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DATE/ 2023.08.26

「車検ステッカー」正しい貼り付け位置はどこ?

 車検を受けたら必ずステッカー(シール)をフロントガラスに貼り付けなければなりません。また貼り付け場所には以前から決まりがありましたが、この場所が2023年7月から変更になりました。新しいルールを知っておきましょう。

前方かつ運転者席から見やすい位置

 これまで車の車検ステッカー(自動車検査標章)は「前方から見えやすい位置」に貼るとされてきました。実際にはフロントガラス中央上部、バックミラーの裏あたりに貼り付けていた人が多いと思います。これが2023年7月以降は「前方かつ運転者席から見やすい位置(運転者側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置)」に変更になりました。もう一歩具体的に言えば「運転席から見てフロントガラス右上」に貼りつけるということです。

 車検ステッカー(自動車検査標章)には車検の有効期間が満了する年月(内側には年月日)が記されています。これまでのバックミラー裏あたりだと、スッと目に入りにくいという問題があったようです。このことで車検の時期を忘れて車検切れになっている車もあったとのこと。今回はこの「車検受け忘れ」を防ぐ措置として、車の外からと運転席の両側から確認しやすい位置に変更になった、ということのようです。

「車検ステッカー」は貼らないと罪に問われる

 この「自動車検査標章(車検ステッカー)」と名前が似たものに「保安基準適合標章」があります。「保安基準適合標章」とは車検を受け車が保安基準に適合したことを証明する書類です。「自動車検査標章(車検ステッカー)」は公的なものなので、申請して手続きを経たのちに交付されるものです。このことから指定自動車整備事業者(指定整備工場)で車検を受けた場合、すぐに「自動車検査標章(車検ステッカー)」はもらえません。この間はその指定整備工場が発行する「保安基準適合標章」を備えておく必要があります。

 つまり、一定期間は「保安基準適合標章」が車検を受けた証明の代わりになります。しかし手元に「自動車検査標章(車検ステッカー)」が届いていれば、貼り付けておく義務があります。もし貼り付けないで車を運行した場合、法律違反となります。これは道路運送車両法第66条に定められており、違反すると50万円以下の罰金が科されます。それなりに大きな罪であることがわかります。

再発行は可能

 もちろん、紛失した場合も同様です。ただし再発行することは可能です。この場合、普通車であれば、最寄りの運輸支局又は自動車検査登録事務所にいけば、再発行の手続きをすることができます。また軽自動車の場合は、軽自動車検査協会の全国にある支部で再交付申請ができます。

 また再発行でなくとも「自動車検査標章(車検ステッカー)」は、車検が終わってから何日か経過後に手元に届く場合が多いようです。この場合、もちろん自身で貼り付けなければなりません。「フロントガラスの運転席側上部に貼る」ということを意識しましょう。

<参考>
国土交通省 自動車局整備課
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/assets/pdf/kensahyosho_haritukeichi.pdf
検査標章(ステッカー)│自動車検査登録総合ポータルサイト
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/sticker/index.html
検査標章再交付(ステッカー再交付)|国土交通省 関東運輸局
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/car_regist_saikoufu_1.htm
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