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DATE/ 2021.08.01

2000年代の「朝ドラ」視聴率ランキング

NHKの定番ドラマ枠「朝ドラ」

 NHKの人気ドラマシリーズのひとつである朝の連続テレビ小説、通称「朝ドラ」。毎日視聴している方も多いのではないでしょうか。朝ドラは1961年開始というまさに定番のドラマ枠で、放送形式は何度か変更がありますが、現在は1回15分・週5話・半年間のサイクルになっています。最近では2020年前半に放送された「エール」が、新型コロナウィルス感染拡大の影響で約3か月間の放送休止になるなど、やむを得ない事情で一時的に放送中断となることはありましたが、枠自体は一度も途切れずに続いています。

 朝ドラといえば、伝説的な人気を誇った1983年放送の「おしん」がまっさきに思い浮かぶかもしれませんね。貧しい生まれの女性が戦前から戦後を力強く生き抜く姿を描いた一代記で、平均視聴率は約53%、最高視聴率は約63%にもなった作品です。この数字はメディアリサーチを行うビデオリサーチ社の統計でテレビドラマの最高視聴率とされていることからもわかるように、いまだにこれ以上の視聴率を記録した作品はありません。しかも近年はテレビよりも動画配信などを利用して好きな時間帯に視聴する人も増えているので、視聴率はいっそうばらつきが出ていくでしょう。

 このため、20世紀の朝ドラと近年の朝ドラの視聴率を比較するとどうしても近年の作品のほうが低い数字になる傾向があります。そこで今回は、2000年以降の朝ドラ作品に限定した視聴率ランキングから、どんな作品が人気なのか見てみましょう。

2000年代トップ10の作品は?

 2000年以降の朝ドラ作品の期間平均視聴率トップ10は次のようになっています。

<第10位>「こころ」(2003年前期)21.3%
 浅草を主な舞台に、ヒロイン・こころが事故で亡くなった夫・優作の連れ子を引き取り、子育てに励む姿を描きました。ヒロイン役は中越典子さん。

<第9位>「まんぷく」(2018年後半)21.4%
 インスタントラーメンの発明者・安藤百福と妻・仁子(まさこ)をモデルに、夫婦二人三脚の半生を描きました。ヒロイン・福子役は安藤サクラさん。

<第8位>「ちゅらさん」(2001年前期)22.2%
 沖縄出身のヒロイン・恵里が看護師として成長する姿を描きました。続編が4まで製作された唯一の作品です。ヒロイン役は国仲涼子さん。

<第7位>「ごちそうさん」(2013年後期)22.3%
 東京出身のヒロイン・め以子が大阪出身の夫・悠太郎とともに大阪に行き、東西の違いに戸惑いながら料理に奮闘する物語。ヒロイン役は杏さん。

<同率第5位>「花子とアン」(2014年前期)22.6%
 『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子の波乱万丈の人生を描きました。花子にアンを投影する演出が印象的な作品。ヒロイン役は吉高由里子さん。

<同率第5位>「ほんまもん」(2001年後期)22.6%
 和歌山出身のヒロイン・木葉が料理人を目ざして大阪に行き、厳しい修行に耐えて精進料理に打ち込む姿を描きました。ヒロイン役は池脇千鶴さん。

<第4位>「とと姉ちゃん」(2016年前期)22.8%
 出版社を創業した大橋鎭子をモデルに、亡くなった父親の代わりに妹たちを守るヒロイン・常子の人生を描きました。ヒロイン役は高畑充希さん。

<第3位>「さくら」(2002年前期)23.3%
 ハワイ出身のヒロイン・さくらが、自分のルーツを知るために赴任した岐阜の中学校で地元の人々と交流する姿を描きました。ヒロイン役は高野志穂さん。

<第2位>「あさが来た」(2015年後期)23.5%
 明治時代の女性実業家・広岡浅子をモデルに、ヒロイン・あさが日本初の女子大学や生命保険会社を設立する一代記。ヒロイン役は波留さん。

<第1位>「私の青空」(2000年前期)24.1%
 ヒロイン・なずなが、未婚の母として息子・太陽とともに世間の偏見や貧しさを乗り越えながら力強く生きる姿を描きました。ヒロイン役は田畑智子さん。

 第1位はシングルマザーの奮闘ぶりを描いた「私の青空」でした。トップ10全体を見てみると、2000年代初頭から現在までどの時期の作品も満遍なくランクインしており、朝ドラが安定した人気を保っていることがわかります。

視聴率は2000年以前と比べてどう変化した?

 一方で、視聴率トップ10の内容に、「おや?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。意外なことに、話題性が高かった「ゲゲゲの女房」(2010年前期)は18.6%、「あまちゃん」(2013年前期)は20.6%で、どちらもトップ10入りしていないのです。

 実は、この2作品には「前作の視聴率が低迷した」という共通点があります(「ゲゲゲの女房」の直前「ウェルかめ」は13.5%でワースト1位、「あまちゃん」の直前「純と愛」は17.1%でワースト10位)。このため視聴者が朝ドラ離れしてしまい、作品そのものの視聴率は中の上ほどで終わりました。しかし、この2作品の話題性で視聴者の朝ドラへの期待値が回復し、視聴率向上の起爆剤になったといえます。

 それでも、先にお話したように、2000年代の朝ドラはそれ以前の朝ドラより視聴率が低い傾向にあります。平成時代のトップ3を見てみても、1位は1992年前期の「おんなは度胸」(38.5%)、2位は1989年前期の「青春家族」(37.8%)、3位は1992年後期の「ひらり」(36.9%)と、2000年代以前の作品しか入っていません。

 だからといって、2000年代の作品がそれ以前の作品に太刀打ちできないというわけではないのです。1990年代に入ると視聴率20%台の作品も現れており、たとえば1998年後期の「やんちゃくれ」は22.5%で、2000年代の第5位よりも低い数字になっています。新しい作品でも高視聴率をねらうことは可能でしょう。朝ドラの根強い人気はまだまだ続きそうです。

<参考サイト>
朝ドラ歴代視聴率ランキング!平成で一番は?ワースト10も│drama box 
https://doramabox.com/archives/9586
NHK朝の連続テレビ小説│ビデオリサーチ
https://www.videor.co.jp/tvrating/past_tvrating/drama/02/nhk.html
シンポジウム検証100%朝ドラ│NHK
https://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2019/pdf/f2019_10.pdf

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