テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.07.18

車のバッテリー上がり、前兆はあるのか?

 自動車にとって致命的なのは、燃料とバッテリーがなくなったときです。燃料は補充すればすぐに動きますが、放電してしまったバッテリーは充電もしくは交換しなければ動きません。日々のメンテナンスで気をつけたいのは、バッテリーの状態ということになりそうです。

バッテリー上がりの前兆

 ひさびさのドライブと意気込んで運転席に座るもエンジンスタートしない、そんな状況に陥ったことのあるドライバーは少なくないのではないでしょうか。車内灯をつけっぱなしにしていたとか、ヘッドライトを消し忘れたというように明確な原因に思い至ればよいのですが、原因不明のバッテリー上がりは不安が募ります。JAFなどのロードサービスを呼んで、緊急充電で済めばよいのですが、そもそものバッテリーが寿命ということも考えられます。

 そんなバッテリー寿命の前兆は、ヘッドライトの明るさが落ちること、ウインカーやパワーウインドゥの動作が少しもたつく、エンジンの始動に時間がかかるといった現象で知ることができます。昔ながらのハロゲンランプでは電圧が下がればその分ライトは暗くなるためバッテリー消耗は分かりやすいですが、近年のLEDでは事情が異なりますので、不安を覚えたら電圧計などでチェックするようにしましょう。

バッテリー上がりの原因

 バッテリー上がりの原因は、以下のようなケースが挙げられます。

・ ほとんど運転せず放置していたため自然放電した
・ バッテリーが古くなった

 車は機器を一切使用せずともわずかに電力を消費しているうえ、バッテリー自体も自然放電するため、日頃から車を走らせて充電しなければ電圧が徐々に低下し、ゆくゆくはバッテリー上がりを引き起こします。3年前後を使用したバッテリーは劣化し蓄えられる電力が少なくなっているため、バッテリー上がりを起こしやすくなります。

 自己責任というべき原因としては、

・ ヘッドライトがつけっぱなし
・ 半ドアなど室内灯が点灯しっぱなし
・ エンジンをかけずにエアコンおよび送風を使っていた
・ ドライブレコーダーの駐車監視機能を使用していた

 バッテリー上がりの原因の多くは、電力を消費する機器のつけっぱなしです。近年の自動車は、ヘッドライトの自動点灯消灯など、こうした過失を未然に防げる機能が搭載されています。新車から旧車に乗り換えたりするとバッテリー上がりが起こりやすくなるので注意しましょう。

バッテリーが上がってしまったら

 バッテリー上がりを起こしてしまっても、バッテリーが消耗しきっていなければ、応急処置として復旧させることができるので、以下の方法で対処しましょう。

・ ロードサービスを呼ぶ
 JAFや加入している保険会社のロードサービスに連絡をしましょう。料金や細かなサービス内容は利用するロードサービスにより異なり対応も違いますが、電話やメールで場所を伝えれば30分から1時間程度で現地まで駆けつけてバッテリー上がりに対処してくれます。こうした状況を見越して、携帯電話などにロードサービスの連絡先を登録したり、連絡先を書いたメモも車内に常備することをオススメします。

・ジャンプスターターを使う
 エンジン始動に対応したジャンプスターター=小型バッテリーの用意があれば、自力でバッテリー上がりから復旧できます。価格も数千~1万円程度で購入できるため、いざというときのために車載しておくことをオススメします。

・ジャンピングスタートを試みる
 バッテリー上がりを起こした車と他車のバッテリーをブースターケーブルでつなぎ、必要な電力を分けてもらうことでエンジンを始動させることができます。近くに対応してくれる車と、乗っている車に応じた許容電流値のケーブルがあれば、もっとも安価に復旧させることができます。ケーブルは1,000円~2,000円程度で購入することができます。

復旧したあと気をつけるべきこと

 ロードサービスやジャンピングスタートなどでエンジンが始動できても安心は禁物です。復旧直後はバッテリーの電圧が低いままであるため、一度エンジンが停止してしまえば再びエンジンがかけらない状態になりかねません。なるべく電装品を使わずに30分から1時間ほど走行し、バッテリーが十分に充電できるまでエンジンを停止しないよう注意しましょう。

 バッテリー上がりは著しくバッテリーを劣化させます。もともとの年数劣化に加えて一度でもバッテリー上がりを起こしたら、新品のバッテリーであってもディーラーや整備工場などの専門店で電圧など状態をチェックしてもらうようにしましょう。

 問題がわかったら速やかに交換するようにしましょう。交換費用はバッテリーサイズや業者によって異なりますが、通常は5,000~20,000円+交換工賃2,000円前後、アイドリングストップ機能搭載車などは特殊なバッテリーを使用するため10,000~50,000円ほどになります。

 なによりも未然にバッテリーを上げないように気をつけたいものです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

気づきを与えるカードゲームの魔法、大事なのは足場かけ

気づきを与えるカードゲームの魔法、大事なのは足場かけ

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(4)足場かけと遊びの活用

子どもが言葉やその概念を学習する過程では、大人の側が知識として一方的に「教える」というやり方では、子どもの理解は促進されない。重要なのは、子どもが自分で「気づく」ように環境をつくってあげることである。そのことを...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/13
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
2

一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界

一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界

習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?

「習近平中国」「習近平時代」における中国内政の特徴を見る上では、それ以前との比較が欠かせない。「中国は、毛沢東により立ち上がり、鄧小平により豊かになり、そして習近平により強くなる」という彼自身の言葉通りの路線が...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/09/25
垂秀夫
元日本国駐中華人民共和国特命全権大使
3

2・26事件の失敗に学ぶ!? クーデターを成功させるためには

2・26事件の失敗に学ぶ!? クーデターを成功させるためには

クーデターの条件~台湾を事例に考える(3)クーデターの具体的手段と外的要因

クーデターを成功させるためには、鎮圧側との攻防を制しなければならない。ではそれはどのように実現できるのだろうか。そこには、単に正面から抵抗するのではないさまざまな戦略があり得る。台湾でのクーデターを想定し、具体...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/10
上杉勇司
早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授 沖縄平和協力センター副理事長
4

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本

組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授
5

垂秀夫元中国大使に習近平中国と米中関係の実態を聞く

垂秀夫元中国大使に習近平中国と米中関係の実態を聞く

編集部ラジオ2025(23)垂秀夫元中国大使が語る習近平中国

今回の編集部ラジオでは、垂秀夫先生(元日本国駐中華人民共和国特命全権大使)にお話しいただいた講義を紹介します。垂先生は『日中外交秘録』(文藝春秋)という本を発刊されていますが、その帯コピーに版元が記したキャッチ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/09