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DATE/ 2015.10.05

食べて強くなる、秋の味覚って?

 暑さも和らぎ涼しさを感じられる時節、夏に溜まっていた疲れも少しずつ抜けて、食への欲求も増している頃ではないだろうか。

 今回は秋の代表的な食材とその効能について記していきたい。

 秋の味覚の代表といえば栗。カフェやレストランでも栗の風味を活かした商品が展開されている。そのまま食べてもよし、菓子やおこわにアレンジしてもよし。

<効能>
・ビタミンB1が豊富で、元気になる
・高い栄養素で手軽にカロリーがとれる
・渋皮の部分にあるタンニン(ポリフェノールの一種)には、抗酸化作用があり、生活習慣病の予防になる
・食物繊維が豊富で、便秘改善になる
・カリウムが豊富で、余分な塩分を排出してくれる

 小さいのに栄養価の高い栗。夏、汗をかいて流れ出た塩分を取り戻そうと余分にとってしまった、普段から食生活が乱れているという人は、栗を食べてリセットできることだろう。カロリーが高いので食べ過ぎには注意。

きのこ

 やっぱり美味しいきのこ。パスタや炊き込みご飯、寒くなってきたら鍋にも、使い勝手は抜群。

<効能>
・カルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富で、骨が強くなる
・カロリーが低く食物繊維が便秘改善に
・βグルカンが免疫力を高め、がんの予防になる
・葉酸によって赤血球やたんぱく質を作る手伝いをし、貧血予防に
・多くのミネラルが高血圧を防ぎ、疲労回復にもなる

 幅広く料理に使える上にがん予防にもなるなんて優れもの。種類によってもビタミン含有量などの違いがあるので、自分に合ったきのこを見つけるのもいいかもしれない。

さつまいも

 ホクホクとおいしいさつまいも。栗と並んでスイーツ界を支えている。

<効能>
・ビタミンCが豊富。でんぷんのおかげで、熱を加えても壊れにくい
・豊富な食物繊維で、便秘知らず
・カルシウムが多く、骨を強くする(きのこと一緒にとると効果UP)
・βカロチンによってがん予防に
・血液中のコレステロールを減少させる

 近年登場した紫いもも、すっかり身近なものになった。さつまいもの効能に加え、アントシアニン(ポリフェノールの一種)の含有量が非常に高く、抗酸化作用を持っている上に、目に良いとされている。

サンマ

 秋のつく魚といえば、サンマ。この時期、市場にはもうおいしいサンマが並んでいることだろう。背の青い光物といえば、栄養価の高い魚として有名だ。

<効能>
・魚油に含まれるDHA、EPAが豊富で血液をサラサラに、悪玉コレステロールを減少する働きもある
・ナイアシンによって、肝臓の働きを良くする。
・ビタミンB12が魚の中でもダントツに多く、皮膚や粘膜に良い。

 網の上で焼くサンマのにおいはたまらない。二日酔いに効くナイアシンは、風味豊かな血合の部分に多い。残さず食べよう。

 秋の味覚はまだまだある。体を温める効果がある食材も多いので、できるだけ旬のものを口にしたい。
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