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日本人はなぜ「iPhone」が好きなのか?
日本ではiPhoneユーザーがかなり多く、アクセス解析サービスStatCounterの情報(2020年9月から2021年9月)によると、日本でのiOS(iPhone)のシェアは66.17%と高い。一方、Androidは33.68%で、ほぼダブルスコアでiOSが多いことになります。ちなみに、世界全体でのiOSシェアは26.75%。これに対してAndroidは72.44%と、iOSよりもAndroidの方が圧倒的に多いことがわかります。ではなぜ、日本ではこんなにiPhoneのシェアが高いのでしょうか。
アジア:Android 83.21% iOS 15.9%
アフリカ:Android 82.92% iOS 14.9%
オセアニア:iOS 52.78% Android 45.47%
北アメリカ:iOS 52.98% Android 46.67%
南アメリカ:Android 88.98% iOS:10.72%
ヨーロッパ:Android 67.13% iOS 32.16%
北アメリカ地域やオセアニア地域では、かろうじてiOSのほうが多いですが、それでもシェアはおよそ53%程度。その他の地域ではAndroidの割合がかなり高いことがわかります。サイトにアップされている国別のシェアをざっと見ても、日本ほどiOSの比率が高い国は他に見当たりません。やはり日本は特殊な状況と考えていいようです。
ここにはやはり日本特有の事情があります。日本は他の多くの国と異なり、キャリアが販売するスマホがシェアの多くを占めています。はじめに日本でiPhoneが発売された2008年には、キャリアとしてはソフトバンクのみが取り扱いました。この時の人気ぶりからiPhoneの話題性がかなり高まり、みなが憧れる製品になったとも言えます。こののち2009年にソフトバンクは実質0円でiPhoneを購入できるプランを準備しました。
ここでソフトバンクが一気に契約を増やしたたことで危機感を抱いたauは、2011年に「iPhone4S」の取り扱いを始めます。このときiPhoneを扱わなかったNTTドコモは、契約者が大量に流出する不振に陥ります。こうして2013年「iPhone5S」「iPhone5C」がドコモからも発売されます。各社、iPhoneを中心として熾烈な顧客争いをした結果、iPhoneユーザーは瞬く間に増加したと言えそうです。また、一度iPhoneユーザーになった人は、操作性が異なるAndroidには流出しにくいと言うこともいえるかもしれません。
日本のiPhoneシェアは特殊
以下、同サイトにデータのあった世界でのエリア別でのモバイル端末におけるOSシェア率です。左から高い順になっています。アジア:Android 83.21% iOS 15.9%
アフリカ:Android 82.92% iOS 14.9%
オセアニア:iOS 52.78% Android 45.47%
北アメリカ:iOS 52.98% Android 46.67%
南アメリカ:Android 88.98% iOS:10.72%
ヨーロッパ:Android 67.13% iOS 32.16%
北アメリカ地域やオセアニア地域では、かろうじてiOSのほうが多いですが、それでもシェアはおよそ53%程度。その他の地域ではAndroidの割合がかなり高いことがわかります。サイトにアップされている国別のシェアをざっと見ても、日本ほどiOSの比率が高い国は他に見当たりません。やはり日本は特殊な状況と考えていいようです。
日本独自の販売方法
ではなぜ日本ではこれほどまでにiOS(主にiPhone)が多いのでしょうか。もちろんiPhoneのデザイン性や、直感的な使いやすさという点は魅力的です。しかし機種の性能だけで考えれば、iPhoneはハイエンドマシンであり、アップル直営店などで販売される値段も高いです。世界全体ではiPhoneユーザーがそこまで多くない点は理解しやすいと言えます。こう考えると、日本はそれなりに豊かであるということが、iPhoneユーザーが多い理由なのでしょうか。しかしこの理由であれば、ヨーロッパなどの経済的に豊かな国も同様にiPhoneユーザーの比率が高くなるはずです。しかし、そうはなっていません。ここにはやはり日本特有の事情があります。日本は他の多くの国と異なり、キャリアが販売するスマホがシェアの多くを占めています。はじめに日本でiPhoneが発売された2008年には、キャリアとしてはソフトバンクのみが取り扱いました。この時の人気ぶりからiPhoneの話題性がかなり高まり、みなが憧れる製品になったとも言えます。こののち2009年にソフトバンクは実質0円でiPhoneを購入できるプランを準備しました。
ここでソフトバンクが一気に契約を増やしたたことで危機感を抱いたauは、2011年に「iPhone4S」の取り扱いを始めます。このときiPhoneを扱わなかったNTTドコモは、契約者が大量に流出する不振に陥ります。こうして2013年「iPhone5S」「iPhone5C」がドコモからも発売されます。各社、iPhoneを中心として熾烈な顧客争いをした結果、iPhoneユーザーは瞬く間に増加したと言えそうです。また、一度iPhoneユーザーになった人は、操作性が異なるAndroidには流出しにくいと言うこともいえるかもしれません。
古い端末でも新しいOSが使える
このようにiPhoneの人気は日本では揺るぎない状態にあることもあり、リセールバリューも高い状態を保っています。このように人気を保ち続けるにはもう一つ、アップルの古い端末に対するサポート体制があります。ここ数年、iOSは毎年9月にメジャーアップデートされています。iOS15は2021年9月21日にリリースされましたが、このバージョンがサポートしている最も古い端末はiPhone6s。この機種の発売年は2015年です。つまり6年前のiPhoneが今でも現役で使えます。リセールバリューが高いということの理由、人気が衰えない理由はこういったOSサポート体制の手厚さにより、長く使えるという点にもあるようです。<参考サイト>
Mobile Operating System Market Share Worldwide-September2021|statcounter Globalstats
https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile/worldwide
いまだ人気の「iPhone 6s」 いつまで“現役”でいられる?|ITmedia Mobile
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1902/16/news015.html
Mobile Operating System Market Share Worldwide-September2021|statcounter Globalstats
https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile/worldwide
いまだ人気の「iPhone 6s」 いつまで“現役”でいられる?|ITmedia Mobile
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1902/16/news015.html
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