社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
気になるアレの正式名称は?
よく見る“アレ”にも名前があります
「世界は誰かの仕事でできている」という一文を、目にしたり耳にしたりしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは、日本コカ・コーラ社から発売されている缶コーヒー「ジョージア」のキャッチコピーで、2014年から約8年間使用されました。身のまわりにあるものはすべて、誰かがつくったものだと改めて気づかせられる名キャッチコピーですよね。たとえばお店で買ってきたパンを見てみると、パンをつくった人がいるのはもちろん、パンの材料となる小麦粉を製粉した人もいれば、おおもとの小麦を育てた人もいます。パンが入っている袋も、袋に印刷されている文字のインクも、やはり誰かがつくったものです。
あらゆるモノをつくる人がいて、それを発注したり利用したりする人がいる……ということは、どんなにささいなモノにも識別するための正式名称があるということ。しかし、普段からなにげなく見過ごしてしまっているような“アレ”の名前は意外と知らなかったり、聞いたことはあるけどすぐに思い出せなかったりしますよね。今回はそのような、名前が気になる“アレ”の数々をご紹介します。
「こんな名前だったの?」と驚くモノたち
以下に上げていく“アレ”の外見や、見たり使ったりするシチュエーションはおなじみのものばかりのはず。なんという正式名称なのか考えながら、楽しんで読み進めてみてください。クッキー缶やこわれものの郵便物に入っている、空気が入った小さなでっぱりが並んでいるアレ:「気泡緩衝材」といいます。ポリエチレンにたくさんの気泡を整然と並べることで品物を衝撃から守る梱包材です。「プチプチ」と呼ばれることもよくありますが、これは梱包材を製造する川上産業株式会社の登録商標です。
食パンの袋の口などを留めている、切れ込みと四角形の穴がある薄いプレート状のアレ:「バッグ・クロージャー」といいます。アメリカのクイック・ロック社が最初につくった製品で、このときはりんごの袋の口を留めるための道具でした。日本ではクイック・ロック社の日本法人であるクイック・ロック・ジャパン株式会社のみが製造しています。
お店のレジや金融機関の窓口などでお金を受け渡しするときに使う小さいお盆のようなアレ:「カルトン」といいます。正式名称だとわかりにくいので、「コイントレー」とか「キャッシュトレー」と呼ばれることもよくあります。フランス語で厚紙製の箱を意味する言葉が語源。タバコなどをまとめた箱を指す「カートン」と同じ由来です。
料理にかけるソースやカレーのルゥを入れる、鳥のくちばしのようなかたちをしたアレ:「グレイビーボート」といいます。日本ではカレーのルゥ入れとしておなじみですが、発祥の地・イギリスではローストビーフにかけるソースであるグレイビーソースを入れるための食器です。このソースが名前の由来というわけです。
お弁当などの醤油やソースを入れるための、魚や筒のかたちをしたポリエチレン製のアレ:「ランチャーム」といいます。大阪府の株式会社旭創業が特許を持っています。名前には、「ランチ」を「チャーミング」にという思いが込められているとか。魚のかたちが採用されたわけは、持ち帰りのお寿司に添えるためだったそうです。
お寿司やお弁当の料理に挟まっている、緑色のギザギザのアレ:「バラン」といいます。飾りにもなりますが、一番の目的は料理の味が混ざらないようにする仕切りです。もともとお寿司屋さんが仕切りとして使っていた本物の植物である「葉蘭」を、よりリーズナブルに利用できるように、プラスチック素材のバランが開発されました。
お店で売られている状態の靴下のつま先についている、両足をまとめているアレ:「ソクパス」といいます。アメリカでは「パッチャー」と呼ばれたようですが、広げるとコンパスに似ているため、日本では「ソックス」と「コンパス」を合わせた名前で呼ばれるようになりました。アルミ製が主流でしたが、近年は環境に優しい紙製が増えています。
こうして見てみると、すぐに捨ててしまうような小さなモノにもきちんと名前があり、大切な役割があることがよくわかりますよね。ときにはモノをじっくり観察して、小さな気になるモノの名前を調べてみるのもおもしろいかもしれません。
<参考サイト>
・HuffPost 知っているようで知らない「アレ」の正式名称【クイズ20問】
https://www.huffingtonpost.jp/2016/08/30/name-quiz-20_n_11790280.html
・スターダストオフィシャルサイト 山田孝之 2014年「ジョージア」新キャンペーンのイメージキャラクターに抜擢!
https://www.stardust.co.jp/sp/news/?id=3173
・和樂web お弁当に入っている調味料入れ「ランチャーム」は金魚じゃない!開発秘話やモデルの魚を紹介
https://intojapanwaraku.com/culture/81319/
・HuffPost 知っているようで知らない「アレ」の正式名称【クイズ20問】
https://www.huffingtonpost.jp/2016/08/30/name-quiz-20_n_11790280.html
・スターダストオフィシャルサイト 山田孝之 2014年「ジョージア」新キャンペーンのイメージキャラクターに抜擢!
https://www.stardust.co.jp/sp/news/?id=3173
・和樂web お弁当に入っている調味料入れ「ランチャーム」は金魚じゃない!開発秘話やモデルの魚を紹介
https://intojapanwaraku.com/culture/81319/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
「何回説明しても伝わらない」「こちらの意図とまったく違うように理解されてしまった」……。そんなことは、日常茶飯事です。しかしだからといって、相手を責めるのは大間違いでは? いやむしろ、わが身を振り返って考えないと...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/13
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11


