社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
日本一の「モグラ駅」群馬県の土合駅とは
群馬県の土合(どあい)駅をご存じでしょうか。「日本一のモグラ駅」と呼ばれている駅で、鉄道ファンはもちろん一般の観光客からも人気の観光スポットになっています。
変わっているのが新潟方面へ向かう下り線のホームです。上り線のホームは地上なのに対し、下り線は「新清水トンネル」とつながっている影響で、ホームが地下深くにあるのです。
その下り線ホームまで行く階段が非常に長く、その数なんと462段。連絡通路内の階段を含めると486段にもなります。階段の長さは約300m、10分ほど階段を下り続ける(もしくは上り続ける)ことになるので、その深さが分かるでしょう。駅舎と下りホームまでの標高差は70mにもなり、たとえ夏場でもホームまで行くとひんやりと寒さを感じるそうです。
このように地下深くにありトンネルと接続している駅のことを、鉄道ファンの間では地下でトンネルを掘って棲息しているモグラにちなみ「モグラ駅」と呼んでいます。中でも土合駅はホームまでの階段の長さ、インパクトの高さから「日本一のモグラ駅」とされています。
実は上越線は、もともと上り・下り列車とも同じ線路の上を走る単線でした。しかし1960年代の高度経済成長期に関東~新潟間を利用する人が増えたことから、JRは上越線の線路を上下2つに複線化することに決定。上り線はもとの線路をそのまま使用し、下り線は輸送時間短縮のため新たに山の中にトンネルを掘り、突っ切る形で新造されました。
土合駅は、この新たにできた新清水トンネルの途中に位置していたため、トンネル内にホームが設けられることになったのです。
薄暗く、底なしかと思えるほど長い階段、トンネル内でぼんやりと明かりが灯る待合室、まるで時が止まったかのような無人の駅舎……などなど、どこかミステリアスでありながら郷愁も感じられる土合駅。その他にはない際だった風情、秘境感は評判を呼び、近年はカフェやグランピング施設までオープンするほど、群馬県の目玉観光地となっています。
土合駅に並ぶ屈指のモグラ駅といえば、新潟県糸魚川市の「えちごトキめき鉄道(ETR)日本海ひすいライン」の筒石(つついし)駅です。頸城(くびき)トンネル内にあり、改札から下り線のホームまでは290段、上り線のホームまでは280段の階段をクリアしなければなりません。階段は全長170~200mほどにもなります。
同じく新潟県で十日町市の「北越急行ほくほく線」美佐島(みさしま)駅もまた、日本を代表するモグラ駅として知られています。ホームは地下10.1mの赤倉トンネル内にありさほど深くはありませんが、階段は幅が狭く、やはり異空間へ誘われるかのような趣きがあります。筒石駅とともに「新潟県二大地下駅」と呼ばれています。
都心の駅では、東京駅の「京葉線ホーム」も、日本を代表するモグラ駅といわれています。実はここは、海抜-29.19mと「JRで最も低い駅」とされています(ちなみに土合駅は海抜583mで、むしろ高いのです)。
京葉線へと向かうまでにいくつかの長いエスカレーターや階段を越えなければならず、普通に歩いていてはなかなかホームまでたどり着きません。経路によっては動く歩道もありますが、10~20分はかかること必至。特に通勤で使っている人にとっては、なかなか大変な道のりとなっています。
まるでゲームのダンジョンの中へと入るようなドキドキ感を味わえる、地下深くのモグラ駅。みなさんも訪れてみてはいかがでしょうか。
486段の階段の先にある地下ホーム
土合駅は群馬~新潟間を結ぶJR東日本上越線の無人駅です。上り線と下り線があり、1日平均利用者数は20人程度、ダイヤも1日10数本というごく小さな駅で、上り線のホームは山間部の無人駅らしい秘境感にあふれています。変わっているのが新潟方面へ向かう下り線のホームです。上り線のホームは地上なのに対し、下り線は「新清水トンネル」とつながっている影響で、ホームが地下深くにあるのです。
その下り線ホームまで行く階段が非常に長く、その数なんと462段。連絡通路内の階段を含めると486段にもなります。階段の長さは約300m、10分ほど階段を下り続ける(もしくは上り続ける)ことになるので、その深さが分かるでしょう。駅舎と下りホームまでの標高差は70mにもなり、たとえ夏場でもホームまで行くとひんやりと寒さを感じるそうです。
このように地下深くにありトンネルと接続している駅のことを、鉄道ファンの間では地下でトンネルを掘って棲息しているモグラにちなみ「モグラ駅」と呼んでいます。中でも土合駅はホームまでの階段の長さ、インパクトの高さから「日本一のモグラ駅」とされています。
土合駅がモグラ化した理由
なぜ土合駅の下り線ホームは、ここまで深くなったのでしょうか。実は上越線は、もともと上り・下り列車とも同じ線路の上を走る単線でした。しかし1960年代の高度経済成長期に関東~新潟間を利用する人が増えたことから、JRは上越線の線路を上下2つに複線化することに決定。上り線はもとの線路をそのまま使用し、下り線は輸送時間短縮のため新たに山の中にトンネルを掘り、突っ切る形で新造されました。
