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DATE/ 2021.04.16

食物アレルギーの原因で最も多いのは?

 「春はあけぼの」ならぬ「春はアレルギー」に悩まされている人が増えています。花粉や黄砂による鼻炎や目のかゆみもたまらないものですが、じんましんや全身のかゆみ、重症の場合は緊急性の高い症状にもつながる食物アレルギーについて調べてみました。

アレルギーとはどういう症状?

 食物アレルギーの代表的な症状は、じんましんや全身のかゆみ、皮膚の赤み、むくみなどの皮膚症状です。息苦しさやくしゃみ、鼻水などの呼吸器症状、目の充血や涙などの粘膜症状、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器症状をもたらすこともあります。これらすべてが一度に出て、意識障害に至るのがアナフィラキシーショック。この場合は迅速な対応が重要です。

 アレルギー反応は、摂取した食物により免疫システムに問題が発生するために起こります。その大部分は乳児期に発症し、年齢とともに小学生ぐらいになると治まってくることがほとんど。卵・牛乳・小麦・そば・大豆・ピーナッツが代表的なアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)と分かっています。

 大人の食物アレルギーでは、これまでおいしく食べてきたものがある日突然病気の原因になる場合もあります。アレルゲンにはえび・かになどの甲殻類、小麦、果物類が多く、食べて数分後から2時間ほどで口の中や喉の違和感、じんましんなどの症状が現れます。

 最近増えているのが、花粉との交差抗原性により症状を引き起こす一部の野菜や果物です。この場合、アレルゲンではない食物なのに症状が出てきます。リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、キウイ、メロン、スイカ、バナナ、マンゴーなど多くの果物、セロリ、ニンジン、キュウリ、ズッキーニ、ポテトなどの野菜、大豆やピーナッツ、アーモンドなどが交差反応を起こすとみられています。体調不良や花粉飛散時期に大量摂取すると全身症状に至ることもまれに見られるため、注意が必要です。

 食事中や食後に食物アレルギーが疑われ症状が出る場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

食物アレルギーの原因で最も多いものTOP3は?

 食物アレルギーの原因物質は、日本人の場合、鶏卵39%、牛乳21.8%、小麦11.7%がトップ3とされます。

 ただし、新しく発症する原因食物は、年代によって異なります。1歳未満でアトピー性皮膚炎として発症する乳幼児アレルギーの3大アレルゲンは、鶏卵・牛乳・小麦。2-3歳から4-6歳の幼児では食べられる食品が増えるため、魚卵、ピーナッツ、果物、ソバなどもあがってきます。学童期から成人するまでの年代では甲殻類・果物・鶏卵小麦(同じ割合)。20歳以上の成人では小麦・サバなどの魚類・甲殻類がトップ3と発表されています。

食品にはどういう表示がなされている?

 気づかないでアレルゲンを食べてしまわないよう、加工食品等ではとくに情報表示が必要になります。平成27年から施行されている「食品表示法」では、以下のように、必ず表示する義務のある7品目の「特定原材料」、21品目の表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」が定められています。

<義務品目>特定原材料7品目:卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、えび、かに

<推奨品目>特定原材料に準ずるもの21品目:アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

 あらかじめ箱や袋で包装されている加工食品や缶・瓶詰めの加工食品の場合、消費者が事前に知ることは難しいため、必ず義務表示がされています。特定原材料7品目は、アレルゲンとする人の多い5食品に、症状が激しく出ることの多い「そば・ピーナッツ」が加えられています。これらが微量でも含まれている場合は、必ず表示されることになっています。

 気をつけたいのは耳慣れない・分かりにくい原材料名。たとえば卵の場合、レシチン(卵由来または大豆由来)、卵殻カルシウムは卵由来。乳では、ホエイ、カゼイン、乳糖が乳由来ですが、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸菌、カカオバターなどは乳ではありません。小麦では、グルテン、デュラムセモリナが小麦由来、麦芽糖、酵母は小麦ではありません。

<参考サイト>
食物アレルギーねっと│日本ハム
https://www.food-allergy.jp/
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