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SNSやネットでの誹謗中傷は罪になるのか
現代社会のインフラとして広く普及しているSNSやネットですが、公的なことから私的なことまで使い方や運用方法は多種多様です。そのため、現時点では残念ながら、誹謗中傷のツールとして利用する人もいます。
ただし、当然ながらSNSやネットでの誹謗中傷も、罪となります。ではどのような罪状となり、またどんな実例があるのでしょうか。
(1)名誉毀損罪は、刑法第230条に規定されている犯罪です。具体的なことがらを挙げて公然と人の名誉、すなわち社会的評価を傷つけた場合に成立します。なお、嘘やでたらめな情報だけでなく、言いふらした内容が事実であっても、相手の社会的名誉を傷つけるものであれば罪に問われます。
(2)侮辱罪は、刑法第231条に規定されている犯罪です。具体的なことがらを挙げずに公然と人を侮辱した場合に成立します。「バカ」「キモイ」「ブス」といった、抽象的で事実を示さない内容でも成立することがあります。
(3)脅迫罪は、刑法第222条に規定されている犯罪です。本人または親族の生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると脅した場合に成立します。
他にも、(4)風説の流布や偽計により他人の信用を失わせる罪である「信用毀損罪」(刑法第233条)、(5)他人の業務を妨害する罪である「業務妨害罪」(偽計業務妨害罪:刑法第233条/威力業務妨害罪:刑法第234条)などに問われる場合もあります。
例えば、2015年~2017年にかけて、ネットの匿名掲示板にあるプロ野球選手の妻の外見に対する誹謗中傷が書き込まれました。子どもにまで被害がおよんだこともあり、その選手は誹謗中傷の書き込みをした20代女性を特定し、訴えました。誹謗中傷をした女性には、誹謗中傷に対する損害賠償と訴えを起こすためにかかった費用と合わせて、約200万円の支払いが命じられました。
また、2019年に東京・池袋で高齢者男性の運転ミスによる乗用車暴走事故で妻子を亡くした被害者遺族男性をツイッター上で誹謗中傷をしたとして侮辱罪などに問われた男性に対し、東京地裁は侮辱罪について求刑通り拘留29日を言い渡しました。
そして、2020年にある女子プロレスラーが、出演したリアリティー番組をきっかけにSNSで誹謗中傷されたことにより心身を病み、自らの命を絶ってしまった事件が挙げられます。
最後に紹介した事件は社会問題として特に大きな反響をよび、SNSやネットでの誹謗中傷に対する規制を強化する動きへとつながりました。そして、2022年7月、インターネット上の誹謗中傷対策を目的に、侮辱罪の法定刑を引き上げることなどを盛り込んだ改正刑法が成立しました。
従って専門家が時間と労力をかけさえすれば、痕跡をたどることはアナログより確実性が高く容易です。その意味において、SNSやネットで発信することは、記名性や危険度の高い行為であるともいえます。
もちろん大原則として、罪の成立にかかわらず、リアルな世界であろうとSNSやネットの世界であろうと、誹謗中傷はしてはいけません。しかし、まずは「ネットの匿名性は幻想」であることを認識し、SNSやネットを適切に運用することが、ネット社会がインフラとして普及した現代では求められます。
また、それでも誹謗中傷にあった場合の対策としては、(1)書き込んだ人に削除を依頼する、(2)サイト管理者に削除依頼情報の開示を求め削除を要請する、(3)最寄りの警察署や都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口に相談する、(4)証拠をそろえ民事訴訟を起こす、(5)法テラスや誹謗中傷に強い弁護士に相談する――などが挙げられます。
誰にも開かれた便利なSNSやネットだからこそ、利用者の一人ひとりに加害者にも被害者にもならないための責任が課されています。
ただし、当然ながらSNSやネットでの誹謗中傷も、罪となります。ではどのような罪状となり、またどんな実例があるのでしょうか。
SNSやネットでの誹謗中傷によって成立する罪
SNSやネットでの誹謗中傷によって成立する代表的な罪状として、以下の5つが挙げられます。(1)名誉毀損罪は、刑法第230条に規定されている犯罪です。具体的なことがらを挙げて公然と人の名誉、すなわち社会的評価を傷つけた場合に成立します。なお、嘘やでたらめな情報だけでなく、言いふらした内容が事実であっても、相手の社会的名誉を傷つけるものであれば罪に問われます。
(2)侮辱罪は、刑法第231条に規定されている犯罪です。具体的なことがらを挙げずに公然と人を侮辱した場合に成立します。「バカ」「キモイ」「ブス」といった、抽象的で事実を示さない内容でも成立することがあります。