土合駅は、この新たにできた新清水トンネルの途中に位置していたため、トンネル内にホームが設けられることになったのです。
薄暗く、底なしかと思えるほど長い階段、トンネル内でぼんやりと明かりが灯る待合室、まるで時が止まったかのような無人の駅舎……などなど、どこかミステリアスでありながら郷愁も感じられる土合駅。その他にはない際だった風情、秘境感は評判を呼び、近年はカフェやグランピング施設までオープンするほど、群馬県の目玉観光地となっています。
そのほかのモグラ駅
土合駅ほどの深さではないにしろ、こうしたトンネルと接続しているモグラ駅は、全国にいくつかあります。土合駅に並ぶ屈指のモグラ駅といえば、新潟県糸魚川市の「えちごトキめき鉄道(ETR)日本海ひすいライン」の筒石(つついし)駅です。頸城(くびき)トンネル内にあり、改札から下り線のホームまでは290段、上り線のホームまでは280段の階段をクリアしなければなりません。階段は全長170~200mほどにもなります。
同じく新潟県で十日町市の「北越急行ほくほく線」美佐島(みさしま)駅もまた、日本を代表するモグラ駅として知られています。ホームは地下10.1mの赤倉トンネル内にありさほど深くはありませんが、階段は幅が狭く、やはり異空間へ誘われるかのような趣きがあります。筒石駅とともに「新潟県二大地下駅」と呼ばれています。
都心の駅では、東京駅の「京葉線ホーム」も、日本を代表するモグラ駅といわれています。実はここは、海抜-29.19mと「JRで最も低い駅」とされています(ちなみに土合駅は海抜583mで、むしろ高いのです)。
京葉線へと向かうまでにいくつかの長いエスカレーターや階段を越えなければならず、普通に歩いていてはなかなかホームまでたどり着きません。経路によっては動く歩道もありますが、10~20分はかかること必至。特に通勤で使っている人にとっては、なかなか大変な道のりとなっています。
まるでゲームのダンジョンの中へと入るようなドキドキ感を味わえる、地下深くのモグラ駅。みなさんも訪れてみてはいかがでしょうか。
<参考サイト>
・NO.198 群馬の日本一「日本一のモグラ駅」(2018年11月号)(コープぐんま)
https://gunma.coopnet.or.jp/event/look/walk_198.html
・全国モグラ駅 6選(ニッポン旅マガジン)
https://tabi-mag.jp/underground-station/
・下り線ホームは地下70メートル 「日本一のモグラ駅」ができたわけ(朝日新聞デジタル)
https://digital.asahi.com/articles/ASR2S0169R2HOXIE00D.html?_requesturl=articles%2FASR2S0169R2HOXIE00D.html&pn=10
・NO.198 群馬の日本一「日本一のモグラ駅」(2018年11月号)(コープぐんま)
https://gunma.coopnet.or.jp/event/look/walk_198.html
・全国モグラ駅 6選(ニッポン旅マガジン)
https://tabi-mag.jp/underground-station/
・下り線ホームは地下70メートル 「日本一のモグラ駅」ができたわけ(朝日新聞デジタル)
https://digital.asahi.com/articles/ASR2S0169R2HOXIE00D.html?_requesturl=articles%2FASR2S0169R2HOXIE00D.html&pn=10
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候
古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る
いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新
前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
きっかけはイチロー、右肩上がりの成長曲線で二刀流完成へ
大谷翔平の育て方・育ち方(5)栗山監督の言葉と二刀流への挑戦
高校を卒業した大谷翔平選手には、選手としての可能性を評価してくれた人、そのための方策を本気で考えてくれた人がいた。それは、ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウト小島圭市氏と、元日本ハムファイターズ監督で前WBC...
収録日:2024/11/28
追加日:2025/03/31
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29