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DATE/ 2021.05.27

「ホクロ」が増える原因とは

ホクロはなぜできるの?

 顔の目立つところにホクロができると、気になってしまいますよね。目元や口元にあるとちょっとセクシーなイメージもありますが、大きなものだったりたくさんできてしまったりとすると、鏡を見るたびに憂鬱になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ホクロの正体は、メラニンという黒っぽい色素。皮膚を構成する表皮と真皮の境界にあるメラノサイトという細胞が生成しています。髪の毛や瞳の色にも含まれる色素で、皮膚のメラニン量が多いと色黒の肌になります。皮膚や髪を守る作用があり、人体に必要な色素ですが、ホクロやシミの原因でもあるので増えすぎるのも困りものという存在です。

 それではなぜ、メラニンが生成されてホクロになってしまうのでしょうか。主な原因には以下のようなものがあります。

 紫外線:太陽の紫外線による刺激を受けると、メラノサイトが皮膚を守るために活性化してメラニンをたくさん生成します。このとき過剰に分泌したものが固まってホクロになるのです。

 皮膚への摩擦や圧迫:皮膚が強い刺激を受けるとメラノサイトが活性化してメラニンを生成しやすくなり、ホクロの原因に。肌が荒れているときの洗顔や化粧は特に気をつけましょう。

 乱れた生活習慣:睡眠不足や栄養の偏り、強いストレスなどで生活習慣が乱れるとメラニンが規則正しく排出されなくなります。これが蓄積されてホクロになってしまいます。

 女性ホルモンの影響:女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンの分泌量が増えるとメラニンの生成も活発になる傾向があります。このため、月経前や妊娠、出産時にホクロができやすくなります。

どうすればホクロができにくくなるの?

 ホクロができる原因のなかでも、最も大きな割合を占めるのが紫外線です。ホクロは顔や手に増えることが多いですが、これは紫外線を浴びる機会が多い部位だからです。ホクロをできにくくするためにはまず、紫外線から皮膚を守ることを心がけましょう。

 具体的にはきちんと日焼け止めを塗り、帽子や日傘で紫外線をカットすることが有効です。当たり前のように思えるかもしれませんが、この当たり前を面倒に感じてさぼってしまう人が多いことも事実です。紫外線はシミの原因にもなるので、意識を高く持って対策してください。外出時はなるべく日陰を選んで歩き、室内では窓からの紫外線を浴びないよう気をつけることも大切です。

 また、ビタミンCはメラニンの生成を抑える作用があるので、ビタミンC誘導体の美容液を使ったりビタミンCを含むサプリメントを服用したりすることもホクロができにくくなる可能性を高めてくれます。ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されないため、サプリメントを使うときは1日3回程度に分けると効果的です。

 もちろん、メラニンの排出を規則的に行えるよう、生活習慣を整えることも大切。多忙だとなかなか難しいですが、たっぷり睡眠を取ってストレスを溜めこまない生活を送りましょう。

ホクロを取り除く方法は?

 できてしまったホクロは、除去することも可能です。どうしても気になるときは以下の方法を検討してみてください。

 外科手術:ホクロの深さや部位によって、円形に取り出すくり抜き法、切除したあとに縫合する切開縫合法などの術式を適宜選んで手術を行います。美容外科などで受けられる方法で、腕が確かな医師に頼めば手術痕はほとんどわからない仕上げをしてくれます。

 レーザー治療:レーザー照射で人工的にホクロを軽度の火傷状態にして取り除きます。体にメスを入れる外科手術より負担が少ない方法ですが、紫外線ケアをさぼってしまうとホクロが再発することも。こちらも美容外科などのクリニックで受けられます。

 除去クリーム:小さいホクロなら除去クリームで対策することも可能です。ただし、効果が実感できるまでに時間がかかります。また、海外製品のなかには強い酸を含んでいるものもあり、火傷して痕が残ってしまった事例も報告されているのでよく吟味して使いましょう。

 単なるホクロと思っていたら、皮膚がんのうちの悪性黒色腫(メラノーマ)という病気だった……ということもあります。

・左右非対称でいびつな形
・短期間で大きくなった
・ホクロがあまりできない部位(爪、足の裏、眼球など)にできている
・直径が6mmより大きい

 上記などの様子が見られたら、皮膚科に相談して病気ではないか診断してもらってください。

<参考サイト>
・資生堂シミ予防研究所 メラノサイト
https://www.shiseido.co.jp/sp/haku/laboratory/dictionary/42.html
・美容皮膚科タカミクリニック ほくろ除去の疑問と正しい方法。自分でするのは危険!
https://takamiclinic.or.jp/column/6661/

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