社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「三代目」がハマる恐怖の「ワナ」とは?
あなたがもし何かの「三代目」だったらこの記事は読んでおいた方がいい。
「売り家と唐様(からよう)で書く三代目」という江戸時代の川柳をご存知だろうか?
初代が苦労をして財産を残したとしても、三代目にもなると没落してしまい、家を売りに出すような事態になってしまう。その売り家の看板の文字は、中国風のしゃれた文字で書かれている。なぜかといえば商売を忘れて、遊びにふけりいらぬ教養を身につけていたから…こんな皮肉が込められている川柳だ。
初代が成功をおさめ財産を残したとする。この場合、二代目で急速に没落するということはあまりなく、それを継承して発展させるか、あるいは現状維持となるケースが多いそうだ。しかしながら三代目になると、遊びに熱中して没落してしまうケースが多いという。これは、商売に限ったことではなく、物事を継承することの難しさを説いているのだろう。
確かに歴史を振り返えってみると、三代目の失敗事例は数多く存在する。逆に、三代目がさらに継承されたものを飛躍させ、発展させたケースもある。うまくいった例であれば、3代将軍の徳川家光などが挙げられるだろう。失敗事例はここでは書かないが、数えきれないほどある。長期の繁栄のための鍵を握るのが三代目なのだ。
三代目が成功するには、過去から授かったものを受け継ぐことになる幸運に加えて、本人の努力が必要なのは当然だが、おちいりがちな「ある罠」をクリアする必要がある。
こういうことだ。
三代目というと二代目以上に、屈折感のような感情を持つ傾向がある。偉大なる祖父や父、創業者あるいはその継承者とは違ったことをしたいという思いが強くなる。また、自分の個性の影響力でその集団を再形成したくなる。こうなると一代目や二代目から引き継がれている古株や幹部を煙たく思うことになり、遠ざけようとするものらしい。それが周囲からの反感を呼ぶことになる。こうして悪循環の罠にはまる。
このような事態におちいりながらも、クリアできる能力や資質を持っている人はよいのだが、かなりのところは失敗してしまうケースが多いようだ。それがゆえに、夢破れて遊びに走ってしまい冒頭の川柳のようなことになってしまうのだろう。
ここまで読んでいただくと、歴史上の人物、世界の国々、企業、地域の活動、学校のサークルなど、思い当たる事例が思い浮かぶのではないだろうか?
もしあなたが「3代目」であれば、この「罠」にハマらないようにうまく回避していただきたい。
※この記事は10MTVオピニオンのの講義『将軍家光のリーダーシップ』(山内昌之)を再構成したものです。
「売り家と唐様(からよう)で書く三代目」という江戸時代の川柳をご存知だろうか?
初代が苦労をして財産を残したとしても、三代目にもなると没落してしまい、家を売りに出すような事態になってしまう。その売り家の看板の文字は、中国風のしゃれた文字で書かれている。なぜかといえば商売を忘れて、遊びにふけりいらぬ教養を身につけていたから…こんな皮肉が込められている川柳だ。
初代が成功をおさめ財産を残したとする。この場合、二代目で急速に没落するということはあまりなく、それを継承して発展させるか、あるいは現状維持となるケースが多いそうだ。しかしながら三代目になると、遊びに熱中して没落してしまうケースが多いという。これは、商売に限ったことではなく、物事を継承することの難しさを説いているのだろう。
確かに歴史を振り返えってみると、三代目の失敗事例は数多く存在する。逆に、三代目がさらに継承されたものを飛躍させ、発展させたケースもある。うまくいった例であれば、3代将軍の徳川家光などが挙げられるだろう。失敗事例はここでは書かないが、数えきれないほどある。長期の繁栄のための鍵を握るのが三代目なのだ。
三代目が成功するには、過去から授かったものを受け継ぐことになる幸運に加えて、本人の努力が必要なのは当然だが、おちいりがちな「ある罠」をクリアする必要がある。
こういうことだ。
三代目というと二代目以上に、屈折感のような感情を持つ傾向がある。偉大なる祖父や父、創業者あるいはその継承者とは違ったことをしたいという思いが強くなる。また、自分の個性の影響力でその集団を再形成したくなる。こうなると一代目や二代目から引き継がれている古株や幹部を煙たく思うことになり、遠ざけようとするものらしい。それが周囲からの反感を呼ぶことになる。こうして悪循環の罠にはまる。
このような事態におちいりながらも、クリアできる能力や資質を持っている人はよいのだが、かなりのところは失敗してしまうケースが多いようだ。それがゆえに、夢破れて遊びに走ってしまい冒頭の川柳のようなことになってしまうのだろう。
ここまで読んでいただくと、歴史上の人物、世界の国々、企業、地域の活動、学校のサークルなど、思い当たる事例が思い浮かぶのではないだろうか?
もしあなたが「3代目」であれば、この「罠」にハマらないようにうまく回避していただきたい。
※この記事は10MTVオピニオンのの講義『将軍家光のリーダーシップ』(山内昌之)を再構成したものです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
アメリカのトランプ大統領は、2025年5月に訪れたサウジアラビアでの演説で「トランプ・ドクトリン」を表明した。それは外交政策の指針を民主主義の牽引からビジネスファーストへと転換することを意味していた。中東歴訪において...
収録日:2025/08/04
追加日:2025/09/13
フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる
数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数
音が波であることは分かっても、それが三角関数で支えられていると言われてもピンとこないという方は少なくないだろう。そこで、その話を補足するのが倍音や周波数という概念であり、そのことを目で確認できるとっておきのイメ...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/09/11
外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス
国際関係においては外交と軍事(内政)のバランスが重要となる。著書では、近代日本において、それらのバランスが崩れていった過程を3つのステージに分けて解説しているが、今回はその中の、国のトップが外政家・原敬から職業外...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/09/12
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
日本人のライフコースとして「3ステージ(教育・仕事・引退)の人生」とよくいわれているが、長寿化が進み「人生100年時代」と呼ばれる現在、長くなった3つ目のステージとともに、これまでの日本的な労働慣行も見直すべき時期を...
収録日:2024/08/03
追加日:2025/02/07