(3)脅迫罪は、刑法第222条に規定されている犯罪です。本人または親族の生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると脅した場合に成立します。
他にも、(4)風説の流布や偽計により他人の信用を失わせる罪である「信用毀損罪」(刑法第233条)、(5)他人の業務を妨害する罪である「業務妨害罪」(偽計業務妨害罪:刑法第233条/威力業務妨害罪:刑法第234条)などに問われる場合もあります。
SNSやネットでの誹謗中傷の罪と罰
SNSやネットでの誹謗中傷の実例は多数あります。例えば、2015年~2017年にかけて、ネットの匿名掲示板にあるプロ野球選手の妻の外見に対する誹謗中傷が書き込まれました。子どもにまで被害がおよんだこともあり、その選手は誹謗中傷の書き込みをした20代女性を特定し、訴えました。誹謗中傷をした女性には、誹謗中傷に対する損害賠償と訴えを起こすためにかかった費用と合わせて、約200万円の支払いが命じられました。
また、2019年に東京・池袋で高齢者男性の運転ミスによる乗用車暴走事故で妻子を亡くした被害者遺族男性をツイッター上で誹謗中傷をしたとして侮辱罪などに問われた男性に対し、東京地裁は侮辱罪について求刑通り拘留29日を言い渡しました。
そして、2020年にある女子プロレスラーが、出演したリアリティー番組をきっかけにSNSで誹謗中傷されたことにより心身を病み、自らの命を絶ってしまった事件が挙げられます。
最後に紹介した事件は社会問題として特に大きな反響をよび、SNSやネットでの誹謗中傷に対する規制を強化する動きへとつながりました。そして、2022年7月、インターネット上の誹謗中傷対策を目的に、侮辱罪の法定刑を引き上げることなどを盛り込んだ改正刑法が成立しました。
誹謗中傷の加害者にも被害者にもならないために
SNSやネットは、表面上は匿名性の世界といえます。しかし、あくまでもそれは表層の部分といえます。なぜなら、デジタルの世界で完全に痕跡を消すことは難しいからです。従って専門家が時間と労力をかけさえすれば、痕跡をたどることはアナログより確実性が高く容易です。その意味において、SNSやネットで発信することは、記名性や危険度の高い行為であるともいえます。
もちろん大原則として、罪の成立にかかわらず、リアルな世界であろうとSNSやネットの世界であろうと、誹謗中傷はしてはいけません。しかし、まずは「ネットの匿名性は幻想」であることを認識し、SNSやネットを適切に運用することが、ネット社会がインフラとして普及した現代では求められます。
また、それでも誹謗中傷にあった場合の対策としては、(1)書き込んだ人に削除を依頼する、(2)サイト管理者に削除依頼情報の開示を求め削除を要請する、(3)最寄りの警察署や都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口に相談する、(4)証拠をそろえ民事訴訟を起こす、(5)法テラスや誹謗中傷に強い弁護士に相談する――などが挙げられます。
誰にも開かれた便利なSNSやネットだからこそ、利用者の一人ひとりに加害者にも被害者にもならないための責任が課されています。
<参考文献・参考サイト>
・『ネットリテラシー・パーフェクトガイド』(稲葉茂勝・鎌田靖著、こどもくらぶ編集、新日本出版社)
・『現代用語の基礎知識』(自由国民社)
・「言言語語」『週刊エコノミスト』(2022年7月5日号、毎日新聞出版)
・【特集】SNS等の誹謗中傷 | 安心・安全なインターネット利用ガイド
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/sns/
・SNSでの誹謗中傷は罪になる? 不安なら弁護士に相談すべき理由│ベリーベスト法律事務所
https://keiji.vbest.jp/columns/g_other/5925/
・『ネットリテラシー・パーフェクトガイド』(稲葉茂勝・鎌田靖著、こどもくらぶ編集、新日本出版社)
・『現代用語の基礎知識』(自由国民社)
・「言言語語」『週刊エコノミスト』(2022年7月5日号、毎日新聞出版)
・【特集】SNS等の誹謗中傷 | 安心・安全なインターネット利用ガイド
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/sns/
・SNSでの誹謗中傷は罪になる? 不安なら弁護士に相談すべき理由│ベリーベスト法律事務所
https://keiji.vbest.jp/columns/g_other/5925/
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