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DATE/ 2021.06.26

「東日本」と「西日本」の境界線はどこ?

 関東地方、近畿地方、東海地域、北陸…など、日本の各地方を表現する言葉はたくさんありますが、「東日本」と「西日本」の分かれ目がどこにあるのか、みなさんご存じでしょうか?

 日本を2つに分割する一番大きなくくりですが、はっきり「ここまで!」と答えられる人は少ないはずです。そもそも、じつはこの「東日本」と「西日本」に、明確な境目が決められていません。けれど、生活のなかでこの2つの言葉はとてもよく目にしたり、耳にしたりします。

 では、実際に「東日本」と「西日本」の分かれ目はどのあたりにあるのでしょうか?

気象庁の定める「東日本」と「西日本」

 わたしたちが毎日目にするものの1つは天気予報でしょう。ニュースをふと見ていたり、つけていたラジオで聴いたり、インターネットのコラムで読んだり……さまざまな形で触れているはずです。全国予報では「東日本」と「西日本」、それぞれの地域の予想天気が報じられたりします。では、天気予報の基準になっている気象庁では、どこから日本列島を分けているのでしょうか。

 気象庁のホームページによると、「東日本」は関東甲信・北陸・東海地方、「西日本」は近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部、としています。地図を開いて見てみると、思いの外左寄りに区切りがあるように感じるかもしれません。

気象庁よりはずっと東寄り、NTTの定める境目

 一方、日本のあらゆる通信基盤をつくっているNTTの区切りはどうでしょうか。「NTT東日本」と「NTT西日本」、それぞれのサービス提供範囲を見てみると、気象庁よりはずっと東寄りです。新潟、長野、山梨、神奈川までが東日本となっており、それより西側が西日本の提供範囲です。中部地方の真ん中を走るように、境目が走っています。

東と西で違う周波数から見る境目

 もう一つ身近なところで見られる違いから、「東日本」と「西日本」の違いを見てみましょう。意外と知られていないことですが、日本は東と西で使用している周波数が異なっています。

 周波数とは、コンセントから取る交流の電気のことで、「東日本」は50Hz、「西日本」は60Hzとなっています。電気時計やタイマー、洗濯機、電子レンジなど、そのままでは使えない電子家具があるのです。家電製品を見てみると、「50/60Hz」と書かれているものもあり、これは両方の地域で使える製品になります。

 この周波数の区切りがあるのは、東は新潟と山梨の全てと長野と静岡の一部、それより西は60Hzを使用しています。一部の地域は混合となっていますが、大凡の線を引いてみると、気象庁の区切りよりもさらに東に寄っていることがわかります。

 ちなみに、一国のなかで使用している周波数が異なるという例はめずらしいのだそう。これは、明治時代に、東はドイツの技術を、西ではアメリカの技術を取り入れ、その際にそれぞれの国の使用している周波数が異なっていたという背景があります。統一する動きもあったそうですが、100年以上そのままです。

日本の中心はいったいどこに?

 東と西に日本を分けるとしたら、その境目は「日本の中心」に近いことになります。この「日本の中心」を主張している県や市町村は、じつは複数あります。代表的なのは、つぎのような市町村です。

 ・群馬県渋川市…渋川市を中心に円を書くと、北海道から九州が円のなかに入る
 ・長野県小川村…本州を板のように考えると、バランスを取ることができる重心になる
 ・岐阜県郡上市…日本の人口を東西に分けたとき、丁度半分の位置になる

 日本中に「日本の中心」を自称する場所はたくさんありますが、この地域は地図を見ても確かに中心地に近いような気がします。

 いかがでしたでしょうか。よく耳にする言葉でも、漠然とした定義の言葉は、意外と身近にあふれているのかもしれませんね。

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