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DATE/ 2023.05.13

外国人が注目する「日本のおもしろい離島」5選

 近年、訪日外国人向けの観光スポットとして離島が注目されています。日本人でも機会が少ない離島への旅ですが、わざわざ海外から「行きたい」と思わせる理由は何でしょうか。

 今回は、外国人が注目する日本の離島を5か所、ご紹介します。

満足度No.1の世界イベントを開催:佐渡島

 新潟県の佐渡島は、佐渡金山をはじめとする歴史スポットのほか、四季折々の自然豊かな景勝地、海・山のレジャーも楽しむことができる日本海側最大の離島です。

 この佐渡島で毎年行われるイベント「アース・セレブレーション」が、外国人に大人気。日本文化や観光地を紹介する英語サイトjapan-guide.com(ジャパンガイド)の「旅行先の満足度ランキング」で、第1位を獲得しています。

 「アース・セレブレーション」は“佐渡で地球はひとつになる”をテーマに、毎年8月に開催されています。海外でも人気の太鼓芸能集団『鼓童』のパフォーマンスや、佐渡島の伝統を味わうツアーなどが楽しめるとあって、年々海外からの観光客が増えているそうです。

稀少な生物を有する世界自然遺産:父島

 東京から船でまる1日かけて到着する、小笠原諸島最大の島・父島。小笠原諸島は豊かな自然と独自の生態系を持ち、多数の固有種が棲息していることから、世界自然遺産にも認定されています。

 父島はもともと「ボニン(無人)・アイランド」と呼ばれた無人島でした。1830年、初めて島民として住み始めたのは日本人ではなく、欧米人やハワイなど太平洋諸島の先住民たちだったため、そのルーツを受け継ぐ文化が今も島に根付いています。そのため父島には日本本島とは少し違う独特の空気感があり、旅情をかきたててくれるのです。外国人観光客にとっては、日本にいながらどこか懐かしい雰囲気も感じられるのではないでしょうか。

 沖縄のような有名観光地と比べるとまだまだ外国人の知名度は低いものの、前述したジャパン・ガイド「旅行先の満足度ランキング」で2位となったことで注目を浴びています。

廃墟感たっぷりの近代遺産を巡る:端島(軍艦島)

 長崎県の海上にある端島(はしま)は、海に浮かぶ要塞のようなシルエットから「軍艦島」と呼ばれています。

 かつては無人島でしたが、明治時代に島の海底から良質の石炭が発掘されたことがきっかけで炭鉱員とその家族たちが移り住み、街として発展します。最盛期には、なんと人口密度が世界一となるほど島民が増加。生活インフラはもちろん、学校や市場、映画館など娯楽施設まで建設され、島民は豊かな暮らしを謳歌しました。

 しかし炭鉱の閉鎖にともない人々は島を退去、島はふたたび無人島に。家屋や建物はそのまま放置されたため、まるで都市がまるごと朽ち果てたかのごとく、廃墟同然となったのです。

 建物崩壊の危険からしばらく立ち入りが禁じられていましたが、貴重な近代遺産が残る島として報道されたことを機に、注目度が上昇。2005年に入島が許可され、軍艦島ツアーが人気となりました。さらに2015年には世界遺産に登録。その名が海外にも知れ渡るようになり、外国人観光客が多く訪れるようになったのです。

平和と癒やしのラビットアイランド:大久野島

 大久野島(おおくのしま)は瀬戸内海に浮かぶ、周囲4kmの小さな島です。この島の特徴は、なんといっても至るところにたくさんのウサギたちが棲息していること。その数は現在900羽といわれ、島に上陸したとたんにウサギたちが集まってくるさまは、SNSを通じて大きな話題に。「ウサギの島(ラビットアイランド)」として知名度を高めています。

 これほど多くのウサギがいるのは、かつて小学校で飼われていた8羽のウサギが放されて野生化し、繁殖したためだそうです。しかしそれ以前から、この島とウサギには深い縁がありました。

 それは太平洋戦争中のこと。この島では、秘密裏に毒ガス兵器を製造していた工場がありました。そこでは大量のウサギたちが、実験体として飼われていたのです。戦争が終わるとウサギたちは全羽殺処分されたため、この時のウサギの子孫は残っていないといいます。

 そんな悲しく、痛ましい歴史を持つとは思えないほど、現在の大久野島には穏やかな空気があふれています。今も世界中から多くの観光客が島へ癒やしを求めてやってきていることに、平和の尊さを感じずにはいられません。

あえて“リゾート化しない”ことが魅力に:小値賀島

 最後にご紹介するのが、長崎県の小値賀島(おぢかじま)です。外交や漁業の要衝地として発展してきた歴史から、多様な民族・文化を受けいれる島民性があり、現在は観光業が主な産業となっています。

 真っ白な砂浜が魅力の「柿の浜」や、海水の浸食で生まれた「五両ダキ」といった自然景観はもちろん、江戸末期~明治期の街並みも残っており、美しい自然に囲まれながらレトロ散策も楽しめます。

 観光のための街づくりを積極的に行っている小値賀島ですが、島にはホテルも、リゾート施設もありません。旅館は(調べる限り2軒)あるものの、「ありのままの島の生活を体験して欲しい」という意図から、宿泊施設はほとんどが民宿か民泊、あるいはゲストハウスとなっています。コンビニも娯楽施設もありませんが、それがかえって「非日常的で楽しめる」と話題となり、特に都会住まいの観光客の来島が増加しているといいます。

 こうした“あえてリゾート化しない”という小値賀島の取り組みは、地方創生、島活性化のモデルケースとして国内外で注目されており、昨今は海外からの移住者の受けいれも開始。民宿で働く外国人スタッフによる海外への情報発信が、集客につながっているそうです。

 「何かある」ことも「何もない」ことも、どちらも旅の醍醐味であることに違いありません。ゆったりとした離島の旅、みなさんも是非体験してみては。

<参考サイト>
・訪日外国人は離島がお好き 佐渡と小笠原の共通点は?(NIKKEI STYLE)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO30213800Y8A500C1000000/
・米紙記者が「父島」で見た、ニッポンの知られざる“多民族社会”(クーリエ・ジャポン)
https://courrier.jp/news/archives/211595/
・軍艦島コンシェルジュHP
https://www.gunkanjima-concierge.com
・大久野島(ひろしま竹原観光ナビ)
https://www.takeharakankou.jp/spot/4304
・【島×地方創生】単独町制を選択し、民泊と古民家ステイでファンを集める vol.04 小値賀島<1>(ritokei)
https://ritokei.com/pickup/cac4_1
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