2024/11/05
追加日:2024/12/24